双子登場
私は師匠に問う。すると師匠は
「黒だ」
「え?」
それだけ言うと師匠はリビングに戻って行った。意味が分からないので再度問おうと、師匠を追ってリビングに向かったが
「着いたぞ!」
タイミング良く街に着いてしまった。こうなってしまえば、皆んな自由行動に入る為、聞けない。どうしようかなぁ
「俺とリンドヴァル、佳月で向かう。ギース、後は頼んだぞ」
「任せておけ」
ハイドが何か言い出した。私と師匠とハイドでお出かけ? 何処に?
「あのー……師匠、話が見えてこないんですけども」
チャキチャキと準備をする2人に勇気を持って問い掛けに行く。私だけ除け者ヤメテ
「お、おい、お前達? どうした?」
流石のコルネリア様も困惑している。しかし説明せずに、師匠とハイドは私を連れてキャンピンを出て行った。
残った面々は非戦闘員3人に戦闘員2人。大丈夫だろうか?
何故か師匠達に拉致られ、汽車に乗せられた。汽車の中ではハイドが
「あの程度で影響を受けるとは、我が愚弟ながら呆れるな。あの程度ならグロキシニアなら問題なかったぞ。全く、アイツは……」
っと永遠にアスターをディスって居た。え? だから何が? 何の事だか分からない。
「コルネリア様は良い。抵抗のしようが無いからな。 アスターも仕方ないだろう。だが、純菜もああなるとは……少しくらい抵抗して欲しかったところだ」
次は師匠による純菜ディス! 前に純菜の事、認めていたじゃん! なんでディスってるんだろうか?
「えーと、師匠? 何の話か見えないんですが?」
勇気を振り絞って聞いてみた。
「そういえば、お前は黒の気配を察知出来ないんだったな」
ハイドが鼻に付く感じで言って来た。イラッとした。確かに私は黒い宝玉を持っているくせに、黒の宝具の気配を全く感じない。でも、それは仕方ないんだ! 奥深くに封印しているからなんだ!
「この近くで黒の宝具の気配がした。六花だろう」
「宝具を外に出していたのだろう。だから負のエネルギーが辺りに充満し内輪揉めが起きた。黒を解き放てば、戦争だって簡単に起こせるからな」
師匠の説明の後にハイドが言う。確か黒の宝具や宝玉を解き放てば人々は疑心暗鬼に陥り、喧嘩を始めるとか何とか。そういえば先程キャンピン内で疑心暗鬼になり揉めてたな。それが原因だったのか⁉︎
「あまり拡がらない様に宝具を調整していたのだろう。だから、これだけの影響で済んでいる。本来ならもっと規模がデカイ」
宝具ってそんなに危険なんだぁ。じゃ、それを超える宝玉はどれだけ危険なのだろうか? 怖いなぁ。
「闇の気配も微弱、なのにアスターも純菜も耐えられなかった。そこが問題なんだ」
あぁ、だからアスターと純菜がディスられていたのか! 理解したわ! なんでも、あの程度くらい耐えられないとお話にならないらしい。
でも、そんなヤバい気配、全然しなかったけどな。
「私、何も感じませんでした!」
「鈍感なんだな」
「違うよ!!」
え⁉︎ 私、鈍感なのか⁉︎ だから気付かなかったのか⁉︎ そんな筈ない! 私は鋭い方だ!
「いや、普通に気付くレベルだったぞ。宝具の気配、云々じゃなくて、闇の気配だから常人でも気付く」
「嘘⁉︎」
ハイドの言葉にウンウンと頷く師匠。常人でも気付くレベルのヤツに気付けなかった! 私、そんなに鈍感なの⁉︎ 私がハイドを問い詰めていると師匠が
「黒を意図的に出して俺たちを誘っているのだろうな」
窓の外を眺めながら言う。誘われてるのか……。何に? アンサー! 六花に!
私達は汽車で先程回避した街に向かうとの事だった。そこには六花が待ち受けている事だろう。そこでどうこうする予定は無いらしいが、挨拶くらいしていくらしい。
「どちらにせよ、黒を持つ俺達は、奴らに居場所がバレる。この国に俺達を狙う輩がいるのなら、別行動した方が動きやすいだろう」
と言う事で、私達は3人で黒の宝具反応が有った場所に! 鬼が出るか蛇が出るか……。というか、私が来る意味あった?
◆
汽車を降りると、地獄絵図だった。此処に住んで居る人と他所から来た者とで、揉めて流血沙汰になっている。所々に人が倒れ、血を流している者も確認できた。騒動はまだ収まる気配はなく、それどころか増している気がした
「昔、我々の国も、こんな感じだったな」
「あぁ。都心部は余所者に酷く敏感で排除しようとしていたな」
師匠とハイドが酷い状態の街を見て、シミジミと話している。
「私のおかげですね!」
ドヤ顔で2人に言うと、師匠は頷き、ハイドは嫌そうな顔をした。ハイドに、そんな顔されると腹が立つな
「それより、先を急ぐぞ」
私達は黒の気配を追う。黒の気配は山の中かららしく、ひたすら道無き道を進む。全然、気配感じないなー
「何にも感じないです」
「鈍感」
「違う」
何にも分からない。みんな、何を感じてるの?
「こんなに濃いのに、感じないのか?」
「全く」
呆れ顔の2人。何で、そんな顔するんだよ。感じないんだから仕方ないじゃん
「思ったんですけど、私要らなくないですか?」
話を替えて、さっき思った事を聞いてみた。私は黒い宝玉を持っているとはいえ、黒保持者から気配を感知されないので、コルネリア様達と別れる必要なかったのでは? それに向こうには私が宝玉を持っているとバレてない筈。いや、向こうは私が宝玉に関係していると分かっているのか……。
しかし只でさえ、キャンピン内に非戦闘員3人に対して戦闘員が2人しか居ない状況なのだから、私は残った方が良かったのでは?
「お前、感情のコントロールが出来ないからな」
「置いて行くのは不安だ」
「え゛ー」
私、信用なかったんだな。確かに怒りのあまり、2度も黒いオーラを放ってしまっのは悪かったと思っている。それに、もうしないとは言い切れない。
「安心しろ。アッチにはギースが居る。奴が居る限り、コルネリア様は安全だ」
「だと良いけどね」
多分、コルネリア様だけ安全なのだろう。もし敵襲が有ればギースはコルネリア様は守るが他は放置の筈。ギースはそんな人だ。
その後、私達は無言で歩いた。すると、山頂付近に誰かの人影を発見!数は2つ。敵か否か
「来るのが遅かったな」
「随分、待ったぞ」
そこに居たのは、淡い紫色の髪をしたイケメンと、濃い紫色の髪を持ったイケメンが居た。どちらも同じ顔だ
「双子?」
髪の色が若干違うくらいで、基本はほぼ一緒。
「【カミル】と【ラミル】か」
髪色が濃い方が【カミル=ウィステリア】で淡い方が【ラミル=ウィステリア】という、正真正銘の双子らしい。そして、黒の宝具の保持者だ
「六花って顔良いひとしか居ないね」
改めて思った。




