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製作

「ひいいいいいいいいいいいい!」

「こんなに攻撃されたらもう船が沈むぅぅうぅぅぅぅ!」

「すまないエリアァァァァァァ!」


 ノアルト号を見つけて近づいていくと、数匹のモンスターに俺の船が絡まれていた。

 ベチベチと尻尾や魔法で船を攻撃している...が、船には傷一つない。

 それもそのはず、船員達は忘れているようだが、俺の船には反射魔法(リバースマジック)等の強力な魔法がこれでもか、と言うくらいに掛けられているのでそんじょそこらの雑魚モンスターには傷を付ける事すらままならない。


「ブリザードランス」


 冷気を纏った氷の槍で、近くで船を攻撃していたモンスターを葬っていく。


「お、王子様! 助かりました! 俺達がシーサーペントから逃げる時間も稼いでくれて、尚且つこうして助けてくれて...」

「いや、この船には元々強力な魔法を幾つか掛けてあるから俺が来なくても沈みはしなかったんだが...」

「そ、そうだったんですか? それだと俺達が必要ない程にモンスターを恐れていただけの腑抜け集団になってしまいますな!」


 そういうなり、何が面白かったのか船員達は声を揃えて笑い始めた。


「やっぱりウチの王子様は凄いなぁ!」


 なんて声も聞こえて来たし、悪い笑いではないと思うが。















「えーっと、それじゃあ一回これらを持って帰るから、船に魔法を掛けるのは後にしても良いか?」

「勿論です!」


 港に帰り着いた俺達は、無事を確かめ合った後にそれぞれが帰宅して行った。


「今帰るよエリアァァァァァァ!」


 ...。

 



 魔法全般を強化し、拡張したアイテムボックスにスカイオクトパスを入れて城に戻る。

 空間魔法だけにブーストを使った訳じゃないので最大強化されている訳ではないが、それでも結構ギリギリでスカイオクトパスを全て収納出来た。危ないぜ。

 早速作業が出来そうな適当な部屋を借り、スカイオクトパスをそこにバラ撒く。


「ちょっと! 帰って来てるなら言ってよって何このモンスターの山!?」


 何処から俺の居場所を嗅ぎ付けて来たのか、部屋に入って来たエルが目前にある物を見て驚愕の声を上げる。

 

「これか? ほら、昔エルが空を飛びたいって言ってただろ? これらを上手く使えば誰でも空を飛べるようになるんだ。これでお前もやっと空を飛べるようになるぞ」

「昔の事を思えていてくれたのは嬉しいけどあたしもう自力で飛べるようになったわよ? ジャンプして風魔法で一瞬だけ足場を作ってそれを蹴って...」

「うわ、パワープレイ過ぎるだろ...」

「パワープレイって何よ!? 前の海龍討伐の時に危うくノアがなかなか動かなくて水中で死ぬ所だったし今後はそんなことがないように自力で飛ぶ手段を編み出しただけなのに!?」

「あー、それは謝る。すまない」


 流石にアレは鱗とかの回収でエルには悪い事をしたと自覚しているので素直に謝る。


「全く...謝って済むなら法律も騎士団も要らないのよ...そんな目をするのは反則じゃない? ...あーもう、分かったわよ、あたしとノアの仲に免じて許してあげるわ」


 エルちょろい。

 ちょっと熱心に見つめただけで許してくれた。

 将来が心配になるぞ。




 その後もやる事がないのか俺の作業を見続けているエル。

 作業と言ってもスカイオクトパスで作りたい物の模型を作っているから、傍から見るとフィギュアを作って遊んでいるようにしか見えないかもしれない。


「うーん...こんな感じか?」

「上の卵みたいなのは何なの?」

「ああ、これが浮力を生んでくれるから、足りない分は魔法で補う...と言った感じだな」

「...相変わらず、発想が凄いわね...」


 俺が作ったのは単純に言ってしまうと気球だ。

 これに風魔法か何かで推進力を与え、気球部分にも工夫を加える事で、人が乗る部分を最小限にしたこれなら長距離を移動することも出来る。が、今作りたいのはあくまでアルカディアの王都を移動出来る程度。

 それだけなら気球部分もそこまで大きくなくても良いし、製作コストも大幅に下がるだろう。

 今あるスカイオクトパスの幾つかを練習や実験で使い潰したとしても百機くらいは飛行船が出来る筈だ。気球と言った方が良いのか?


「一応出来たが...」


 中に空気を入れてミニチュアを宙に放り投げる。

 すると、そのミニチュアは上手い事空中で体制を立て直し、ふわりふわりと宙を漂っていた。

 一分経っても二分経ってもミニチュアの高度はあまり変わらない。

 完璧だ。


「後は生産ラインの確保だけなんだが...エル何か知らないか?」

「急にそんなこと言われても困るわよ。...そうね、一日か二日待ってくれるならモノづくりが好きそうな貴族か適当な商人を見繕って来るわ。何せ私は勇者で顔が広いからね! そんなあたしを幼馴染に持てた事を誇りに思いなさい!」


 そんな事を言いながら胸を張るエル。

 いつもなら少しウザく感じるが、こういう時なら頼もしい。


「ああ。助かる」

「にしても...よくこんなのを作れるわね...えいっ」


 まじまじとミニチュア飛行船を観察してから、それを上に放り投げる。

 文字通り。放り投げる。

 ――ゴッ!

 鈍い音と共に、天井に俺のミニチュアが埋まった。

 身体能力の高い勇者(馬鹿力)ともあろうものがそんな物を雑に投げたらそうなるよな...。


「...ごめん」

「...さっきまで頼りになる奴だと思っていた俺の気持ちを返してくれ...」

実は別の作品も書いている(カス宣伝)

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