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「生きる術」

見てくださりありがとうございます♪

怪異の出現から次の日。御崎は学校を終えて相談室へと向かう。その目的は昨日言いそびれた御崎の進路に関する話をするためだ。

御崎は裏口のインターホンを鳴らす。

鍵が空きドアからは紫音が顔を出す。と同時にドアが閉まる。鍵がかかる。

御崎はこの光景を一瞬理解できず唖然とする。

「なんで閉じるの!?」

もう一度インターホンを鳴らす。また紫音が顔を出す。

「…なんか用?不審者。」

「不審者じゃない…って言い切れないけど!零璃さんに会わしてほしいな。えっと…あなたの名前は?」

ドアが閉まる。

「だからなんで閉じるの!?」

さらにインターホンを鳴らす。またまた紫音が顔を出す。

「うるさいんだけど…」

紫音は不機嫌そうな顔をするが、御崎はちょっと呆れ気味に答える。

「いったい誰のせいなんやら…もしかして今零璃さんいない?いないなら帰るけど。」

「いるよ。あいつ基本引きこもりだから。あ、待って。今いないなら帰るって言った?じゃあ、あいついないよ。」

紫音はなんの疑いもなく嘘をつく。

 この子そんなにわたしを帰らせたいのかよ!!

「今いるって言ったよね…ちゃんと約束したんだから会わせてよ。」

「…はあ。」

ため息を漏らす。そして沈黙が続く。

10秒経って御崎が痺れを切らす。

「黙れば帰ってくれると思ったら大間違いだからね?」

紫音は舌打ちをして、不服そうにする。

「チッ。わかった。案内する。私は[姫野 紫音(ひめの しおん)]。あんたの名前は桃華から散々聞いてるから知ってるよ。それじゃあ上がって。」

「おじゃまします。」

 ふう。やっと連れてってくれるよ。桃華ちゃんや現世ちゃんだったらもっとスムーズだったのに…

「ここ。早く終わらせて帰ってね。」

そう言い紫音は去る。その表情は不服そうであったがその真の感情は読み取れない。

御崎はドアに向き合ってノックする。

「失礼します。」

ドアを開けるとそこにはパソコンと睨めっこしている零璃と呑気に寝ている現世の姿があった。

 なんか、2人で空気が全然違う…

零璃は御崎が来ていることに少し経って気づいた。

「お、御崎くん来てくれたか。元気そうでよかった。今の当番は紫音だったな。すまないね。あの子は人見知りなんだ。そのうち信頼関係が築けるはずさ。」

零璃は雑談を少し挟む。その間に現世が目を覚ます。

「おはよぉ。御崎ちゃん。いらっしゃい。」

現世は少し寝ぼけた様子であった。

零璃は気にすることなく本題に移る。

「さて、あらせも起きたことだし昨日の話の続きをしようか。昨日の出来事も踏まえて考えてきてくれたかな?」

 そう、わたしは最初、イメージだけで決めようとしていた。どっちのほうが未来ちゃんを探すことに適しているのか。悩んだ。情報量でいえば怪異連合のほうが圧倒的だ。そこで昇格してあの日の情報を得ることが怪異連合ならできる。しかし、行動のしやすさでいえば怪異現象相談室のほうが優勢だ。また、わたしの記憶が欠けていて今日未来ちゃんの席もないことも確認できたことから、もしかしたら“未来ちゃんに関する情報”がわたしの記憶とあのお祓い棒を除いてすべて消えているかもしれない。そうなったら怪異連合に所属することは蛇足となる。

わたしがもう一つ気にした点はどのように”生きる術“を身につけるかだ。昨日聞いたところ怪異連合は教育機関が設けられていて3年間怪異について学習することができるらしい。それに対して民間の小さめの組織は教育を連合側に申請するしかないらしい。その申請も教育機関にではなく現役の霊能師に向けて送られてより実践的な教育を受けるみたいだ。しかし、期間が平均二週間、長くても一ヶ月と短期間なのが懸念するべき点だ。

「はい。もう決めてます。」

 わたしは昨日の出来事で理解した。どちらも過酷であることに相違ないと。でも、わたしは一刻も早く知りたい。部分的に記憶は残されても摩耗はする。顔も声も名前も時間が経てば忘れてしまうかもしれない。それは嫌だ。未来ちゃんはきっと生きてる。わたしが見つけないと。

御崎は頭を下げる。

「お願いします。わたしを怪異現象相談室の仲間にしてください。」

 わたしの決断が揺らぐことはなかった。むしろ確信に近づいた。わたしはわたしのやりたいことを全力でやってやる。それがわたしの願いだ。

零璃が答えるより早く現世が口を開く。

「ありがとう。御崎ちゃん。あたし嬉しいよ。これからもよろしくね。」

現世はホッとしたように笑みを浮かべて手を伸ばす。御崎は頭を上げて笑顔で握手を交わす。

零璃はその様子をみて立ち上がる。

「よし。そうとなればやることが多いぞ。御崎はこれから最低限の生きる術を少しの期間学んでもらう必要がある。どの霊能師が教えてくださるのかはわからないが信頼していい人なのは確かだ。場所はここから一番近い“怪異連合中部支部”でやるように申請しておく。おそらく一週間後ぐらいから始まるだろうから適度に運動をしておいてくれ。かなりハードだろうが頑張れよ。」

零璃は再度パソコンを打ち始める。少し経ってエンターキーを押す音が響く。零璃は御崎に向き直して口を開く。

「今日から御崎は俺たちの仲間だ。一緒に頑張ろう。」

「はい!」

御崎は零璃と握手を交わした。

そのあと、御崎は零璃と現世に連れられ怪異現象相談室の各所の部屋について軽く説明されて帰宅した。


一週間後

御崎は電車とバスを使って遠く離れた山奥の公民館らしき建物の前に立っていた。見た目は古びており人けがない。

「ここで、あってるんだよね…」

御崎は少し心配になりながら建物に入る。

受付の人に零璃から受け取った紙を渡す。少し経ってなんの変哲もない部屋へと案内される。案内している人は床に手を置きつぶやく。

「力ある者を導きたまえ。」

その瞬間、案内人の目の前の床が開く。その先に見える景色は建物の外見からは想像できないほどのハイテク施設だった。

「す、すごい。こんな施設が地下に…」

御崎は目を輝かせてつぶやく。

「ここからはお一人でお進みください。次いらっしゃる時は案内なしで入っていただいても構いません。」

案内人は先程渡した紙を返しながらそう言い残し部屋を出る。御崎は紙を受け取り、開いた床の階段を向く。

 緊張するなあ。わたしなんかがこんなところに入るなんて信じられないや。

御崎は唾を飲み込み階段へと足を進める。ゆっくりと階段を降りる。密閉された施設は足音がよく響く。少し進んだ先に大柄な男が立っていた。

 ううう、気まずいやつだ。さらっと。自然に。リラックスして。通ればいいんだ。

御崎がその男を通過しようとしたとき、その男が口を開く。

「君が…黒宮御崎かい?」

 どえええ。なんでわたしの名前を知って…ま、まさか

「は、はい。そうですけど…」

「よかった!無事に来れたみたいだな。俺は今回、君の教育を任された[熱方 炎司(あつかた えんじ)]だ!よろしくな!」

炎司は熱量たっぷりの自己紹介をする。

 す、すごい熱い人だ。

「君の話は事前に聞いているよ。覚醒したてで戦い方すら知らないらしいじゃないか。だが、安心してくれ!俺は強い!強い俺が教えるんだから君も強くなれる!」

炎司は熱く語り続けるが当の御崎はというと。

 何言ってるの…?この人。ちょっと心配。

そのとき後ろから足音が聞こえる。

「お、”もう1人”の受講者が来たな。」

そこから現れたのは…

「君は鬼姫侑香であってるかい?」

御崎と同年代の女の子。黒髪のツインテールが特徴的。服装はちょっと和風チックだ。

「そうよ。私は[鬼姫 侑香(おにひめ ゆうか)]。最初に一ついいかしら?」

何かご不満があるようだ。

炎司は堂々とした態度で聞く。

「いいぜ。言ってごらんよ。」

あちらも堂々とした態度で言う。

「私は強いわ。」

 なんか同じこと言ってるぅぅ。

「だから、あんたの教えなんかいらない。ここでぶっ倒して帰ってやる。」

早くも臨戦態勢だ。

「そうかいそうかい……え?」

予想外の行動に炎司は戸惑う。

「覚悟ー!」

侑香は炎司に向かって突っ込むが片手で止められる。

「大したことないね。」

侑香は困惑の表現を浮かべている。

「ど、どうして異能力が使えないの!?」

「安全対策さ。現在、このエリアは『異能力』のみ使うことができないように設計されている。この意味がわかるかい?」

やってやったぜ、と言わんばかりの表情を向ける。

「…『霊気操作』を使えってことでしょ。」

侑香は悔しそうに答えた。

「正解。でも、君できないでしょ?」

「…」

「そのための。俺、熱方炎司さ!!」

自信満々に叫ぶ。

「はあ。そういうこと。あんたは私に『霊気操作』を教えてくれるのね…」

侑香は納得をして諦める。

「君だけじゃなくて、あの子もだけどな!」

「まさかだけどさ。」

侑香が御崎のほうを指差す。

「こんな冴えない子と一緒に教えられるの!?ありえないわ!」

 え、いきなり悪口?泣いちゃうんだけど。

「まあ。大丈夫さ。お互い切磋琢磨していけばより強くなれる。」

炎司がフォローにならないフォローをする。

侑香は長いため息の後に御崎に歩み寄り握手を交わす。

「ヨロシクネ。ナカヨクシヨーネ。」

 棒読み!!そんなに嫌なのかよ!

「よ、よろしく…。」

「言っとくけど。馴れ馴れしくするつもりはないから。」

「は、はーい…」

 みんなクセ強い。

「では訓練場へ向かおうか!ついて来い!」

炎司が進む後ろで侑香、御崎がついていく。

複雑な迷路のような路を進む中、炎司は2人に話しかける。

「そうだ。特訓を始める前に少し質問をしよう。別に今すぐ答える必要はない。最終日でもいいから、できれば聞かせてほしい。」

御崎は真摯に向き合うが侑香はそっぽを抜く。

そんな中、炎司の声色が少し変わる。

『君たちはなんのために”生きる術”行使する?』


訓練場に到着して炎司は高らかに告げる。

「よし!特訓を始めようか!さて、2人同時に特訓をすることになっているが、2人で教える内容は少し違うぞ。まず御崎。君には最初【循環】と【放出】の技術を学んでもらう。これは最も基礎的な霊気操作技術であり、異能力を扱う者であればほぼ確実に会得できる技術なんだ。それでもこれを堅実に修得した者とそうでない者とでは戦いやすさが段違い。それほど重要な技術だ。そして、余裕があればその先の【圧縮】を教えよう。

次に侑香。君には霊気操作をベースとした新たな技を開発してもらう。やることは御崎より難しいが扱う技術は御崎と同様だ。もちろん異能力を使用してもいいがあまりおすすめはしない。理由は後ほど話そう。さあ!短い特訓週間が始まるぜー!!」


よくある特訓パートです。

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