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ぼくたちのマヨヒガ  作者: 唖鳴蝉
第三部 五年生 二学期
68/125

幕 間 優樹の「携帯駐輪場」

お久しぶりの「マヨヒガ」です。今回は幕間話を一話だけ。どちらかと言えばバカ話の類ですね。次回は本編に戻ります。

 ~Side 真凜~


 社会科の授業でケータイの話が出た時、縁遠(えんどお)……じゃなくて遠藤先生が、


「技術が進んで、昔は考えられなかったものまで携帯――つまり簡単に持ち運びができるようになりました。そのお蔭で、日常の生活も随分と便利になりました。今では携帯電話やノートパソコン、カセットコンロなどだけでなく、色々なものが手軽に持ち運びできるようになっています」


 そう言って先生は、テレビやラジオ、ゲーム機、扇風機なんかの例をあげて説明してくれた。昔は三十センチもある「ラジカセ」っていうのをかついで踊ってたんだって。信じられる?


 そういう話の後で先生は、


「この先も技術が進んで行けば、他にも色々なものが携帯できるようになると思います。みんなはどんなものが携帯できるようになれば良いと思いますか?」


 ――なんて言ったもんだから、クラスのみんなは大喜びで、口々に〝けいたいできたら便利なもの〟を並べ立てた。

 「ロケット」とか「自動車」とか「光線銃」なんて子供っぽい意見はたいてい男子から出て、女子からは「冷蔵庫」とか「シャワー」とか「ベッド」とか、生活に便利そうな道具が提案されていた。……「アイテムバッグ」っていう声がしたような気もするけど。

 ちなみにあたしは「掘りごたつ」っていうのが思い浮かんだけど、発表するのはさすがにジチョウした。


 ……なのに優樹ったら……



・・・・・・・・



(ゆう)()っ! さっきの発言は何よ!?」


 授業の後がちょうど昼休みだったから、あたしは(ゆう)()を問い詰める事にした。


「何って……何?」


 とぼけちゃって……本気でわからないような顔をしてても、このあたしの目はごまかせないわよ。それが証拠に、目を合わせようとしないし。


「さっきの授業よ。持ち運びできたら便利なものってお題で……『駐車場とか駐輪場』……って、何なのよ!?」


 言うに事欠いて、携帯の駐車場だなんて……いくら何でも常識ってもんがあるでしょうが。

 あたしと(ゆう)()は互いに苦手教科を教え合うって事になってるのに……あんな事を言われたら、あたしのシドウに問題があるみたいじゃないのよ。


「え~? だってあったら便利じゃない?」


 それは……確かにあったら便利かもしれないけど――そんなのを、どこにどうやって広げるつもりよ? 道路や住宅地を押しつぶして駐車場にするって言うの? 自動車や飛行機の方がまだまともじゃない。ラノベにだって登場しないわよ、そんなの。


「え? それを貼ってたら不法駐輪にならないような、そんなシールとかを考えてたんだけど? 二時間以内なら、車とか自転車を歩道の端にとめておいても怒られない――みたいな?」


 しれっとした顔――いつもながらムカつくわね――で(ゆう)()が言ったのは、意外にも現実的っぽく聞こえるアイデアだった。……駐輪場を持ち運ぶんじゃなくて、その場所を臨時で駐輪場に指定するアイテムなわけね……


「……だったら、授業中に何でそう言わないのよ?」

「え? だって、何だかみんながポカーンとしてたんで言いそびれて……その後すぐにチャイムが鳴ったから」


 「携帯の駐車場」なんて言われたら、みんながポカンとするのも当たり前でしょ。

 自分には罪がない――みたいな事を言ってるけど、どうせ面白がってやらかしたカクシンハンに違いないわ。ちょっと目を離すとこれなんだから……やっぱりあたしが、しっかり()(づな)を握ってなきゃダメね。


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― 新着の感想 ―
[良い点] バカ話というよりも惚気話というか、甘酸っぱい青春を目の当たりにした感じ。
[一言] 誤字報告機能が使えないのでこちらで >あたしと優ゆう樹きは互いに苦手強化を教え合う 苦手教科
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