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勇者死んだままパーティー(契約中) ― 海の魔獣退治 ―  作者: ぽすしち
おかしいはなし ― 6 ―

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13/15

カワイイでウマソウ




 6.



  「 ―― そうか、《勇者》はそっちか。悪かった」

   あまり反省の色はなさそうに、カテカはガットとリミザに謝った。

 


 《勇者一行》も編み椅子にすわり、部屋の真ん中におかれた大きな楕円形のテーブルをはさんでカテカとむかいあっている。

 この『青い部屋』には、窓もドアもあり、ドアから入ってきたナオは、きれいな色のジュースと皿に盛った果物をテーブルに置くと、部屋にはのこらずにまた出て行ってしまった。



 カテカの謝罪に、ガットは肩をくすめただけだったが、ラーラとラフィーはまだ爆笑の余韻をひきずり、顔をふせている。リミザはにやにやしながらジュースを飲んだが、その酸っぱさに咳き込んだ。


「いまむせてる《勇者》がリミザで、こぶしをにぎってわらいを耐えてる《魔法使い》がラーラ、いまスイッチが切りかわって真顔になった《賢者》のラフィーと、《戦士》のおれがガットだ。 この四人のパーティーで、《王様連盟》からの依頼をうけて今回の『海の魔獣退治』に行く」

 

 ガットの説明にリミザがむせながらも、「 まって、まって、」と片手をあげた。

「あといっぴき、仲間がいるから」言うなり隣にすわるラフィーの法衣の胸当て部分に、なんの断りももなく手をつっこみ、白くだらりとしたものをつかんで取り出した。


「うわ~、やだ、死んじゃった?」

 それをみたラーラが眉間のしわをふかめ、なぜかわらうようにきく。


 するとリミザにつかまれた《白いもの》が、じたばたと動いた。


「 っ ンが、くっそ!リミザ!てめえおれを海に落としやがったな!!」


「え?そうだった?まあ、いいじゃん、ラフィーに助けてもらえたんだから」


 リミザはわめくそれをテーブルの上におき、説明した。


「これはうちの《マスコット》というか、《カワイイ担当》の白いトカゲ」



「『トカゲ』? へえ、おまえたちの土地のトカゲは変わったかたちなんだな。しっぽがない」カテカが物珍し気に手をのばし、『白いトカゲ』の後ろあしをひとつつまんで、もちあげた。


 身をよじりながらトカゲは抗議する。

「ざけんな!まずはしゃべるのに驚け! 尻尾はなあ、そこの賢者面した鬼畜が、イカレたヤロウに、おれを標本にしていいなんていいやがったから、にげるためにしかたなく切ったから今はねえんだ」


 『鬼畜』よばわりされた《賢者》が微笑みながら、「生きているうちに博学士会に寄贈したいとおもってはいますが、とりあえずは尻尾を先に標本にしてもらおうと思いまして」と、ジュースグラスをかかげた。


「ラフィー、それ名案。こいつの標本、魔法研究所にも分けてほしいわ」

 リミザをはさんで座っていた《魔法使い》が身をのりだして《賢者》とグラスをうちあわせる。


「 てっめえらっ、おれがドラゴンにもどったら、まっさきにつまみあげてまとめてミンチにしてから、小麦粉をまぶしてっ つ、」


「油であげたら、うまそうだな。このトカゲ」


 まだあしをつまんでいたカテカが目の高さにもちあげ、かたほうの指でぷっくりとしたトカゲの腹をなでながらとつぜん言って、そのゆびをそのまま喉へとすべらせて、「ふうん」とおもしろそうに口端をあげた。


「おまえたちの大陸には変わった術があるのだな。てっきり、トカゲをしゃべれるように変えたのかとおもったが、 ―― どうやら、ちがうらしい・・・」

 つまんでいた指をはらうようにして、トカゲをほうりなげた。





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