第47話 想い重ね 【後編】
【お詫び】
投稿する順番を間違えたのに気が付きました。
本来予定していたモノを割り込み投稿でするという対応をしました。
9月14日以降に読んでくださった方には、混乱をさせてしまいました。
申しわけありません。
長いです。
変わらず、医療的な知識がないです。僕の世界の話と思ってお読みください。
陽架琉とすばるの後。
少し遅れて魂蔵と正智が病院の中に入った。
魂蔵と正智は、二人とも入院用に色々なモノを詰めたカバンの肩紐を肩にかけていた。
そして、二人とも病院の受け付けに説明をして、すぐに病院の処置室がある所を聞いて向かった。
その処置室がある廊下のベンチで、知永生の父親の勘助と正智とたけし以外の秋原家と陽架琉が座っていた。
みんなは、二人が来たのに気づいて見た。
「じっちゃん」
勘助の声は、震えていた。
「勘助、二人はどうだ? 」
「俺も、さっき着いたところで。まだよく分からないけど」
勘助は、一度深呼吸をした。
「病院の先生が、さっき二人のことを少し説明してくれたんだ」
勘助は、まだ混乱しているのもあって、正しい時系列が分からない。
「二人とも、意識があるって」
「そうか、良かったな」
魂蔵がそう言ったあとに、正智は安心したようにその場に座り込んだ。
「それぞれ、検査と処置をしてるって」
「良かった」
正智は、心の底から安心したように言った。
しばらくしてから、二人の処置や検査が一旦落ち着いた頃のこと。
対応をした医師たちが、二人の現状の説明をしてくれることになった。
勘助と正智の希望もあって魂蔵の三人で、医師たちの話を聞くことになった。
その間に陽架琉たちは、飲み物を自販機で買って病院の庭に行って気分転換をすることにした。
2
しばらくすると、魂蔵が陽架琉たちを呼びにやって来た。
「知永生くんは? 」
すばるが、庭を出る前に聞いた。彼は、自分の弟のことが心配でたまらない。
でも、その弟を助けて頭をぶつけて意識不明になった知永生のことが心配と不安でたまらなかった。
「知永生は、救急車に乗った時よりも意識はしっかりがあるけど。検査と必要な処置はしてもらってる。頭をぶつけてるから、数日は病院に入院することになった」
「ち、知永生くん、大丈夫? 」
陽架琉は、まだよく分かっていなかった。
「陽架琉くん。知永生くんは、病院の先生に手当てしてもらって、大丈夫になってるけどね」
たけしの姉のきよかが、陽架琉に分かるように優しく説明をしてあげた。
「知永生くんは、頭をぶつけて痛いねしてるから。念のために、病院に入院をするんだって」
「だ、大丈夫になる? 」
「……」
きよかは、陽架琉の言葉にどう言おうか悩んだ。
「病院にいるから、大丈夫になると思うよ」
それを察した魂蔵が、すかさずそう言った。
「うん」
陽架琉は、納得したように頷いた。
「たけしは? 」
たけしの母親のちさこが、声を震わしながら言った。
「たけしは、足にヒビが入ってる。それに体質のこともあるから、念のために検査入院をしようってことになってる」
「二人とも命があるから、大丈夫だね」
すばるが、安心したように言った。
「陽架琉、知永生とたけしは怪我をしてる。でも、病院で本当に大丈夫かを診るために、入院するよ」
陽架琉は、頷いた。
「ここに来る前に、知永生とたけしの顔を観てきたよ」
「ど、どうだったの? 」
陽架琉は、涙ををためた瞳で魂蔵を見た。
「知永生は、疲れてるみたいで、遅めのお昼寝をしていたよ」
魂蔵は、陽架琉がしんどくなくて分かりやすい言葉を選んで言った。
「たけしくんは? 」
「たけしは、足を怪我したのと知永生のことで落ち込んでるよ」
「そ、そうなんだ? 」
陽架琉は、イマイチ分かっていなかった。
「知永生は、寝てるから。陽架琉、たけしに会いに行って元気になるパワーをあげような」
魂蔵は、陽架琉の目線に合わすように言った。
「うん、分かった」
陽架琉はそう言って、魂蔵に手を差し出した。
「危ないから、手を繋ごうか」
陽架琉は、自分から手をつなぐことをうまく言えないことがある。
魂蔵は、陽架琉なりの誘いを読みっとて言ってやるのだ。
「うん! 」
「泣いてる顔よりも、ニコニコした笑顔が良いんだ」
「うん、分かった〜 」
陽架琉は、ニコニコして魂蔵と手を繋いだ。
すばるたちは、その二人の後ろをついて行く。
3
みんなが、たけしがいる病室に行った。
そこは大部屋だったけど、たけしだけがいてほぼ個室のようだった。
ちなみに、知永生は色々なことを考えて、個室で入院生活を過ごすことになっている。
たけしは、また頭までかけ布団をかぶっていた。
「たけし。みんな、来たよ」
魂蔵が、優しく言った。
「……」
布団の塊になっているたけしは、返事をしなかった。
でも、その中から小さく泣いてる音が聞こえた。
「たけし、誰も責めてないから出ておいで」
魂蔵が、優しく声をかける。
「……」
布団の塊は、少し動いていた。
「たけし、家族に顔を見せて安心をさせなさい。自分を責める前に、まずはそれをするんだ」
魂蔵は、少し厳しい口調で話した。
「……はい」
たけし声は、泣いたせいで少し枯れていた。そして、たけしは布団の塊の中から出てきた。
「心配をかけて……」
「たけしが、無事なら良いの! 」
魂蔵の後ろでいたちさこが、たけしに近寄って言った。
「はい」
たけしは、少し複雑そうにしながらも笑顔で言った。
その後のたけしは、ちさこたちに囲まれていた。
それを少し離れたところで、魂蔵とその後ろに隠れた陽架琉が観ていた。
魂蔵は、その様子を観て陽架琉をすごく心配をしていた。
なぜなら、陽架琉とたけしは家族構成が似ているからだ。
兄と姉がいて、陽架琉とたけしはは末っ子である。
そして、陽架琉にはもう記憶はおぼろげだけど、あのひまで両親と兄と姉と暮らしていた。
陽架琉は言葉にはしてないから、自覚はあるのか分からないけど。
陽架琉は秋原家に対して、自分の亡くした家族を想い重ねていのか、うらやましそうで寂しそうな表情を見せることがあった。
そのことを、当然秋原家や宮本家は気がついていた。
『だからと言って、陽架琉のためにいらぬ気遣いをしないでくれ。それで、仲良くなった家族が壊れて欲しくないんだ』
と、魂蔵からそう言う希望を両家に伝えた。
だから、両家はあえて陽架琉に気を使いすぎないようにしている。
もし、陽架琉が自分の気持ちを言ったら、それに向き合って受け入れることにしている。
「陽架琉くん? 」
「えっ? 」
たけしが陽架琉を探すように、名前を呼んだのだ。
そして、陽架琉はそれに驚いた。
「僕が大好きな陽架琉くんは、ここにいますか? 」
たけしは、目の前の秋原家のみんなにはあまり見せない優しい表情をしている。
陽架琉は、魂蔵の裾を無意識に引っ張っていた。
「陽架琉。さっき、じいちゃんと話したことを、たけしにしてきたら良いんだよ」
魂蔵は、背中に隠れている陽架琉に優しく伝えた。
「陽架琉くん、ごめんね。私たちが、たけしを独占しすぎちゃったね」
きよかが、魂蔵の背中に隠れている陽架琉に伝えた。
「そうだね。お父さんが手続きできてるか、心配だから、。みんなで行こう」
ちさこが、そう言った。
「そうだな、行こう」
すばるがそう言ったあとに、秋原家は病室を出ていった。
「ほら、陽架琉。たけしの所に行きなさい」
魂蔵にそう言われて、陽架琉はやっとその背中の後ろから出てきた。
陽架琉は、たけしの元に魂蔵に誘導をされながら行った。
「陽架琉くん、心配かけましたね」
「うん」
「ごめんなさい」
「あ、あやまらなくて良いの」
「えっ? 」
「たけしくん、ニコニコしてて」
「分かりました」
たけしはそう言いながらも、陽架琉の後ろで見守っている魂蔵を見た。
「たけし、陽架琉は今回のことをすごく心配しててな。たくさん泣いたんだ」
「はい」
「たけしも、たくさん泣いた」
「はい」
たけしと陽架琉は、泣き腫らした眼をしていた。
「泣いた顔よりもニコニコの笑顔が良い。陽架琉もそう思ってるんだ」
陽架琉は、頷いた。
魂蔵は、陽架琉の頭を優しく撫でる。
そうすると、陽架琉はニコニコの笑顔になった。
「たけし、今回も起きたことは変わらないんだ。お前のことだから、たくさん後悔してるだろう。でも、良いことだってあるじゃないか」
「えっ? 」
「二人とも、怪我はしてるけど。今日も生きてる。そして、ニコニコと笑える。なぁ、良いことだろ」
たけしは魂蔵の言葉を理解して、また泣き出した。
「たけしくん? 」
陽架琉は、心配そうにたけしを観て言った。
「「良いことだな」って思ったら、なんだか泣けてきました」
たけしは涙を流しながらも、ニコニコの笑顔をしていた。
「陽架琉くん、お願いがあります」
「なぁ〜に? 」
陽架琉は、首をかしげる。
「陽架琉くんの頭を撫でさせてください」
「えっ? 」
「陽架琉がたけしの頭にじゃなくて、良いのか? 」
陽架琉と魂蔵は、驚いた顔をしていた。
たけしを慰める為に、「陽架琉が、たけしの頭をなでてもらうように言うだろう」って勝手に思っていたからだ。
「はい。僕は、陽架琉くん頭をなでるのが好きです」
「それなら、良いのか」
魂蔵は、納得した。
「それと…… 」
たけしは、魂蔵を観て言った。
「ん? 」
「僕の頭は、じっちゃんに撫でてもらうので」
「ワシが、たけしの頭を撫でるのは決定事項だったか」
魂蔵は、笑いながら言った。
そして、それが言えるぐらいにたけしの調子が落ち着いてるようで安心をしていた。
「みんなで、なでなで? 」
「そうですよ」
「じいちゃんの頭は、ぼくがなでるね! 」
陽架琉は、ニコニコと笑顔で言った。
「えっ? 」
「ふふふっ」
驚く魂蔵と笑うたけし。
「順番は、どうしましょうか? 」
「たけし、面白がってるだろ」
「じっちゃんが、言ったんじゃないですか」
「何を? 」
「ニコニコと笑うほうが、良いって」
「確かに、言ったか」
魂蔵は、小さくため息をはいた。
「じゃあ、先にワシがたけしの頭をなでてやるよ。その次に、たけしが陽架琉の頭をなでたら良いよ」
「分かりました」
「うん! 」
魂蔵が決めた順番に、それぞれの頭を撫でることになった。
そして、陽架琉が魂蔵の頭を撫でていると、知永生以外のみんなが病室にやって来た。
みんなに見られて、魂蔵は恥ずかしそうにしながらもニコニコと笑っていた。
4
「入院の手続き、無事に終わったのか? 」
「うん。知永生とたけしくんのも無事に終わったよ。もう少し経ったら、こはるが入院に必要なモノを持って来てくれるよ」
勘助が、言った。
「そうか。お疲れ様。奥さんには、あいさつをしないとな」
「じっちゃんが、知永生の入院に必要なモノをある程度カバンに入れてくれたから。こはるが、用意するものが少なくて助かったよ」
「そりゃあ、良かった。ワシは電話で奥さんを、驚かせたからな。ワシができることを当たり前にしたかったんだ」
「うん。じっちゃん、お疲れ様。そして、二人の対応をしてくれてありがとうございます」
勘助がそう言うと、この場にいる宮本家と秋原家が頭を下げてお礼を言った。
「みんな、顔を上げてくれ」
みんなは、その声で顔を上げて魂蔵を観た。
そして、みんなが驚いた顔をした。
魂蔵はほっとしたのか、涙を流して立っていたからだ。
「ワシは、ただ当たり前のことをしただけだから」
魂蔵は、お守りのようにかつての自分と亡くなった竜輝の言葉を口にした。
魂蔵の姿や言動をマネて、竜輝はたくさんの人を助けていた。
たくさんの救われてた人たちが、今度は自分や他の誰かの救世主になった。
魂蔵から始まった『当たり前のことをしただけ』が、たくさんの人を繋いで救って救われた。
それを、魂蔵は今回のことで今まで以上に実感したのだ。
そして、魂蔵は『当たり前のことをしただけ』の経験で、知永生とたけしを亡くさずに救えたことをやっと実感をしたんだ。
もしかしたら、亡くなった家族が二人を助けてくれたのかもしれない。
もう、魂蔵から家族が失うことがないようにお守りのその言葉を通して。
「あぁ、無事で良か……」
魂蔵は、そこまで言うと身体がガクッと力が抜けて倒れそうになる。
「じいちゃん! 」
「じっちゃん! 」
隣でいた陽架琉と勘助が、すぐに魂蔵の身体を支えた。
「びっくりさせたな」
魂蔵は、そう言った。
「陽架琉くん、代わるよ」
「うん」
正智が、陽架琉にそう言って魂蔵を支えるのを代わった。
「じっちゃん、ここに座って」
きよかが、病室にあったパイプイスを広げて言った。
「じっちゃん、そこまで行こうか」
勘助がそう言って、正智と一緒に魂蔵をパイプイスまで連れて行って座らせた。
「二人とも、ありがとう」
勘助たちは、頷いた。
「陽架琉、びっくりさせたな」
「う、うん」
「陽架琉くん。じっちゃんは、僕と知永生くんが無事でほっとして、力が抜けたみたいです。少し、休憩すれば大丈夫ですよ」
たけしが優しく説明すると、陽架琉は安心したように頷いた。
5
魂蔵がイスに座って一休みをしていた。その横で、陽架琉が体育座りをして、クールダウンダウンをしている。
「みんな、ここにいたのね」
みんながその声に振り向くと、こはるが病室の入り口にいた。
「こはる、来てたんだな」
「うん」
こはるの話によると、たけしが母と兄と姉と話ている時には、病院に到着をしていた。
知永生の病室の場所は、勘助から聞いていてしばらくそこにいたという。
こはるは、たけしのベットの側に歩いて行った。
「たけしくんも、無事で良かった」
「……ありがとうございます」
たけしは、こはるの言葉や表情を素直にはまだ受けとることができなかった。
だって、彼女の一人息子を危険にさらしたのは
自分だからだ。
「たけしくん。さっき、知永生が眼を覚ましたの」
「えっ? 」
「それで、開口一番にね。こう言ったのよ」
こはるは、明るく少し笑いながら言った。
『たけしは、大丈夫? 』
知永生らしくて、こはるは安心をしたのだという。
「知永生は、いつだって自分よりも誰かを心配して助けるの。そういうあの子だから、たけしくんのことをすごく心配をしてるんだよ」
「知永生くんは、救急車の中でもそう言ってました」
たけしは、救急車の中でのことを思い出していた。
知永生は意識がぼんやりしながらでも、「たけし、大丈夫? 」と何度も言っていた。
そのたびに、たけしは「はい」とだけ応えていた。
本当は、大丈夫じゃなかったのと心の余裕がなくそれしか言えなかった。
「それとね、知永生がこうも言ってたよ」
『たけしのことだから、色々考え込んでると思う』
『俺は、たけしの命を助けれたから、それで良いんだ』
『色々と落ち着いてから、ちゃんと話したい』
「知永生からの伝言を届けたからね。たけしくん、二人とも無事で命があるからね。大丈夫だよ」
こはるの言葉に、たけしは何度目かの涙を流した。
「たけしくん? 」
陽架琉が、心配そうに言った。
「陽架琉、大丈夫」
魂蔵は、隣で体育座りをしてる陽架琉の頭をなでた。
「じっちゃん、面会時間的に少しになるけど。知永生の顔を陽架琉くんと一緒に観に行ってくれないかしら」
こはるは、気を利かせるように言った。
「奥さん、ありがとう」
こはるは、頷いた。
「陽架琉、一緒に知永生に会いに行こうか」
「うん」
陽架琉は、頷いた。
「じっちゃん、今日もありがとうございます」
こはるは、そう言って魂蔵に頭を下げた。
「ワシは、当たり前のことをしただけ。二人の命が無事なら、それで良いんだ」
魂蔵は、知永生と同じことを言った。
「陽架琉くん、立ち上がるのを手伝うよ」
勘助と正智は、陽架琉が立ち上がるのを手伝った。
「あ、ありがとう」
「「うん、どういたしまして」」
二人は、声をそろえて言った。
「じっちゃん、たけしのことは俺たちがついてるから」
正智が、そう言った。
「おう、行ってくるよ」
秋原家以外のみんなで、知永生の個室に行った。
「知永生、入るよ」
勘助がノックをして、言った。
「どうぞ〜 」
知永生の声が中から聞こえたのを確認して、みんなは個室の中に入った。
「じっちゃん、陽架琉、心配かけてごめん」
知永生は、ベッドに横になっていた。
頭をぶつけた影響もあって、絶対安静を医師から言われていたのだ。
知永生の頭や首周りは、固定具を付けられていた。
「うん。心配したけど。知永生の命が助かって無事で良かったよ」
「うん、助けてくれてありがとう」
「おう。当たり前のことをしただけ」
魂蔵はこの言葉を言ってると、隣に竜輝がいてくれるように感じている。
だから、今日のようなことが起こった時は、何度だって言っておこうと思う。
知永生は、ニコリと笑って「うん」と言った。
そして、次に陽架琉の方を見た。
「陽架琉。俺は、大丈夫だよ」
「……うん」
「俺、石頭だから。今は、頭をぶつけたあとで疲れてるだけ」
知永生は、陽架琉に分かりやすく怖がらないように説明をした。
「陽架琉、知永生の頭とか首周りに付けてるのは、元気になるための道具だよ。この道具があれば、痛かったところが早く良くなるんだ」
魂蔵は、陽架琉の視線の先と不安そうにしてるのに気が付いて言った。
「病院で、入院をしたら。もっと、元気になるから。そうしたら、いっぱい遊ぼうな! 」
知永生も、陽架琉がわかるような言葉遣いとゆっくりした言い方をした。
そして、自分と陽架琉が元気になるように約束を作ったのだ。
「うん。遊ぼうね」
陽架琉は、ニコリと笑う。
「また、お見舞いに来て。今度は、脳トレでしりとりをしよう」
「うん。じいちゃんも一緒にする」
「ワシも、一緒にするのか」
「そうみたいだな」
魂蔵は、知永生が笑えているのに心の底から安心をしていた。
「知永生には、手加減はしないからな」
「えっ、俺限定? 」
「おう」
魂蔵は心配をかけられたから、少し冗談を言いたくなった。
「たけしを召喚したい」
「たけしは、ダメだ。別室で、過ごしてるからな」
「俺、負け確定……」
知永生の言葉と落ち込みように、三人の様子を少し離れたところで観ていた勘助とこはるが思わず笑っていた。
「あきらめたら、だめだよ」
陽架琉は、真っすぐとした目で言った。
「そうだな。陽架琉、ありがとう」
「うん! 」
陽架琉は、ニコニコとしている。
「あっ、そろそろ面会時間が終わるな」
勘助は、腕時計を見て言った。
「知永生が、元気そうで安心したよ」
「うん」
「何かあったり、欲しいモノがあったりしたから、メッセージで連絡して」
「おう」
「知永生、また明日来るからね」
「うん、ありがとう」
勘助とこはるは、先に病室の外に出た。
「じっちゃんと陽架琉も、明日見舞いに来て」
「おう」
「いいよ」
魂蔵と陽架琉は、手をつないで病室を出た。
6
みんなで病院の廊下を歩いてると、急に陽架琉が立ち止まった。
「じいちゃん、たけしくんのところに、カバン置いてる」
陽架琉は、思い出したように言った。
「あっ、本当だな」
陽架琉に言われて、魂蔵も気がついた。
「じっちゃん、大丈夫。二人のカバンは、俺たちが持ってきたから」
声のする方を見ると、正智とすばるが陽架琉たちのカバンを持って立っていた。
「ありがとうね」
「助かったよ」
「「どういたしまして」」
正智とすばるは、声をそろえて言った。
そのまま、二人はカバンを陽架琉たちに渡すことなく持ってあげていた。
「母さんときよかは、先に駐車場に行ったよ」
すばるが、そう言った。
「そうか」
魂蔵が、そう言った。
みんなで、病院の待ち合い室に行った。
そこの隅っこのベンチに、陽架琉と魂蔵が座った。
魂蔵と陽架琉のカバンは、いつのまにか勘助が肩にかけて持っていた。
「そういえば、じっちゃんと陽架琉は、帰りはどうするの? 」
勘助が、そう聞いた。
「帰りも、俺の車にする? 」
「正智は、送らなくていい。家族と家でゆっくり過ごした方が良い」
「うん、そうするよ」
「分かった」
正智とすばるは、頷いて言った。
「勘助たちは、どうやって帰るんだ? 」
魂蔵は、勘助とこはるは工務店の職人たちが車で病院まで送ってもらってると聞いていた。
そうなると、帰りの車がない。
自宅兼工務店と病院までは歩けなくもないが、今日のような時はより疲れてしまうから心配だった。
「じっちゃん、帰りの心配はしなくていいよ」
「ん? 」
「あとちょっとしたら、道枝がうちの若い子たちと一緒に晩飯の買い物をしてるから。帰りにここに寄るって連絡が来てる」
二番目に古株の職人の荒木から勘助に、そういう内容のメッセージを送っていた。
「帰り方が決まってないのは、ワシと陽架琉だな」
魂蔵は、自分の車を倉西家に駐車してるままだった。
家から学校までは、近所のおっさんが乗れてくれた。
その後は、正智が乗せてもらって一緒に病院に行った。
魂蔵は、今日のように家族の命の危険がある状況かで過ごす親の気持ちがよく分かっている。
そんな時だからこそ、自分や陽架琉を普段のように気にして欲しくなかった。
彼らは、『負担じゃない』と言うのだろう。
でも、魂蔵の心の中では、あのひから自分と陽架琉は、宮本家と秋原家の重荷になっているように思っている。
だから、倉西家のことよりも、宮本家と秋原家のそれぞれの息子たちを想って、今は心を落ち着かせてほしかったのだ。
だって、二人は、生きてるのだから。
「じっちゃんと陽架琉は、俺たちと家に帰ろうな」
勘助は、当たり前のことのように言った。
「えっ? 」
魂蔵が驚いて、勘助を観た。
「じっちゃんが、何を勝手に考えてるか分からないけど。俺のところは、工務店の車で来るみたいだから、人数的に問題ないから気にしなくて良いよ」
勘助は、少し口角を上げて言った。
「助かるよ」
魂蔵は、一瞬だけ目を見開いてからそう言った。
「陽架琉くん、一緒に帰ろうね」
「うん! 」
こはるの声掛けに、陽架琉は元気に返事をした。
「じっちゃん、俺たちは先に帰るよ」
「おう」
「陽架琉くん、また明日! 」
「また、明日! 」
陽架琉は、すばるに手を振った。
そして、正智とすばるが病院を出ていった。
7
秋原家の車が駐車場を出て数分後に、 宮本工務店と書かれた車が入って来た。
「お待たせしました! 」
一人の工務店の若い職人が、元気に病院に入って来た。
「お前は、いつも元気だな」
魂蔵は、少しあきれるように言った。
「俺は名前の通り、元気が取り柄です」
「お前は、相変わらず潔くて良いよ」
魂蔵は、少し笑いながら言った。若い職人の元気は、ニカッと笑う。
「社長。俺、荷物持つんで」
元気はそう言って、勘助に手を差し出した。
「おう、頼むよ」
「はい! 」
元気はニカッと笑って、勘助と陽架琉のカバンを持った。
「陽架琉くん、帰ろうな」
「うん!元気くん、ぼくのカバンを持ってくれてありがとうね」
「うん!どういたしまして」
若い職人こと、「元気」は不器用ながらもあまりにも元気すぎるので、そう呼ばれている。
本名は違うが、本人は「元気」と呼ばれるのも好きで気に入ってる。
もう、彼や周りの人間にとって本名よりも「元気」が定着していた。
元気との初対面では、陽架琉は人見知りをしていた。
でも、彼の元気で笑顔と不器用なところを知っていて少しずつ慣れていった。
知永生の家に泊まると、何度か大浴場の方で一緒に入ったことがあるぐらいの仲で、何度か遊んだこともあった。
「元気くん、手を繋ごうか」
陽架琉は、椅子から立ち上がってから言った。
「うん、良いよ」
元気は、カバンを持つ手と反対側の手をズボンで雑に拭いた。その後に、彼は陽架琉と手を繋いだ。
そして、二人は先に病院の出口に向かった。
その後ろを、魂蔵たちが見守りながらついて行った。。
「陽架琉は、すっかり元気に懐いてるな」
魂蔵は、優しい表情をしていた。
「元気くんは、末っ子だから。弟に優しくて頼れる兄っていう存在に憧れてるの」
こはるが、言った。
「知永生よりも、元気は年上なんだけどな。全然、知永生の兄って感じには見えないからな」
「そうね。どっちかと言うと、知永生の方がお兄ちゃんって感じなの」
三人は、その様子を思い浮かべて笑うしかなかった。
元気は、工務店に拾われる前までやんちゃをしていた。
実家で、上のきょうだいたちに比べられて、頭が悪いのをバカにされて反抗的になった。
そして、色々あって、宮本工務店に拾われて住み込みで働くようになったのだ。
彼は、元々明るく元気すぎる性格をしていた。
でも、家庭環境が悪くて、両親の影響を受けて上のきょうだいも彼に対して暴力的だった。
そして、彼はそんな親に付けられた名前があまり好きになれなかった。
それで、みんなに「元気」と呼ばれるのが嬉しくて気に入っているのだ。
8
みんなで、駐車場に停めている工務店の車に乗り込んだ。
運転席で、道枝が車にエンジンをつけて、いつ駐車場に出ても良いように待機をしていた。
助手席には元気、その後ろを勘助とこはる、さらにその後ろには魂蔵と陽架琉が座った。
陽架琉は、色々あったから疲れたのか、大きなあくびをしていた。
「陽架琉、眠いか? 」
「うん」
陽架琉は魂蔵に返事をした後に、またあくびをした。
「いつもなら、病院にいた時間帯にお昼寝をしてたからな。そりゃあ、眠いな」
魂蔵はそう言いながら、頭の中で家に帰った後の見通しを必死に考えていた。
「陽架琉くん。宿題をしたら、ちょっとだけ寝たらいいよ」
「そうね。その間に、私たちで晩ごはんを作っておくから」
「二人とも、急に何を言い出すんだ? 」
「じっちゃんと陽架琉くんは、今日は俺の家でお泊りだ」
「ハァ? 」
魂蔵は、勘助があまりにも既に決まったかのように言ったのにあきれた。
「じっちゃんの家に寄ってから、俺の家に向かうから」
「その時に、じっちゃんは一泊分の自分の衣類と必要なモノを持ってきたら良いよ。俺も、手伝うから」
「勘助、勝手に話を進めるな」
「陽架琉くんは、その間は少しだけ車の中で寝ても良いからね」
こはるが、陽架琉に優しく言った。
「いいの? 」
「うん、良いよ」
「分かった」
こはるの言葉に、陽架琉はそう返事をした。
「二人とも、勝手に話を進めるな」
魂蔵は、動揺をしていた。
今は、勘助たちが自分と陽架琉のことを気にして欲しくなかったからだ。
それなのに、勘助たちが自分と陽架琉に気にかけてくれる。
嬉しく思うけど、申し訳なく思ってしまう。
「じっちゃん、大丈夫だから。勝手に決めたのは、悪いけど。これも、俺たちのダメだから。分かってくれよ」
「……」
「じいちゃん? 」
陽架琉は、何も言わない魂蔵を見て心配そうに言った。
「陽架琉、今日は勘助の家でお泊りをしようか」
「うん! 」
道枝は、黙って運転をしていた。
「社長」
元気が、言った。
「どうした? 」
「もうすぐ、じっちゃんの家に着きます! 」
「分かった。教えてくれてありがとう」
「はい! 」
9
倉西家の駐車スペースに、宮本工務店の車をとめた。
「陽架琉、カバンから連絡帳を出して。ワシに渡してくれ」
「うん、いいよ」
陽架琉は、魂蔵の指示通りにした。
「ありがとう。連絡帳を見ながら、明日学校で入りそうなのを家から取ってくるからな」
「うん」
「持ってきて欲しいモノ、あるか? 」
「あ、アルバム」
「……分かった。取ってくるからな」
陽架琉が言ってるアルバムは、中学校の先生たちにもらったモノだ。
それには、竜輝とあおいと知永生とたけしの写真が保存されている。
魂蔵は、陽架琉がそれにすがりたいぐらいに気持ちが不安定なんだと思った。
「うん」
魂蔵は、陽架琉の頭を撫でた。そうすると、陽架琉はニコニコと笑顔になる。
勘助と魂蔵だけ車からおりて、家の中に入った。
「勘助」
魂蔵だけ玄関から上がって、勘助に背中を向けて言った。
「余計なことをするな」
魂蔵の声は、低かった。
「じっちゃんの気持ちも分かるよ」
「お前が、何を分かるっていうんだ! 」
魂蔵は、怒鳴るように言った。
「じっちゃんが、俺たちのことを想ってわざと距離を取ろうとしてるぐらい、分かるよ。俺たちは、付き合いが長い家族だから」
「だったら、ワシの意図を汲んでくれ」
一瞬だけ、この場はシーンとした。
「じっちゃん、俺はさっき言ったよ。俺たちのためにって」
「確かに言ってたが」
「俺たちは、じっちゃんと陽架琉くんをこの家に、今夜だけでも残したく無かったんだよ」
魂蔵は、黙っていた。
「だって、あのひからほとんどの日々に、知永生とたけしがこの家にいただろ」
「それが、今日のことがあって、二人とも入院をしてる間はいないんだ」
勘助たちは、あのひから知永生たちが頻繁に行って住み着き始めているこの家のことが心配だった。
もし二人が何かの理由で、この家に来れなくなった時が来たとしたら。
勘助たちは、「この家で、魂蔵と陽架琉は孤独に感じて、苦しんでしまうじゃないか」と不安で心配していた。
そして、今日のあのことが起こるまで、二人と一番近くにいた魂蔵の心が壊れないかが怖った。
その状態で、魂蔵が陽架琉の世話をするのはとても大変なことだ。
「……あっ、そうか」
魂蔵は、やっと勘助が何を言いたかったのが分かってきた。
「俺たちだって、今日のことは恐怖だった。比べるのはおかしいけど。じっちゃんと陽架琉の方が、家族を亡くした恐怖は数字では表せれないと思う」
魂蔵は、勘助の方に身体を向き直した。
「俺たちは、じっちゃんと陽架琉くんには、今夜だけでも近くにいてくれると安心なんだ」
勘助たちは魂蔵に内緒で、こういうもしもの時のために事前に色々と準備や段取りをしていた。
魂蔵と陽架琉を倉西家に残したくない状況の時は、余裕のある宮本家が強引でも泊まらすことにしたのだ。
だって、離れてる間に魂蔵の心が妻のちよこを亡くしたように荒れて、孤独になって欲しくなかった。
魂蔵は、すごく優しい人だから。
きっと、勘助たちのことを想って距離をわざと離そうとするだろう。
だったら、強引でも何でも良いから、魂蔵が自分たちから距離を取ろうとする前に保護をしようと思った。
そのほうが、じっちゃんと陽架琉だけじゃなくて、自分たちの心を平穏のためになるのだがら。
「ついてこい」
「うん」
勘助は、やっと魂蔵から許可をもらって玄関を上がった。
そして、魂蔵は勘助を連れて自室に向かった。カバンに必要なモノを詰めていた。
元々、何か急に入院をすることになっても良いように一泊分の荷造りは出来ていから。そこに、少しだけ荷物の追加をした。
その後に陽架琉の部屋に行った。
陽架琉の連絡帳を見ながら必要なモノと頼まれたアルバムを部屋に置いていた手提げカバンに入れた。
「勘助、汚い手を使いやがって」
「人聞きの悪いことを言わないで」
勘助は、また自分に背中を向ける魂蔵に言った。
「正智たちと結託して、陽架琉を人質にしただろうが」
魂蔵は、勘助の策を分かっていた。
勘助は、たけしの病室に忘れていった魂蔵と陽架琉のカバンをさらっと受け取った。
それは、本当なら返してもよかったのに、宮本工務店の車に魂蔵たちをスムーズに送るためにした。
宮本工務店の買い物担当を運転手含めて二人にして、魂蔵と陽架琉込みで全員が乗れるようにもしたのだ。
実は、もう一台別に買い物担当を作っていた。そこに、買い物で買ったものを乗せて先に帰らせていたのだ。
そして、勘助は事情を知る道枝と陽架琉が懐いてる若い職人の元気を意図的に選んでいた。
車に乗る時に、陽架琉を一番後ろの隅っこにしておりにくい状況にした。
魂蔵が座る位置は、比較的に車から降りやすくなってる。
でも、その前の席に勘助がいるので、魂蔵はすぐには車から脱出は不可能だった。
勘助は、ゴネる魂蔵に「俺たちのためだ」と言った。
魂蔵が渋々でも良いから、宮本工務店の自宅部分で泊まれるように陽架琉を巻き込んで言ったのだ。
魂蔵があまりにもゴネるのなら、このまま工務店の自宅の方に直行をする予定でもいた。
魂蔵の衣類は、数日分なら新品のを用意してるからだ。
ちなみに、陽架琉の衣類やある程度の必要なモノは、勘助の家にお泊りをすることもあるので保管をしている。
そのため、魂蔵は勘助の家に保管してない学校関係のモノや薬とケア用品と絵本などをカバンに詰めていた。
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「正智たちと結託して、陽架琉を人質にしただろうが」
勘助は自分に背中を向けて、そう低い声で言う魂蔵の口調も相まって怖かった。
魂蔵の言い方は悪いが、図星であり魂蔵に対してひどいことをしたのは自分たちだと自覚をしていた。
でも、こうやって強引にしないと、魂蔵がまた無理をして倒れたり豹変したような状態になったりするかもしれない。
そして、陽架琉が「じいちゃんを助けて」とあの時のように来る方がよっぽど恐くてたまらなかった。
「本当は、ここに寄らずに俺の家に直行する予定だったんだ」
「ハァ? 」
「ここに寄って、俺とじっちゃんだけが家に入ったのも理由はちゃんとあるんだよ」
勘助は、深呼吸をした。
「じっちゃんは、知永生たちが転倒して駆けつけてから、気を休めれてないだろ。だから、病室でも倒れかけた」
「アレは、ホッとして気が抜けたからだ」
「そうかもしれないけど」
勘助は、深呼吸をした。
「あの時、陽架琉くんはすごくつらくて苦しそうな顔をしながら、出来る限りの力でじっちゃんを支えてた」
陽架琉は、小四の時の転落事件の後遺症で身体が少し不自由になった。
それで筋力や体力と運動神経が、同級生に比べて明らかにかなりの差がある。
それを「体質」っていう言葉で片付けれるが、医師に運動の制限をされているのだ。
今でも、陽架琉は通院やリハビリをしている。
そんな陽架琉は、大切な「じいちゃん」のために必死に支えたのだ。
日常生活に問題がない程度でも、陽架琉が魂蔵を支えた時はかなり無理をしていた。
「俺たちは、今日のことで心身共に大変だった。そういう時に、知永生とたけしくんがいないこの家はとても寂しくなる」
魂蔵は、勘助が言いたいことを痛いほど分かってはいる。
昔よりは、人を頼り事が出来るようになっても、こういう時には頼れないというプライドが邪魔をする。
「じっちゃん、みんなが無理をしないためにね。今日は、俺の家で陽架琉くんと心置きなく泊まったら良い。そのほうが、俺たちは嬉しいんだ」
「はあ……」
魂蔵は、諦めたようなため息を吐いた。
「ここまで言われたら、さすがにその案に乗るしかないな」
魂蔵はそう言って、カバンのチャックを閉めて振り返った。
「陽架琉くんのことは、元気たちに任せたら良いよ。じっちゃんは、ゆっくり飯を食って、風呂に入ればいいよ」
「そうさせてもらうよ」
魂蔵は、陽架琉が何度も宮本家にお泊りをしてるからだいたいの対応は、元気たちが出来るのを知っている。
今回は、知永生がいないから心配はしているが、出来ることは元気に任せようと思う。
「寝る時は、ワシが対応するよ。元気たちに、そこまで任すのは申しわけないからな」
「分かった。まぁ、元気のことは予備って思ってくれたらいいよ」
「助かるよ」
「うん」
少し経ってから、二人は陽架琉の部屋を出て小走りで玄関に行った。
「思ったよりも、時間がかかったな」
「じっちゃんの顔が泣きすぎてヤバかったからね」
魂蔵は、話した後に我慢してたモノがあふれでて泣いてしまった。
それが落ち着くのを待ってたから、時間がかかったのだ。
「こはるには、連絡してるから」
『じっちゃんが、やっと素を出しだ。落ち着くまで待機』
と、車で待っているこはるに勘助は、メッセージを送っていた。
『了解。陽架琉くんは、あくびをしながら、宿題の音読をしてくれてるよ。上手に読めてる〜! 』
と、こはるが勘助に返信をしていた。
二人は、玄関を出て車の中にいるみんなに遅くなったことを謝罪した。
そして、車は宮本工務店の勘助の家に出発をしたのだった。
今回は、たくさんの人の想い重なった出来事である。
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