第54話 修学旅行〜夕食
建物から少し離れたところに準備された席。なぜだか集まってしまった或高生たちのために、急遽大幅に数を増やし、何とか全員座ることができました。
「それでは、乾杯!」
かんぱーい!
みんな、名物のドリンクを高く掲げました。尾牟派麗子のおごりです。
そして、一口。
「甘っ!」
名前はビールなのに、甘い。想像と違う味にみんな驚きます。
「そもそも、ビールなら私たち飲めないもんね。」
「にしても、甘い。」
評価が割れる中、空玲須は一気に飲み干します。うまい。甘い。こんな良いものがこの世にあったとは…。
女鹿蘭が、空玲須の顔を見て微笑みます。
必歩流帝も、井尾玲も、尾牟派麗子も。
出井亜寧羅は、指をさしてケラケラ笑いました。
「空玲須、何それ!
ヒゲ〜。」
出井亜寧羅は、スマホのインカメラの様子を空玲須に見せました。
ドリンクの泡が唇の上に残って、白いヒゲのようになっています。おじさん化。
「あ、あはは。」
「ふふ…。」
テーブルが笑いに包まれました。
肉やコーン、じゃがいもパイなど、一通り食べ終わったころ。
「そろそろ、暗くなるな。」
「ゲームのエリア、行ってない。」
「パレードの時間じゃね?」
或高生たちが、ソワソワし始めました。
「うむ。」
尾牟派麗子が立ち上がり、みんなに告げます。
「ここの払いは、わらわがしておく。
食事を終えた者から、解散して良いぞよ!」
湧き上がる或高生たち!
「ありがとうございます〜!」
「尾牟派麗子様〜!」
「愛してるぅ〜。」
感謝の言葉に右手を挙げて答え、尾牟派麗子は再び席に着きました。
「さて。
そなたらは、これからどうするのじゃ?」
女鹿蘭。
必歩流帝。
出井亜寧羅。
井尾玲。
みんな、それぞれの顔を見回します。
そして、空玲須は。
「おーい、うらやましい空玲須!」
「相変わらず悔しいぜ〜!」
「男子とも遊んでよ〜!」
遠くから、男子連中が空玲須を呼んでいます。
空玲須は立ち上がりました。




