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Prologue 魔王
これは、名前を忘れた魔王から始まる物語です。
魔王と言われて、二千年が過ぎた。
修行ばかりして、
戦ってばかりいた。
気がつけば、
誰も勝てなくなっていた。
だから最近は、
戦うことも、ほとんどなくなった。
いつから魔王になったのかも、
もう覚えていない。
風が吹く。
花の香りがした。
この花、なんて名前だったかな。
少し考えて、
魔王は首をかしげた。
そういえば。
俺の名前って、なんだっけ。
今更、部下には聞けない。
……どうしよう。
魔王城の古い塔には、古の魔術や魔法の書が納められている。
記憶を取り戻す術くらい、ひとつはあるだろう。
なければ、名前など付け直せばいい。
二千年も使わなかったのだ。
今さら困る者もいない。
……たぶん。
そう思い、塔へ向かった。
読んでいただき、ありがとうございました。
プロローグは、物語が動き始める少し前の時間です。
第1話から、京都で暮らす少年・ノエルの物語が始まります。




