第62話 真・最終話 平米編〜青春
どのくらいの時が経ったのか。
ふわりとした意識の中、優しい声が聞こえます。
「あなた様、あなた様。」
ヘラクレスは、目を開けました。
石造りの天井。上体を起こして見回します。
石の柱。遠くに見える山々と雲。
そして、傍に立つ女神へーべ。
…ここは、オリンポス。
ふかふかのベットでもない。窓ガラスも部屋のドアもない。制服も。カバンも。学校もない。
「あなた様。いかがでした?」
へーべの問い。ヘラクレスは返事に詰まりました。
楽しかった、と答えることができます。
でも。
女鹿蘭は。
必歩流帝は。
出井亜寧羅は。
井尾玲は。
尾牟派麗子は。
もう、会うことはできない人々。
寂しい、と答えることもできます。
待てよ?
メガラ、ヒッポリュテー、イオレー、オムパレー。そして、デイアネイラ。
みんな、悲しい別れをした…。
もしかして、へーべは、オレに。
彼女たちとの、もう一つの未来を見せてくれようとしたのか…。
ヘラクレスの答えは決まりました。
「ありがとう、へーべ。」
「いいえ。どういたしまして。
青春って、いいものだったでしょう?」
へーべの優しい微笑み。
ヘラクレスは、へーべを強く抱きしめて言いました。
「ああ。
最高だ!」
ヘラクレスとへーべ。
夫婦の絆は、より深いものとなりました。
「青春とは?」
ヘラクレスの問いから始まった物語。
その答えは…。
消えることなく残っていくもの。
「思い出」として、今を乗り越える力を与えてくれることでしょう。
「青春ヘラクレス2」
本当の終わりです。
お読みいただいた皆様。
ありがとうございました。
…もし、
もしも、
「あのヒロインと結ばれてほしかった」という思いを持たれた方は、ぜひ、「目次」にお戻りいただき、各ヒロインの最終話をお楽しみいただければと思います。




