6 数学者、また決意する
やや短いです。
この話の時の年齢
ライナー・カール (27) 父親
クレア・カール (26) 母親
エドガー・カール (8) 長男
レオン・カール (4) 次男
・魔法学校について
魔法学校はザビンツ国の王都に存在し、ザビンツ国中から学生が集まる。魔法学校は純粋に魔法を学ぶだけでなく一般教養や貴族の作法も学べるため、貴族にとって魔法学校を卒業することがステータスとなっている。魔法学校卒業後の進路は地方に帰る者、王都に就職する者、魔法研究者として学校に残り、ゆくゆくは教師になる者など、多岐にわたる。特に優れた成績を修めた卒業生は国から直接声がかかり、王家直属の魔術師として戦争や魔物討伐などで活躍することもある。さらに、多大な功績をあげることで貴族になる場合もなる。
―大神学『地球とは異なる異世界について』p.5
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Side レオン・カール
クレアとマリーさんに自分の事実を打ち明けたところ、とてもやさしく受け入れてくれた。少なくとも家族全員には打ち明けるべきだというクレアの言葉に従い、ライナーとエドガーにも打ち明けることにしたのだが。
「ははは!そうかそうかレオはやはりただ者ではなかったということだな!」
「まあ、確かにレオがどこか変わっているとは思っていたし、驚かないな」
カール家の男はなんというか…大物だった。
「ところでレオ、魔法の勉強もっとしたくないか?本でも取り寄せようか?家庭教師でもつけようか?」
「なあレオ、魔法もいいが、丈夫な体を作るのも大事だぞ。明日から俺の朝の素振りに参加な」
「えっ、エドガー兄さん、すごい突然ですね」
「ははは!エドガーの言う通りだな!体は小さいうちから作るに越したことはないぞ!」
あえて楽しそうな雰囲気を作ろうとしてくれているのか、ただの大物なのか分からないが、やはりこの家に生まれてよかったと思える。よし、せっかく誘ってくれたことだし、身体づくりにも力を入れてみよう。この世界では家族との時間も大切にすると決めたしな。
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次の日から朝食の前にエドガーの横にならんで素振りをすることになった。最初は2分もしないでへとへとになっていたが、一ヵ月立つ頃には10分もつようになった。少しずつ体力がついてきている実感がある。たまにライナーがやってきて模擬戦のようなものをしてくれたのだが、何回やってもまったく歯が立たなかった。これが子供と大人の差なのかと驚かされた。
「ははは!俺は魔法学校の武闘大会で優勝したことあるぞ、攻撃魔法を使わずにな!」
「父さんさすが、俺も強くなって領主にふさわしい男になるぞ」
「そうだな、エドガーはもっともっと強くならないとな!」
「いや、領主に強さってそれほど必要なのか…?」
「何言ってるんだレオ、領主は強くてなんぼだろ?」
「えぇ…書類読んだり政策考えたりするために教養がいるんじゃ…」
「もちろんエドガーにはみっちり勉強もしてもらう。だがな、一番重要なのは体力だ!大量の書類を読んで一つ一つサインするのにも体力がいるからな!」
大丈夫なのかこの領主。今のうちからエドガーにはもっと勉強してほしいと願うばかりだ。もしエドガーが勉強をおろそかにしていたら注意することにしよう。そう決意した。
エドガーはライナーによく似ています。いい意味でも悪い意味でも。




