第70章:十七の灯火と散りゆく華
瓦礫の山と化した大聖堂の跡地に、乾いた熱風が吹き荒れている。
ネビュロスが放つ底知れぬ黒炎が、星屑の騎士たちの退路を塞ぎ、無尽蔵に湧き出す灰の魔獣たちが彼らの体力を容赦なく削り取っていた。前衛で盾を構えるテオの腕は限界を超えて軋み、ゼノリスの呼吸も荒くなっている。
その崩壊寸前の防衛線へ向かって、灰色の修道服を纏うイリスが、迷いのない足取りで進み出た。
「イリス……! 駄目よ、戻って!」
背後で黄金の障壁を維持していたセレスティアが、悲痛な声を上げる。
だが、イリスは振り返らなかった。彼女の身体からは、これまでにないほど濃密な灰色の魔力が、静かに、けれど圧倒的な熱量を持って溢れ出している。それは、自らの命を削り取りながら放たれる、痛ましいほどの輝きだった。
(……みんなが私にくれた温かい居場所。それを守れるなら、すべてを差し出しても惜しくはないわ)
イリスは、黒炎が渦巻く前線の中心で立ち止まり、両手を天高く掲げて瞳を閉じた。
宙に浮遊する灰燼の魔道士ネビュロスが、深く被ったフードの奥から不快げに赤い瞳を細める。
「……何をするつもりか知らんが、無駄な足掻きだ。その程度の貧弱な魔力で、我が黒炎を消せるはずがない」
ネビュロスが両手を突き出し、巨大な黒炎の渦をイリスへと放つ。触れるものすべてを灰に還す、死の熱波。ゼノリスやテオがそれを止めようとするが、彼らは群がる魔獣に手足を縫い留められ、一歩も動くことができない。
だが、黒炎がイリスに届く直前。
「――灰の帳。すべてを幻で塗り替えなさい」
彼女の言葉と共に、広場全体を覆い尽くすほどの巨大な灰色の霧が、爆発的に広がった。
それは単なる目隠しの魔法ではない。ネビュロスに見えている現実を、丸ごと幻へと書き換えるための、究極の幻惑魔法であった。
霧に呑み込まれたネビュロスの視界の中で、彼自身の放った黒炎が、まるで水に溶けた絵の具のように滲んでいく。
「……な、なんだこれは。私の炎が……消えただと?」
ネビュロスの赤い瞳に狼狽の色が浮かぶ。黒く塗り潰されていた空間に、彼自身の記憶の底にある、かつての鮮やかな色彩を持った古の帝都が浮かび上がってきたのだ。
「……貴方の心は、底なしの闇じゃない。……ただ、過去の亡霊に囚われているだけよ」
イリスの澄んだ声が脳内に響き、ネビュロスの意識は完全にその幻影の底へと引きずり込まれた。
彼が現実への認識を失ったその瞬間。現実世界において、ネビュロスと地下に眠る『第二の楔』とを結んでいた強固な魔力の繋がりが、根底からプツリと断ち切られた。無尽蔵の魔力供給を絶たれたことで、ゼノリスたちの退路を塞いでいた黒炎が、嘘のように熱を失ってフッと消え去る。同時に、広場を埋め尽くしていた無数の灰の獣たちも、糸を切られた操り人形のようにピタリと沈黙し、ただの灰となって崩れ落ちた。
退路を塞いでいた黒炎が消え、魔獣の波が沈黙する。
だが、魔将の意識を現世から完全に切り離すという神業は、術者であるイリスにあまりにも過酷な対価を要求していた。
彼女の身体を包む灰色の魔力が激しく燃え上がるたび、イリスの肉体が足元からうっすらと透き通り始めている。指先から微細な光の粒が零れ落ち、本物の灰となってサラサラと風に溶けていく。
「イリス……ッ! やめろ、そんな魔法を使えば、君が……!」
魔獣の縛りから解放されたゼノリスが、血相を変えて叫ぶ。
しかし、彼が駆け寄ろうとしたその足元を、イリスが放った灰色の霧が優しく、けれど断固とした力強さで遮った。
「……来ないで、ゼノリス」
イリスは振り返らず、かすれた声で告げた。彼女の背中は、すでに輪郭がぼやけ、今にも風景に溶けてしまいそうだった。
「……私の魔法は、彼を倒すためのものじゃない。……ただ、彼と地下の魔力源との繋がりを断ち切り、決定的な隙を作るためのもの」
イリスの身体が淡い光に溶け、透き通っていく痛ましい姿に、セレスティアが悲鳴を上げて駆け寄ろうとするが、彼女もまた霧に阻まれて進むことができない。
「嫌よ、イリス! 一緒に帰るって約束したじゃない! 私の光で、貴方の命を……!」
「ごめんね、セレスティア。……でも、私はちっとも悲しくないわ。みんなが私にくれた光のおかげで、私は最後まで、自分の意志で立つことができたのだから」
イリスの声は、どこまでも穏やかで、満ち足りた響きを持っていた。
「……私の命が燃え尽きる前に。……お願い、ゼノリス。彼を斬って!」
その悲痛な叫びは、ゼノリスの胸を激しく締め付けた。
今すぐ彼女を助けたい。だが、彼女が自分の命を犠牲にして作ったこの「決定的な隙」。
それを無駄にすることは、彼女の覚悟を踏みにじることだ。
「……イリス……ッ!」
ゼノリスは奥歯を噛み砕きそうなほど強く噛み締め、黒い剣を構え直した。
彼の右手のひらで、星の刻印が激しく熱を放ち、白銀の輝きへと極限まで圧縮されていく。
「エレナ! 僕に続いてくれ!」
「……ええ。彼女の作ったこの隙、無駄にはしないわ」
エレナが銀色の長剣を抜き放ち、ゼノリスの横へ並び立つ。
イリスの命の灯火が、今まさに消えようとしている。
限界まで命を削って放たれるその輝きが照らし出したのは、ネビュロスの守りが剥がれ落ちた、ただ一本の道筋だった。
「行くぞ、エレナ!」
ゼノリスが大地を蹴る。
イリスの魔法が作り出した、ただ一本の道。その光の軌跡をなぞるように、ゼノリスとエレナは並走して瓦礫の山を駆け上がった。
ネビュロスの放っていた底知れぬ黒炎は、すでに熱を失い、ただの無害な黒い靄となって広場を漂っている。
霧に包まれたネビュロスは、宙に浮遊したまま動きを止めていた。
彼の意識は、現実から切り離されている。イリスが展開した幻惑魔法により、彼は三千年前の大帝国の幻影に囚われ、ゼノリスたちが目前まで迫っているという危機すら、まったく認識できない状態だった。
だが、巨大な魔将の肉体が持つ防衛本能は、未だ機能していた。
主の危機を察知したかのように、周囲に残存していた死の灰が自動的に寄り集まり、ゼノリスたちの行く手を阻むように分厚い灰の障壁を形成し始める。
「邪魔よ」
エレナが、静かに、研ぎ澄まされた声で告げた。
彼女が銀色の長剣を水平に振り抜く。魔力を込める予備動作も、派手な光もない。ただ、静かな水面に一滴の雫を落とすような、淀みのない一閃。
直後、分厚く立ち塞がっていた灰の障壁が、音もなく真っ二つに「ズレた」。
障壁が存在していた空間そのものが切り離され、上下の座標が合わなくなった灰の塊は、結合を保てずにサラサラと砂のように崩れ落ちていく。
ゼノリスは、エレナが切り開いた空間の裂け目へと迷いなく飛び込んだ。
彼の右手のひらに刻まれた『三つ目の星』の火傷跡が、白銀の熱を放って激しく脈打つ。
体内でせめぎ合う魔王の破壊衝動と勇者の守護の意志。相反する二つの力を、彼自身の魂がひとつの『調律』の光へと束ね上げ、手にした黒い剣の刀身へと流し込んでいく。
純度の高い白銀の魔力が、眩く輝き始めた。
ネビュロスの目前まで肉薄したその時、魔将の赤い瞳がわずかに動いた。
幻影の底に沈んでいた彼の意識が、迫り来る圧倒的な白銀の熱量に反応し、一瞬だけ現実に引き戻されたのだ。
「……な、なんだ、この光は……。貴様、その力……まさか……」
ネビュロスの瞳に、三千年前の帝国を滅ぼした者への根源的な恐怖と、理解不能な事象に対する狼狽が浮かぶ。彼がローブの下から枯れ枝のような手を突き出し、最後の抵抗として黒炎を放とうとした。
だが、遅すぎた。
「お前の炎は、もう誰にも届かない!」
ゼノリスは踏み込みの勢いそのままに、白銀の閃刃を纏わせた黒い剣を、ネビュロスの胸の中心へと真っ直ぐに突き立てた。
キィィィィン……!
音叉を叩いたような、澄み切った高い音が大聖堂の跡地に響き渡る。
白銀の魔力が、ネビュロスの肉体を構成する禍々(まがまが)しい魔力の波長に直接干渉し、その構造を根底から調律し、崩壊させていく。
「……あ、あァ……私の、炎が……ルシオン、様……」
掠れた断末魔を残し、灰燼の魔道士ネビュロスの身体は、内側から溢れ出す白銀の光に飲み込まれた。ボロボロのローブごと、彼の肉体は細かい灰色の粒子となって空中に散り、そのまま浄化されるように消滅していった。
四魔将の一角が討ち果たされた。
だが、ゼノリスの動きはそこで止まらなかった。
ネビュロスが消滅した空間のすぐ真下、大地の奥深くからは、依然として泥のように不快な脈動が響き続けている。人々の恐怖と絶望を吸い上げ、ルシオンを現世に繋ぎ止めるための巨大な魔力拠点―『第二の楔』の気配だ。
「これで、終わりだッ!」
ゼノリスは空中で身体を反転させ、剣を逆手に持ち替えた。
彼は落下の勢いそのままに、白銀の魔力を限界まで込めた黒い剣を、大聖堂の床だった石畳の中心へと渾身の力で叩き込んだ。
ズドォォォォォンッ!!
大地がひび割れ、剣の切っ先から放たれた白銀の魔力が、雷のごとく地下深くまで突き進んでいく。
地下迷宮の底に根を下ろす巨大な漆黒の結晶体に、ゼノリスの放った白銀の光が真っ向から衝突した。
数秒の拮抗。しかし、白銀の光は楔の黒い魔力を内側から強引に書き換え、その結合を断ち切った。地響きと共に、地下深くからガラスが砕け散るような高い破砕音が響き渡る。
その瞬間、聖都の空を分厚く覆い尽くしていた赤黒い雲が、内側から弾け飛ぶようにして消え去った。
焦げた匂いが消え去り、大聖堂の跡地に降り注いでいた死の灰は、ゼノリスの放つ光の波紋に触れて次々と淡い光の粒子へと変わっていく。
それはまるで、長きにわたって黒炎に囚われていた人々の魂が、ようやく安息の地へと還っていくような、静かで美しい情景だった。
雲の切れ間から、秋の柔らかな陽光が差し込み始めた。
光は、瓦礫の山となった大聖堂を照らし、灰に覆われていた広場に再び色彩を取り戻していく。聖教国を恐怖と狂信で支配していた黒炎の闇は、ここに浄化されたのだ。
「……終わったのね」
エレナが銀色の長剣を静かに鞘に収め、空から降り注ぐ光を見上げて呟いた。
ゼノリスは大地に突き立てていた黒い剣を引き抜き、荒い息を吐きながら立ち上がった。
右手の刻印から溢れていた熱は静かに収まり、心地よい疲労感が全身を包み込む。彼らはついに、第二の楔を破壊し、この国を闇から解放したのだ。
だが、その安堵の余韻は、背後から響いた悲痛な叫びによって一瞬でかき消された。
「イリス……! 目を開けて、イリス!!」
セレスティアの泣き叫ぶ声が、秋の柔らかな陽光が差し込み始めた大聖堂の跡地に響き渡る。
ゼノリスは弾かれたように振り返り、大地の石畳を蹴って駆け寄った。テオ、カシム、ガイル、リィン、フィリーネ、そしてエレナも、言葉を失って瓦礫の山へと走り寄る。
広場の中心。セレスティアの腕に必死に抱きしめられたイリスの身体は、すでに触れられる確かな形を失いかけていた。彼女の肌は透き通り、指先から少しずつ、淡い光の粒子となって空気に溶け出している。
「いや……いやよ、イリス! お願い、光よ……彼女を包んで……っ!」
セレスティアが白銀の聖杖を握りしめ、ありったけの黄金の治癒の光を注ぎ込む。
(ここから)
「私にも……! いかないで、イリス!」
フィリーネも隣に膝をつき、純白の魔力をイリスの胸へと必死に流し込もうとした。
だが、二人の聖女が放つ高位の治癒魔法は、イリスの身体をただすり抜けていくだけだった。器となるべき肉体が、すでにこの世界に留まる力を失い、光となって消えようとしていた。
「……無駄よ、セレスティア。フィリーネも……」
イリスは、微かに微笑んで二人の手をそっと握った。その手は驚くほど軽く、温もりすらも形を失いかけている。
「魔力も、命も……ぜんぶ使い切ったの。……自分でも、わかるわ」
「そんなこと言わないで! いつもみたいに、幻覚だって笑ってよ! 私たち、二人で一緒にあの屋根裏部屋に帰るって……約束したじゃない!」
セレスティアの大きな青い瞳から、ぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちる。
イリスは優しく、セレスティアの頬を流れる涙を透き通った指先で拭った。
「……ごめんなさい。でも、私は……少しも後悔していないのよ」
イリスはゆっくりと視線を巡らせ、ゼノリスたち一人ひとりの顔を愛おしむように見つめた。
「……私はずっと、自分の魔法が嫌いだった。人の目を欺き、真実を隠すだけの……灰色の霧。……教会からも追放されて、私にはもう、居場所なんてどこにもないと思っていたわ」
彼女の声は風に溶けそうなほどか細かったが、その響きは不思議なほど澄み切っていた。
「でも……あの学園の古い時計塔で、みんなに出会えた」
イリスの視線が、大きな盾を横に置いて肩を震わせているテオへ向けられる。
「……テオ。あなたが作ってくれた、不揃いな木皿の薬草スープ。……飲んだ瞬間、お腹の底からじんわりと温かくなって。あんなに美味しいものを食べたのは、生まれて初めてだったわ」
「う、うぅ……イリス……。また、いくらでも作るよ……。だから……」
テオが両手で顔を覆い、しゃくり上げる。
「ガイル、カシム」
イリスが視線を移すと、ガイルは右目を覆い隠し、カシムは唇から血が滲むほど強く噛み締めていた。
「……あなたたちの皮肉や悪態を聞きながら、作戦を練るのが、本当に楽しかった。素直じゃないけれど、背中を預けられる、最高の仲間だったわ」
「……馬鹿野郎。勝手にいなくなる奴の背中なんて、誰が守るかよ……」
カシムが声を震わせ、地面に視線を落とす。
「リィン、フィリーネ。……二人の真っ直ぐな風と光は、いつも私を照らしてくれた。日陰を歩くことしか知らなかった私に、前を向いて歩く勇気を教えてくれたのよ」
リィンは無言のまま静かに涙を流し、フィリーネは「イリス……っ」と声を上げて泣き崩れた。
「……ゼノリス」
名前を呼ばれ、ゼノリスはイリスの傍らに片膝をついた。言葉が出なかった。
自分たちが前に進むための決定的な隙を作るために、彼女一人の命を犠牲にしてしまった。その事実が、彼の胸を激しく締め付けている。
「……そんな、顔をしないで」
イリスの口元が、わずかに綻んだ。
「私が、私の意志で選んだの。……私の幻惑で、あの魔将を見事に騙してやったわ。……ずっと嫌いだった私の灰色の魔法が、最後にみんなを救う最高の一手になった。……ふふ、これって、聖女の奇跡なんかよりも、ずっと痛快だと思わない?」
ゼノリスは、震える手でイリスの透き通った手を握った。
「イリス……君の光は、間違いなく僕たちを救ってくれた。君が開いてくれた道を、僕たちは絶対に無駄にはしない。……この光を、必ず守り抜く」
「ええ……信じているわ。不器用だけど、誰よりも温かい私たちのリーダー。……ゼノリス、セレスティアをお願いね」
イリスは最後に、自分を抱きしめるセレスティアを見上げた。
「……セレスティア。泣き虫な聖女様」
「イリス……っ、嫌、いかないで……! 私を一人にしないで……!」
セレスティアは、子どものように泣きじゃくった。脳裏には、二人で過ごした痛切な記憶が溢れ出していた。
教会の薄暗い書物庫の隅で、冷たく硬いパンを二人で半分こして食べた幼い日のこと。
教皇の不正を暴こうとして捕まりそうになった夜、イリスが自分一人に罪を被り、泥にまみれて聖都を追放されていく背中を見送ったあの日。
そして、学園の屋根裏部屋で再会し、再び手を取り合った日の温もり。
「……あの書物庫で分けたパンの味、今でも覚えているわ」
イリスの透き通った手が、セレスティアの銀色の髪をそっと撫でる。
「……私の分まで、この国の民を照らしてって言ったのに……結局、また二人で泥を被ることになっちゃったわね」
「そんなのどうでもいい! 泥でもなんでも被るわ! だから……また一緒に、パンを半分こして食べましょうよ……!」
「ふふ……貴女の光は、私にとっての太陽だったわ。……私たちが信じた光は、偽りじゃなかった。……それを証明できて、本当によかった」
イリスの身体が、一際強い光を帯びた。
それは彼女の命の最後の、そして最も美しい輝きだった。
「……今日が、何の日か知ってる……?」
イリスは、遠のく意識の中で優しく問いかけた。
「11月の、最初の日。……だから、本当に……」
彼女の視線が、秋の柔らかな陽光が差し込む聖都の空へと向けられる。
「みんなに出会えて……最高の、誕生日だった……」
満ち足りたような、安らかな微笑み。
その言葉を最後に、イリスの身体は無数の光の粒子となり、秋の澄んだ空気の中へ、空高く舞い上がっていった。
「イリスぅぅぅッ!!」
セレスティアの絶叫が、光の戻った大聖堂の跡地にこだまする。彼女は空中に散っていく光の粒を必死に掻き集めようと腕を伸ばしたが、光はただ、彼女の指の隙間をすり抜けていくだけだった。
空には、どこまでも高く、澄み切った秋の青空が広がっている。
黒炎と死の灰に覆われていた聖都は浄化され、人々の魂は解放された。だが、その代償はあまりにも大きかった。
ゼノリスは、空へ還っていく光の粒子をじっと見上げていた。
悲しみに暮れる仲間たちの中心で、彼は大地に突き立てたままの黒い剣の柄を固く握りしめる。
イリスがその命を懸けて守り抜いた、この温かな光。
それを脅かす虚無の王の野望を、必ずこの手で終わらせる。
取り残された静かな悲しみと、決して消えることのない決意が、星屑の騎士たちの胸に深く刻み込まれた。




