表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/125

天の時は地の利に如かず

 

 やはりと言うべきか六花最強(ベロニカ)は強かった。私の攻撃などモノともせず、平然としている。正直、今の私では傷一つ負わせる事は叶わないだろう。得意としている魔法も殊技も通用しない為、物理で叩くほか無い。しかしベロニカの宙に浮いている6本の剣が厄介で中々近づけない。


「コンチキショウ!」


 私は2本の刀を捨て銃に切り替える。銃ならば近づかずに相手を攻撃出来る。しかし、近付かなくてもベロニカの剣は脅威であった。普通に飛んで来るもん!!


「アキラ……。確かにお前の苦しみは分かる。だけどお前の母親がどれだけっ!」

「ハル……佳月に同じ様に苦しみを与えて来た君が言える事じゃないよ」

「それは……」

「兄なのに酷いね。実の妹に様々な仕打ちをするなんてさ。聞いただけでも中々だよ」

「……」

「それにハル……知らないだろう? 六ツ葉が僕に何をして来たか。それは酷かったさ。もう少しで殺される程にね!」


 私とベロニカが激突している間に兄と若君は話していた。私を手伝ってくれよ兄様!


「ヌルい!」

「ぐっ⁉︎」


 ベロニカの剣はベロニカの周りをグルグルと周り、私の放つ銃弾を弾く。ベロニカにとっては銃など大した脅威では無いのだろう。

 重い鎧を身に付けているにも関わらず、ベロニカのスピードは常人よりも速い。なので何度か接近を許してしまう事となり、その度に肝が冷える。


「くそー」


 何をしても、怯む様子も効いている様子もないベロニカに悪態も吐きたくなる。飛んで来る剣を回避しながら、銃で応戦を続ける私だが、限界も近いだろう。何とか手を考えないと……。

 考え事で気が逸れた所為か、一瞬隙が生まれてしまった。戦場では一瞬の隙が命取りになる。

 その一瞬で私はベロニカに距離を詰められ攻撃を貰い、私の体は後ろに吹っ飛び壁に叩きつけられた。


「ガハッ!!」


 私は壁を背に座り込み立ち上がる事が出来ない。たった一撃食らっただけで、このザマである。強すぎるわ!


「ははっ。師匠達なら、もっと上手くやれたかな?」


 自身の無力さに笑いが込み上げてくる。今まで兄様や当主様を見下して嘲笑って来たが……。御門違いだった様だ。そう、私も弱者の1人であったのだ。兄様達を悪く言える立場ではなかった


「……んな訳あるか!」


 私は勢い良く立ち上がり、自身の持ち得る最高時速を叩き出しベロニカの背後を取る。私の銃が火を吹いた。ベロニカには避けられたが……。


「よっしゃ!」


 ベロニカの顔に一線の線が行った。やっと傷を負わせられたのだ。少しだけど……。

 兄様と次期当主様と同じ弱者では嫌だと思いヤケクソの攻撃だったが、相手の意表は付けたのかベロニカも若干驚いた顔をしていた。


 まぁ、たった一線だけだけれども……


「さぁ、第2ラウンドですよ!」


 正直、体はガタガタで今すぐにでも寝転がり休みたい気分だが、そうも行かない。震える体を叱咤し私は……逃げよう!


「あ、師匠達だ」


 最後の手段である逃走を行おうと思ったが、ベロニカの背後に師匠とハイドの姿が見えたので、予定変更しその場に留まった。全く厄介な時に来てくれたものだ。恐らく私の首の発信機を使い、私の居る位置を割り出したのだろう。コチラの作戦がバレた為、囮役の意味が無くなり急遽予定を変更して私の所に来たのだろう。


「佳月! まだ、やれるか?」

「イエス、師匠」


 師匠達が来た事だし、私は何処かに行ってしまったイネスを追いたいのだが、やはり師匠とハイドだけではベロニカ戦はキツイらしく私も参戦が確定した。チェッ!


「無理はするなよ?」

「邪魔はするな」

「はいはい」


 ハイドに邪魔するなとか言われたのだが……。もう、帰って良いかな?

 私は先程までの戦い方と同じ、銃を主体に戦う事に。これで2人の後ろから2人を援護しつつ攻撃と行こう。


 まぁ、しかし……。ぶっちゃけ、ベロニカは強かった。化け物か! っと言いたくなるくらいだ。私と師匠、ハイドの攻撃がまるで効いて居ない。レベル差ありすぎだろう……


「マジかよ……」


 私は地べたに這い蹲り、師匠達は息を切らせてベロニカから離れた場所に居る。ベロニカは息一つ乱していない。ここまで差が有ると、もう笑うしかない。


「仕方ない」


 イネスは諦めて影移動で逃げるか。そうすれば、警戒したイネスが今以上に慎重になり、もう2度とイネスに遭う事は叶わないかもしれないが、ココで全員捕まるよりはマシだろう。


 私が思案する間、師匠達が息を整えている間、ご丁寧にベロニカは待って居てくれるらしい。親切か!


「どうしようかなー」


 結果、惨敗。どのみち惨敗するのなら増援要らなかったな……。黒、揃っちゃったじゃん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ