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3話 借金及びバイト

ぽいっ


どうも皆さんこんにちは、異世界に着て二日目で死ぬ寸前までいった転移者です。今俺は体ができたばかりの魔臓に適応していないようで動くと激痛が走ります。そのため俺の命を救ってくれたアールブさんのお屋敷のベッドで安静にしているところです。ただ俺のベッドの横でなぜかリンさんがリンゴに似た果物の皮をむいてくれています。アールブさんはちょっと情報まとめたいから一人にさせてくれと言い残しこの部屋を出ていきました。


「君、魔リンゴは好き?」


リンさんがリンゴをむきながら俺にそう聞いてきた。


「すみません食べたことないっす」


リンゴは知ってるけど魔リンゴは知らないっす。なんだそれは…あれか?魔力を持ったリンゴってことか??


「あーー、そうだったこの世界に来たばっかりって言ってたけ…なによ転移者って今日初めて聞いたわよ…というかおじいちゃんがこの世界の住人じゃないってことも初めて知ったわ…」


あっ、なんか目からハイライトが消えた、あまりにも衝撃的な内容だったのか精神がおかしくなっているようだ。いやまぁ祖父が違う世界から来たとか言われてびっくりしないほうがおかしいよな


「っと、ごめんごめん意識が飛んでた。えーと魔リンゴって何?だっけ?確か…魔界に生えてるリンゴのことね、魔力をかなり豊富に吸って成長しているからものすごくおいしいリンゴよ、ものすごい高級品」

「魔界…それはいわゆる魔王が統治している?」

「ん?よく知ってるね、その通り魔王とその配下である七魔公が統治している世界よ」


魔王いるんだ…あと魔界のリンゴが食べれるってことは魔界と交易してるってことか?魔王が人類滅亡を企んでいるとかはなさそうかな?

そんな会話をしているとリンさんは魔リンゴをむき終わったようだ。


「よし!終わり!まだしんどいと思うからこの魔リンゴでも食べてて、私今からバイトがあるからそれ終わったらまた来るよ、じゃあね!」


リンさんはそう言って部屋から出ようとする


「あっ、ちょっと待ってくださいリンさん!」

「んー?どうしたの?」


あっぶねぇ、俺まだちゃんとリンさん個人ににお礼言ってねぇんだよな、アールブさんにもあとでちゃんとお礼しないと


「今日は迷惑をかけてしまい申し訳なかったです。それと命を救ってくださり、本当にありがとうございました!」


俺がそういうとリンさんは元気よく笑いだした。


「あはは、いいってことよ!困ってる人がいたら助ける!それが私の信条だからね!もし恩を感じてるならうちのバイト先でいっぱい料理食べに来てよ!もちろん体がよくなってからね!!じゃあ…またね!」


リンさんはそう言って部屋から出ていった。えぇいい人すぎる…何あの人…じゃなくてエルフ…超美少女で性格最高ってどこの幻想生物だよ…


「我が孫ながらいい女だろ??」

「いやホントに、あんな性格よくてかわいい子初めて見ました」

「惚れたかい?」

「危うく惚れそうですね、告白して優しく振られるところまで見えましt……え?」

「やっほー、転移者君アールブさんだよー」


リンさんが出ていったドアから少しだけ顔をのぞかせてアールブさんが面白そうにしながらこちらを見ていた。わぁ、俺今変なこと言ってないよね、お孫さんのことが好きになってしまいましたとかいってないよね???


「驚かさないでくださいよ…」

「いやすまないすまない、しかしだな孫が同い年くらいの男の子と会話しているところなんて気になるじゃないか」

「まさか盗み聞きしてたんですか?」

「いやぁーたまたま聞こえただけだよ転移者君」


嘘だ、絶対盗み聞きしてた。顔見りゃわかる、あれ絶対楽しんでる顔だ


「さて、そんな無駄話は置いておこうじゃないか、今は君の状況について説明したいと思う」


急に真面目な顔になった…美人画真面目な顔をするとなんか迫力あるな…


「今君の体には魔臓ができたばかりだよね、ただ君が寝ている間に少し君の体を調べたんだけど君の魔臓、竜の血で生成したせいなのか一般人の数十倍、いや下手をすれば数百倍の魔力を生成できる魔臓ができちゃったんだよね」

「―――え゛、それ大丈夫なんですか??俺の体??」


魔力たくさんありすぎて爆発四散とかしない????


「大丈夫だと思うけど扱いを覚えないとかなり危険だね、人の体に竜種の魔臓が入ってるみたいなもんだから、いやまさか、竜の血を使って魔臓を作ると竜に近い魔臓が完成するとは思わなかったよ…あれかな、母乳と血って成分似てるから竜の母乳を上げたということになったのかな?ただ再現性はないね、この世界の住人で同じことをしても十中八九死ぬだけだ、まず間違いなく赤ん坊では竜の血に耐えることはできないだろうから魔臓を生成せずにある程度育つまで魔臓を作らないようにし、15歳以上になったら討伐報告をここ数百年聞いてないこの世界最強の生物である竜の血を飲ませ、私レベルの魔法使いに結界を張らせる…うん無理だね」


なるほど、要するにおれすげぇーーってことかな、うん!うれしくない!!それ絶対権力者にばれたらまずいことになるやつだ、絶対実験台として扱われるやつだ!。俺オタクだから詳しいんだ!!


「それバレたら俺絶対研究のためだーとかなんとか言われて攫われますよね」

「おっ、感がいいね、その通りばれたら100%攫われるよ、絶対にね。まぁそのほぼ竜種の魔臓を使いこなすことができれば話は別だが」


まじかよ、異世界転移二日目でハードモードに突入したんだが…


「だからこそ、君は私が鍛えるよ、その魔力を十全に扱えるようにね、我が夫の遺言に同郷の者がこの世界に訪れた場合できる限り力を貸してやれっていうのがあったし、しょうがない、」


名前も知らない夫さんありがとうございます!!!あなたのおかげで俺は生き延びることができるかもしれません!!というかアールブさん俺が魔臓使いこなせるようになって攫われないように強くなれって言ってるよな、これ…解決方法が隠すじゃなくて強くなれ!なの脳筋だな、まぁ俺は好きだ!!シンプルイズベストってね!


「本当にありがとうございます!」


まじで感謝しかない、今日リンさんに出合うことができなかったら100%俺は死んでたな、俺ってもしかして運がいいのかもしれない、いややっぱ転移してる時点で運なんてかけらもないや、前言撤回


「ただね、ものすごーーく言いにくい話なんだが、君につかった竜の血ってあるだろう?あれ今この国に私しか持ってない貴重な品なんだ…というのもこの国で竜種を倒したことあるのが私と夫だけだからなんだけど…」


ん?いやな予感がしてきたな、とてもとてもいやな予感がしてきた。たぶん今俺の顔真っ青になってる


「あの竜の血が入った小瓶一本で50,000,000マニするんだ」


50,000,000…50,000,000??


「5千万!?!?!?!?!?」


日本円で1億円!?!?!?!?え???俺そんな貴重なもの飲んでたの!?!?


「あぁ、5千万マニだ、正直遺言とはいえ、この額を無料でいいよーとは言えないんだ…」


あっこれ嘘だろ、まさか


「だから君の借金ということになるんだが…大丈夫かい??あっ、ちなみにだが断った場合は君の治療を私に頼んできたリンが君の代わりにこの金額を借金として背負うことになるよ」


おい、絶対最後の情報いらなかったよな!!!!そんなん言われたら断れないわ!!!!ただまぁなんというか…


「すみませんアールブさん、俺は命を救われてる時点であなたとリンさんに必ず恩返しをすると決めています。だから必ず借金も返しますし、何かあればあなたたちの力になると決めています」


そう、正直この二人に合わなければ俺死んでたようなもんだし、この二人のために恩返ししよう!となるのは自然なことだ、すまん母さん父さん、日本に帰る方法を探すのはこの二人に恩返ししてからになる


「わぁお、思ったより覚悟決まってた…我が孫すごいの拾ってきたな…いやうちの夫も常に覚悟決まってたしニホン人の性質ってやつなのかな…?」

「ただ、俺はこの世界に来たばかりだから働き先すらありません、ですので待っていただくことは可能でしょうか」

「―――あぁ、もちろんだよ今すぐ返せとは言わないよ、ただ仕事に関しては今からしてもらうよ、【ヒール】はい、これで体の痛みは治ったね、じゃあ行こう!君の職場に!!」

「え?」

「早く」

「あ、はい」


え?????














「おーい、タイチ君!!この料理10番テーブルにそれとこのお酒は5番テーブルにお願い!!!」

「わっかりましたーーー!!!」


わいわいがやがやとものすごーく活気のある食堂にて俺は今ホールスタッフとして働いている。さっきアールブさんに体の痛みを直してもらってからすぐにこの食堂に連れていかれ、「はい、これこの店の制服」と制服を渡され、テーブルの席番号を教わり、働いている。

いやうん、借金あるし働くことには全然かまわないし、何よりリンさんと同じ職場だっていうのがさらにグッドだが、さすがにもう少し説明してほしかった…俺が日本にいたころファミレスで働いてなかったら絶対ついていけなかったぞ…

ちなみに肝心のアールブさんはこの食堂で優雅にディナーを食べている。すっごいおいしそうに食べている。うっわ、何あの肉、なんか淡く光ってるんだけど、ていうかアールブさんめちゃくちゃおいしそうに食うな…あっ、リンさんを捕まえてお酌させようとしてる、がリンさん死ぬほどめんどくさそうにしてる…わぁ…無視してキッチンに料理取りに行った。アールブさん孫に無視されて死ぬほどへこんでる…


「おーい、タイチ君、君なにボーとしてるのかなぁ?仕事中だよぉ?」


あ、リンさんがにっししと笑いながら俺に声をかけてきた。いやだってそこで漫才が行われてたんですもん、そりゃ気になりますぜ…


「リンさんってアールブさんとめちゃくちゃ仲いいんすね」

「んー?今のを見てその感想ならタイチ君の目は節穴ってことになるよ?」


あっ、見てたのバレてる


「さーせん、先輩俺人を見る目には自信あったんすけどこの世界に来てから鈍ったみたいです」

「うわぁ…かわいくない後輩だなぁ、そんなんじゃモテないよ?」

「ははははは、借金が5千万マニある時点で誰からもモテないっすよ」

「うんそりゃそうだ、でもまさか倒れて死にかけたその日のうちに働きだすとは…すごいね君、私君と別れるときに元気になってうちの店に来てとかかっこつけて去ったのに1時間後に普通に来たからちょっと恥ずかしかったよ」


あぁ、だからリンさん俺と会った時赤面してたのか…


「それに関しての文句はアールブさんに言ってください、今幸せそうに飯食ってるあの人見て気づきましたけどここでご飯食べたかったから俺を連れてきてますよ、たぶん」


絶対そうだ、ここの食堂に行きたかったけど体調悪い&魔臓ができたばかりの俺を置いてご飯食べに行くことはできないから、魔法使って即時回復させて働き口紹介するよとかいう名目で来てるよ…


「あぁよくわかったね、おばあちゃん実はここの店長さんに出禁食らってるんだけど今日はいいアルバイト紹介するから食わせろって言って居座ってるんだ、実際タイチ君よく働いてるから店長も文句言えないみたいだし」


あっ、ほんとだクッソムキムキの強面店長さんがアールブさんのことメッチャにらんでる、ていうかにらみながらフライパン振ってるのすげぇな


「おーい、そこの店員さーーーん酒もう一杯頼むーーー」

「はーーいわかりましたー!よし無駄話終わり!タイチ君働くよー!」

「うぃっす」


こうして俺は異世界に着て二日目でかわいい同僚エルフと、これから俺を鍛えてくれる予定の美魔女エルフと、新しい職場と1億円の借金を得た。



うん!!!最後がやべぇ!!!!!!


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