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頭から血を被った……

 

「深ぁああ⁉︎ 落ちる! 死ぬ! このままじゃ、潰れたトマトになるぅうううっ⁉︎」


 かなりの勢いで落ちて行く我。このまま、地面に『こんにちは』したら死ぬ! 間違えなく死ぬ!


「魔法? いや、此処は殊技で!」


 私は闇を羽の様にして落下の勢いを殺す。すると無事に地面に到着した。


「これ、空も飛べるんじゃね?」


 闇の羽をパタパタすると、普通に空飛べた。私、凄くね? パタパタと羽ばたいて、落ちて来た場所を見上げる。飛べば戻れそうだ。戻ろうと上を見上げると何処からか声が聞こえて来た。


『苦しい、苦しい、苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい』

「うわぁ、何かヤバイの居るー」


 声のする方を向けば、かなり凄いのが居た。

 先程見た観覧車の妖精を捏ねて固めた様な塊の中心に、観覧車のど真ん中に付いていた顔がドドンと有る、如何にもヤバイ感じのモンスターが居た。

 しかも、かなりの大きさで私が見上げないと、その全貌を見る事が出来ないくらいデカイ。そしてドス黒いオーラを纏っている。


『苦しい、助けて!』

「話せるのね」


 話せると言っても、さっきから『苦しい』か『助けて』しか言っていない。これは、人体実験を受けた者の成れの果てか?


「解放してやった方が良いかもね」


 ゆっくりと歩み寄ってくるモンスター。歩き方が異様に気持ち悪い


「異臭もするな……。さっさと終わらせよう」


 早い事終わらせて先程の男を追わねば! 幸いにも真っ暗なので殊技が制限なく使える。私は殊技を使い目の前のモンスターをプレスし圧殺する。


「うぇ……。返り血被った」


 圧殺したことによりモンスターからは夥しい量の血が流れ出てきた。その血を諸に被った私。かなり生臭い



 さて、戦いは終わったので落ちて来た穴から、つるっ禿げのマッドサイエンティストが居た場所まで戻る。そこには、当たり前だがマッドサイエンティストは居なかった。居たのはチェーンソーを持った観覧車の妖精だけ


「まだ居たの⁉︎」


 戦いは続くよ何処迄も……



 ◆



 観覧車の妖精を倒し終え、施設内を探索するがイネスは居なかった。緊急用の脱出ポッドが無くなっていたのでそれを使い逃げたのだろう。追おうにも何処に行ったか分からないので追えないし……諦めるほかないだろう。私はイネスと白い宝具を諦めて施設内を散策した。


 研究所内で今回戦ったモンスターの資料と白い宝具を黒く染める実験のデータを入手した。

 データが入っていたと思われるパソコンは全て破壊されていたが、何とか2つのデータだけは引き出す事が出来たのだった。他は無理そうなので諦めた。

 暫く復元したデータを見ていたが、流石にそろそろ帰らないとマズイと思い地上に舞い戻る


「やっと地上だ」


 地上に戻ると、夕方だった。あら不思議。出て来たのは夜中だったわけで今夕方という事はかなり時間が経っている。流石に怒られそうだ。なんて言い訳しようかなぁ


 私は言い訳を考えながら帰路に着くが……


「迷った……」


 遭難した。山の中なので電波も届かず師匠に連絡も出来ない。このままでは置いて行かれてしまうかもしれない。早く帰らねば

 道無き道をひたすら歩いていると、普通のモンスターに遭遇したり、人攫いがいたり、山賊が居たりしたが、全てスルーして街に出る道を探す


「やっと山から脱出!」


 山からの脱出に成功したが、此処が何処だか分からない。今度は迷子である

 空を見上げると、月が真上に来ていた。どれだけ彷徨っていたのか……。そして、あとどれくらい彷徨わなければならないのか?


「兎に角、進むか……」


 人が居そうな場所に向かい人に道を聞く。すると、此処がキャンピンが有るビーチから真逆の位置に有る場所である事が分かった。

 場所が分かれば、コチラのもの! 気持ち悪いモンスターの返り血で汚れている私にドン引きしている道を教えてくれた親切な人にお礼を言い、この場を後にする。後にしないと通報されそうだ


 もう一度山に入り、方位磁針を頼りにビーチを目指す。暫く歩いた頃に唐突に閃いた。


「飛んで帰れば早いんじゃね?」


 思いだったが吉日。闇を羽にして、いざ空のお散歩に!


 僅か数分でビーチまで辿り着いた。今迄の時間は何だったのだろうか?

 そこからキャンピンまで歩いて帰る。幸いにもまだキャンピンは出発しておらず、そこに有った。よかったー


「ただいまー」

「遅い! っておわぁ⁉︎ お前どうした⁉︎ 怪我したのか?」


 扉を開けるとリビングに居た、メガモことアスターが驚きの声を上げた。ついでにリビングのソファーに座っていたハイドも珍しく目を真ん丸にしている


「返り血さ」

「返り血って……。頭から血を被る様な何かをお前はしてたのか?」


 私は気持ち悪いモンスターの血を頭から被り、全身血だらけになっている。今はもう乾いて、カピカピになっているが、生臭いことこの上ない


「ちょっとハッスルしてたんだよ。先にお風呂入って良い?」


 お風呂に向かおうとすると、奥から残りのメンバーが現れ、微妙な表情を浮かべられた


「取り敢えず、お風呂行って来まーす」


 何か言いたげな表情の師匠を見て、私はお風呂に逃げ込んだ。

 シャワーを浴びながら、私は必死に血と格闘する。何故なら、



 血が落ちない……

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