after the nightmare 2
この話で終わりです。
「それじゃあな。」
「おう、お疲れー。」
俺は大学で出来た新しい友人と別れてバイト先へと向かう。
あの事件の後、俺は怪事件の被害者ということで大学内やバイト先でちょっとした有名人になった。
今まで全く友人のいなかった俺に、少しずつ話しかけてくる奴が増えてきた。
俺はその機会を利用して、本当に久しぶりにまともな友人関係を築くことができた。
あの事件のおかげで、俺は自分の生き方をほんの少し変えることが出来た。
(それだけじゃないよー。龍太が自力で試練を乗り越えて、ありのままの自分を受け入れたからこそ、自分を変えることが出来たんだよー。)
頭の中で声が響く。
(まあ、それもあの事件がなければできなかったことだしな。)
俺は頭の中でリョウに返事をした。
そう、リョウは消えることなく、俺の思考の一部として残ったのだ。
原因は、おそらく俺がリョウと一つになるのを拒んだからだろう。
最初のうちは、リョウが頭の中にいる状態に慣れなくて、よく独り言を言って不審がられた。
今はすっかり慣れて、スムーズに意志疎通が出来る。
(ねえ龍太ー、やっぱりこの状態は普通じゃないよ。本当にこれで良かったの?)
(いいんだよ。これが俺の望んだ結果なんだから。俺たちは俺たちだ。普通じゃなくたっていいじゃねえか。)
頭の中で会話しながら、俺はいつもの道を歩いていった。
あの事件を通して俺が手に入れたのは、俺の頭の中のおかしな同居人。
そして、人に心を開く勇気。
自分を変える力だ。
近いうちに、俺はじいちゃんとばあちゃん、そして俺の旧友のいるあの町へ少し戻ってみようと思う。
そして、今度こそちゃんとみんなと心を通わせたい。
それが、また自分を変える一歩に繋がるはずだから。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
もし要望がありましたら、後日談のような形でなにか書くので、ぜひ教えてください。




