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2話 まぞうってなーに?

書いてると楽しくなっちゃて5000文字超えてた

ちゅんちゅんという小鳥の鳴き声を聞きながらフワフワのベッドからのっそりと起き上がりシャッとカーテンを開け異世界の街並みを見る、どうやら寝て起きても日本に帰れなかったようである。まぁ知ってた。どうせ帰れないだろうなぁとは思ってた。

さて今何時だろうか、時計がないので時間がわからないが空の白み方的に朝5時くらいだろうか…ごめん嘘ついた勘です、空みるだけで時間とかわかんない、んーやることがないし、さらにおなかがすいた。昨日何も食べてないんだよなぁ、さすがに疲れてお風呂から上がった後速攻でベッドにダイブし寝てしまったのだ。というか今もまだ体がだるい


あーー昨日行った市場にでも行ってみるか??もしかしたら果物とか売ってるかもしれないし、さてパンツ一丁の状態から例のくそ高い貴族様が着ていた服を着て、さぁ行こう!!!






迷った





普通に迷った、そういえば昨日は街にいる人たちに道を尋ねながら歩いていたのだった…一人で市場まで行けるはずがなかった。さてどうしようとそこらへんにあったベンチでぼーっとしているとおそらく食堂?だろう店から人が出てきt…うっわくっそかわいい、まじかよ金髪のエルフだよ、ポニーテールだよ、顔面くっそ強い…道に迷ったかいあったよ…とじろじろ見ていると金髪エルフさんは俺を見てから首を傾げた後、俺の方に来て声をかけてきた、うっわ近くで見るとやっっっば、顔面兵器だろこれ


「うちの店開店するのお昼になってからですけど?」

「え??」

「え??」


あぁ!!!そういうことか!!この子は俺のことをお店開くの待ってる人に見えたのか!!


「すみません、俺ただの迷子っす」

「え??」


俺がそう言うとエルフさんはマジで困惑した顔をした後、困惑した顔もきれいなのまじすげぇな、異世界パネェ…


「はぁ、そうですか……案内いりますか??」

「お願いします!!!!」


俺は全力でお願いした!!!この世界優しい人が多い!!!!ただ声がデカすぎたのかエルフさんはエルフ耳を押さえた後ピクピク動かして耳が生きてるか確認してた。ごめんね!!





「それでどこに行きたいんですか?」

「あー市場にちょっと…小腹がすいちゃって…」

「わかりました、案内します」


そう言ってエルフさんはてくてくと歩き始めたので俺はもう一度お礼を言ってからエルフさんの後ろについていった。



―――さてどうしようか、話題がないぞ、歩き始めて5分くらい、その間じっと無言だったのだが流石に辛くなってきた。だが俺にこんな場面で会話を弾ませるスキルなどない、全然ない、ていうかエルフさんがなーーんか俺のこと警戒してるっぽいんだよなぁ…なんでだろう…とりあえず場を和ませるためには…あれだな!!


「今日天気いいですね」

「はい、そうですね」

「…」

「…」


「俺も早起きしましたけどエルフさ「リンです」…リンさんも早起きですね」

「私は普段からこの時間ランニングをしているので」

「健康的ですね!」

「そうですね」

「…」

「…」


「俺昨日からこの町に来たんですがおススメの場所とかありますか?」

「そうですね、向こうに見える王城とかでしょうか…すみませんそれ以外はあまり詳しくないので」

「そうなんですね!」

「はい」

「…」

「…」


だめだ会話が膨らまない!!!というか会話難しい!!!後、今考えたらなぜか家の前にいた自分のことをじろじろ見てくる迷子を自称する男がたたずんでたら怖いし警戒するよな!!当たり前だった!!!案内してくれるだけくそ優しいわ!!!


何とかして俺の無害さをアピールせねばーーーーっとあっぶない今転びかけた、なーーんか今日体が重いんだよなぁ、やっぱり急に異世界転移したからつかれてんのか…な…あれなんか地面がちか…い…


「えっ?」


ゴンっ





Side リン・シルフ・ヴァーミリオン


「えっ?」


ゴンっという音とともに今私が市場まで案内している男の人が急に倒れた。あまりにも突然倒れたせいで受け止めることもできなかった。完全に気を失ってから倒れたのか受け身も取っていなかったようで頭を石畳にぶつけ血がながれて…


「―――うっそでしょ!勘弁してよ!!!!」


私はあわてて彼を仰向けにして心臓に耳を当てる、かなり弱弱しいが心臓は動いている、口元に置いた手にもかすかに息が当たっているので息もある!確かにうちの店の前にいた時から少し顔色は悪かったけど、ここで急に倒れるとは思わなかった!!


「くっそ、この時間に空いてる治癒院とかこの辺にないっての!!!」


どうする!!どうしたらいい!!頭も打ってるから動かしすぎるのもよくない!!あーーーー!!!もう!!!というかこんな体調が悪い状態で外にでるな!!!考えろ!!考えろ!!!


――――あ…この辺ならおばあちゃんの家の近くだ…


「はぁっ!!」


と息を吐き体に魔力を通して身体能力強化して彼を持ち上げ…かっる!!ていうかほっそ!!全然筋肉がない!!体が全く鍛えられてないし!!というかこの人体内魔力が全然感じられない!!!体弱すぎでしょ!!!護衛の人とかいないの!?貴族でしょ!?

なるべく彼を揺らさないように必死で走っておばあちゃんの住む屋敷についた…疲れた…

敷地内に入るためにものすごくでかい正門についている魔力認証装置に手を当てて屋敷に入ると、おばあちゃんが庭の魔力草に水やりをしていた・


「おばあちゃん!!!急病人!!!」

「――リンまた人助けしてんのかい??」


いまだに20代にしか見えないおばあちゃんはものすごくあきれた表情をしながらこちらに近づいてきた、めちゃくちゃしょうがない子だねぇという顔をしている


「しょうがないでしょ!!!目の前で倒れられたんだから!!!あとこの人の着てる服的に貴族だからお金いっぱい持ってるはず!!」

「私は孫からお金好きに見られてるのか??まぁいいそこに寝かせな」


実際お金もらわないと動いてくれないじゃない!この間の依頼も依頼金が少ないとかいう理由で断ってたし!


「ここでいいの??」

「見ず知らずの男を家に入れるのはいやだよ、入れて庭までだね」


それもそうだ、私は抱えていた彼をゆっくりその場に下ろした。おばあちゃんは朝からめんどうだねぇとか言いながらというか本当にめんどくさそうに彼の状態を見始めた。


「んー?筋肉が全くついてないね、運動ほとんどしてなかったのかこの男は、頭の傷は…うんそんなにひどくないね、ただこれは……まさか…魔力が…いやそもそも魔臓自体が…」


おばあちゃんはそう言ってものすごく慌てた表情をした後ものすごい勢いで屋敷のはずれにあるおばあちゃんの研究室に全速力で入っていった、「どこだ!!どこに置いた!!」ガチャガチャと何か探す音がしたと思ったら、「あった!」といった後、研究所から小さな小瓶に入れられたものすごい魔力を放つ赤い液体を持ってきた。

というかおばあちゃんのあんなに慌てた顔初めて見た…


「リン!!!その男には魔臓が存在していない!!!おそらく王族の隠し子だ!!!ここで死なせちまうと私達が何か面倒ごとに巻き込まれるかもしれない!!!」

「――はぁ!?!?!?王族!?うそっ?冗談でしょ!!!」


何がどうなってこんなところに王族がいるの!?護衛はどうしたのよ!!


「細かい説明はあとだ!!今から昔私とあの人の二人で討伐した低位竜の血をこいつに飲ませる!!!かなり拒否反応が出て暴れるだろうからこの男押さえといて!!強制的に魔臓を目覚めさせるよ!!」


竜の血!?そんなの加工せずに人が飲むと死ぬ劇薬じゃ…そう考えているとおばあちゃんは彼に竜の血を飲ませ始めた。


「リン!早く!!私は魔力が暴走しないように結界を張る!!!」


あーーーーもう!!!考えるのはあとだ!!!今は竜の血を飲んで苦しみ暴れ始めてるこの人を押さえる!!ぎゃあア嗚呼ああああと声を挙げながら苦しんでいる彼を押さえつけているとおばあちゃんが詠唱し始めた。


「―――それは楽園、真なる楽園、精霊たちの住みかたる楽園、恵みの雨が降り、神聖たる魔が流るる楽園、永劫の生が約束された楽園、争いなくすべてが生を謳歌する楽園、神々が住まう楽園、主神ドラミリウスよ、我が魔力を用いその楽園を模倣する許しを、罪深い我に許しを…今ここに楽園を模倣する許しを…【神聖12階位魔法 エデン】」


え?なにその魔法…初めて見た…それにおばあちゃんが詠唱しているのも初めて見た…淡く金色に光る結界?のようなものが屋敷の庭に展開された…というかなにこの魔力量!!うそ、彼の額にあった傷が一瞬で治った…私の筋肉痛も…さっき彼を運ぶために使って、今も彼を完全に抑えるために使っている身体能力強化している分の魔力もすごい勢いで回復してる…それと結界内に生えている魔力で成長する植物も急成長し始めた。これもしかして、治癒結界プラス魔力回復結界!?冗談でしょ!!そんな魔法存在するの!!??ただの治癒結界だけでも教会の司教が複数人いないと完成させることができないはずなのに!


「リン、私はこの結界の維持に全魔力を持ってかれる、後は任せたよ」

「―――わかった、任せておばあちゃん」


おばあちゃんはそう言って体内保有魔力が尽きたのかその場で気絶した。ハイエルフのおばあちゃんの全魔力を注いで創造する結界ってなによ…


「まだ名前も聞いてなかったけど、私のおばあちゃんにここまでさせたんだから死ぬんじゃないわよ!!!」





Side 今川 太一


ちゅんちゅんと鳴く小鳥の声とともに目が覚めたのだがここはどこだろうか、リアル知らない天井だ状態である。え?ここどこぉ…周りを見渡すために起き上がろうとしたが体が軋み鈍痛のようなものが走る。


「んがっ!?いっってぇ!?」


なんだこれ?なんでこんな状態になってるのさ!?昨日俺は確か迷ってきれいなエルフさんと出会って、そんで…何があった???確か歩いてると急に意識が遠くなって…まさか俺倒れたのか???

そんな感じで百面相しながら考えていると、ぎぃという扉悪音が聞こえた。


「おや、起きたのかい、まさか半日も寝てるとはねぇ、リーーーン!!目を覚ましたよーー」


俺が起きてるのを確認すると案内してくれていたエルフさんより年上…おそらくお姉さんかな?が誰かを呼んだ。リン?リン?あ!案内してくれてたエルフさんか!これで確定か?どうやら俺はエルフさんに道案内をしてもらっている途中に倒れ、看病してもらっていたようである。しかも半日も、優しすぎない?


「あ、ほんとだ、起きてる、っとゴホン、体調は大丈夫でしょうか?」


なんか道案内されてる時よりも警戒されてる気がする。


「はい、大丈夫です。どうやら迷惑をかけたようで…申し訳ない」

「いえ、私はほとんど何もしていません、治療はこちらの祖母が行いました」


祖母…?おばあちゃん??どこにおばあちゃんが??え、あ、まさかエルフということは


「紹介に預かりましたリンの祖母アールブと申します。」


やっぱり!!!まじかよエルフすげぇ!!!!というかなんで敬語??


「あ!えっと俺はタイチといいます。それと年上の方に敬語で話されるのは気が引けるので普通に話していただけると…」


おれがそういうとアールブさんはクスクスと笑い


「さすがに王族の方にそのような態度は取れませんよ」


と言った…おうぞく???王族??俺が?何がどうしてそうなった!?


「あの…何かの間違いではないでしょうか…」

「いえ、隠されなくても結構です。私どもが貴方様を王族の方と確信した理由は…まぁ何点かありますがまず、あなた様には魔臓がありません、これが決め手ですね。この世界に生まれてきた人間は魔臓がなければ大気中の魔力に侵され数日で死にます。―――まぁ王室にある魔力遮断結界を作動させた部屋では話は別ですが…」


アールブさんはそう言って薄く笑い「王族でもなければこの年まで生きていられはずがありません」と続けて言った…待て待て待て待ってくれ魔力を持っていないと数日で死ぬ!?じゃあ俺死ぬ寸前だったの!?

いったん情報を整理しよう、俺はこの世界に転移してきた日本人だ、だからこの世界の住人が等しく持っている魔臓とやらを持っていない、がしかしこの魔臓がない一般人は死ぬ、それも王室のうんちゃらなんちゃらとかいう装置がないと、で日本人の俺は魔臓を持っていないのに今の今まで生きてきた。日本では魔臓とか持ってなくても生きてけるし、しかしアールブさんからみると昨日俺が魔臓がなくても生きていける世界から転移してきたとかわかるはずがない、だからこそ彼女の中での結論として出た答えが、君王族でしょ?ということだな!?うっそだろ!?何その奇跡!?


「まっておばあちゃん、魔臓って確か母親の母乳を飲んでその母乳に含まれた魔力によってゆっくりと赤ちゃんの時に生成されるんだよね?」

「あぁそうだよ、だが母乳を飲まない赤ん坊は即死んでしまうというわけでもない、母乳の代わりとしてこの世界の食べ物を摂取するだけでも魔臓はできるんだ。この世界に存在するものすべてに魔力は存在するからね、要するに魔力という呼び水を使って魔臓は生成される、だが、王室に存在する魔力遮断結界は魔力のこもった食材や母乳、その他すべての魔力を遮断する、もともと持っている魔力ですら0にしてしまう」

「つまり、魔力のない食材を作ることができるってこと?」

「そういうことだよ、この方法があればこの世に存在できるはずもない魔臓のない人間が作れるってわけだ」

「でもおばあちゃんそれってなんのメリットもないんじゃ…」

「そうだね、でも王族は別だ、魔力がないとなると魔力認証すらできない、この世に存在するという証を作ることができない、要するに隠し子として育てるにはこの方法が一番確実なのさ、万が一、今の王位継承者全員が運悪く死んだ場合の予備、それかどうせ王が不倫でもしたんだろ、今の王妃様は嫉妬深いと噂だし隠してるんじゃないかい?」

「そんな理由で…?」

「200年ほど前に別の国で実際にあったよ、その隠し子王子様は15の時にようやく外に出て魔臓を作るためにいろいろ魔力のこもった食材を食べたけど魔臓ができなくて死んだらしいけど、どうやらある程度年を取ると魔臓ができないみたいだね」


え゛??じゃあ俺なんで生きてるの???魔臓作れないんじゃ…


「―――あの、質問よろしいですか」

「あぁ申し訳ないです。はい私の答えられることなら何なりと」

「では、なぜ私は生きているんですか…?」

「それに関しては正直正しい答えはわかりませんが…おそらく低位竜の血を、魔臓を持っていてなおかつ人類最高の体内魔力量を持っていたとしても飲めば死ぬといわれているほどの魔力を持った竜の血を飲んだからでしょうね、私は200年前の王子の話を知っていましたので、普通の魔力では魔臓を作れないのではと考えました」

「―――なるほど、だからおばあちゃんはほとんど魔力の爆弾みたいなものを飲ませて無理やり目覚めさせたのか…」

「そういうことだよ、ただそのまま飲ませたら体が内臓ごとぼろぼろになる可能性があったから治癒結界をだしたのさ、それと魔臓は接種したものに含まれていた魔力と空気中にある魔力を吸い取って生成されるという性質もあるから魔力枯渇を防ぐために魔力回復結界もね…久しぶりに使ったよ…」


要するにギャンブルだな、うまくいくかはわからなかったが俺を救うにはこれしかなかったと…まじでアールブさんがいなかったら俺死んでたな…お礼をしないと…んぎぎぎ体が痛むが何とか体制を整えて頭を下げる。こういう場面では絶対きっちりとお礼をしないと…命救ってもらったんだぞ…


「ありがとうございます。リンさんアールブさん、あなたたちがいないと俺は死んでいました。本当にありがとうございます。治療費はいくらでも払います。ただ今持っている額は180,000マニしかありません、もし足りないということならこれから働いて返します」

「―――180,000?王族の方がその額で城を出されたのですか?やはり厄介事か…」

「いえその、勘違いをなさっているようですが俺は王族ではないです…」

「いやいや、さすがにその嘘は通じませんよ」

「いえまじでただの一般人です」

「え?」

「まじです」

「じゃあ、なんで魔臓が」

「俺、あの…えーとこっちの世界にこの概念があるかわからないんですが違う世界から来たものです」

「え?」

「日本という国から来ました」

「え?ニホン?え??」


あれ日本っていう言葉を聞いてからアールブさんが静止したんだが、リンさんが心配そうに「おばあちゃん、大丈夫?」と声をかけている。かわいい…


「ニホンには妖怪がいるから魔臓なしには戦うこともできないし向こうでは妖力と呼ばれているこっちの世界でいう所の魔力があるから生きられないんじゃ…」


え?妖怪?妖力?それ何処の日本?


「俺の住んでいた日本にはものすごーく昔にいたらしいですが…空想上の存在ですね」

「じゃ、じゃあミナモトヨリトモって知ってる?」


なんでアールブさんが源頼朝を知ってるんだ?


「はい知ってますよ、大昔の偉人ですね」

「もしかして妖怪が日本に居なくなってからものすごーく経つ?」

「―――そうですね…たぶんここ何百年かは妖怪退治の話はないかと…というか存在していたかも不明ですね」


たぶん、妖怪退治とか江戸時代より前の話だろうし…というかなんでこんなに日本にくわしい…ん…だ……あっ…


「まさか…昔日本人がこの世界に来たことがある??」

「―――正解よ、ちなみにそのニホン人、私の夫ね…あの刀バカ夫がそういえば転移してくる前のニホンには妖怪が少なくなってきて空気中の妖力も減ってきてるとか言ってたわ…まさかすべてなくなるとかありえる???」

「え?おばあちゃん!結局どういうこと!?」

「あーーーーもう!!そんなの予想できないわ…要するにこの人本当に王族とかじゃなくてただの一般人よ…」


アールブさんはそう言って「そんなことあるー?」といい遠い目をしていた


【魔臓】

異世界に住む生物たちが魔力を作るための体内機関だが実態として存在する臓器ではなく形のない魔力の生成機関のようなもの、解剖したとしても出てこない、死んだら魔臓は大気中の魔力と同化して消えてしまう。鍛えて成長させることもできるが限度はある。


魔臓の強さランキング

1位竜種 越えられない壁 2位その他生物

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