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けもみみ看板娘♂  作者: かづき


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29 びびび、びっくり!

お読みくださりありがとうございます!

雑に巻かれた包帯を外すと、赤黒く変色して腫れ、熱を持った中指と薬指。

間違いなく骨折だ。変色して熱を持ったら骨折を疑えって言うもんね。


触れてみると関節じゃない所が曲がっていると言うか歪んでいる。折れた骨が捻れた感じ。


「ちょっと我慢してね。」


折れた箇所を探り、ゆっくりと引っ張って伸ばして正しい角度に戻す。添え木はないけど指2本に包帯を巻き直して終了。獣人は筋肉も骨格もがっちりしていて引っ張るのが大変だった。


「痛かった?もう大丈夫だからね?」

「ありがとうございます!もうまったく痛みがありません!!」


さすがにそれはないと思う。


でも怪我した右手で食べ始めたので痛くてフォーク持てなかったのかな?と思ったけどそんなはずはない。人差し指と親指だけではやっぱり食べにくそうだ。


「食べさせてあげる。」


そう言ってフォークを取り上げ、大きな一口サイズに切り分けられた肉を刺して口元に持って行くと、食堂の空気が凍りついた。

あれ?


「…ボクまずい事した…?」


ベルも無言でぷるぷるしてるし、そんなに失礼な事をしてしまったのだろうか?


「ご!ごめんなさ…」


ドガァァァァンッッ!!


席に着いた人達全員がテーブルを叩き、それはそれは大きな音が食堂内に響き渡った。

そんなに怒る事!?


「「「「「チハヤ様、手が痛いので食べさせて下さい!」」」」」


ほぼ全員が声を揃えた。あーんをして欲しかっただけだった。


「びびび…びっ…くりしたー!」


もう!チビるかと思ったじゃん!

チビってないよ!ほんとだよ!!


「申し訳ありません!な…泣かないで下さい。」


泣いてないもん。

ちょっと涙目になってるだけだもん!


「ベル!チハヤを部屋に連れて行け。他の者もチハヤ(ニンゲン)を怯えさせるような行動は慎め!」


「「「「「はっ!」」」」」


団長の一声でベルがボクを抱き上げて風のように食堂を後にする。まだ心臓がばくばく言ってるボクはおとなしくベルにしがみついていた。




部屋に戻っても動揺は治まらず、しばらくベルにしがみついていた。


「チハヤ!大丈夫か!?」


王子がノックもせずに飛び込んで来た。

ボクはコアラになってベルにしがみついたまま沈黙を保つ。


「チハヤ…私ではダメなのか?」




「…もふもふが良い。」


服越しに感じるもふもふ。本当は直に顔を埋めたい。


「…ふっ…ぐすっ…ぅう…」

「チ、チハヤ様!」

「「チハヤ!」」

「「チハヤ様!!」」


ベルと王子と団長とかのこちゃんとニルスが心配してくれている。

いい歳して泣くなんてみっともないって判ってるけど、異世界に迷い込んだ現実は自分で思っているよりストレスになっていたようだ。精神が不安定。


「…ベル、この服硬い…」


騎士服だからしっかりとした生地で作られていてビシッとして格好いいけどちょっと邪魔。


「脱ぎましょうか?」

「うん…」


上着を脱いで軟らかい肌着になるともふもふが気持良い。


「ベルありがと…」


泣き笑いでお礼を言ってまた顔を埋める。

恐る恐る頭を撫でているのは王子かな?少しずつ落ち着いて来た。





「…王子もありがとう。」


ようやくベルの胸から顔を離してお礼を言う。


「お礼なら私にも抱きついて欲しいんだけどね。」


いつもならぜったい拒否する所だけど、今は素直に要求を飲む。

ベルの膝から降りて王子の膝に乗り、ぎゅっと抱きついた。


「チハヤ…!」


感極まったように抱き返す王子。おとなしく抱きしめられておく。でもキスされそうになったので慌てて抵抗した。


「キスはダメ!!」


とジタバタもがけば団長が救出してくれる。そのまま団長にもぎゅう。


「驚かせて悪かったな。」

「ううん。ボクも『ニンゲン』が大人気って事忘れてたから、ちょっと面白がられるだろう、くらいしか考えてなかったの。それに…自分で思っていたより、知らない世界でひとりぼっちなのが辛かったみたい。」

「チハヤ様!!」


かのこちゃんがボクの手を取る。


「チハヤ様の辛さに気づけなかったなんて、侍女失格です。どんな罰でもお受け致します!」

「罰なんて言われても、自分で気づかなかい気持に気づかれてたら怖いよ?」

「ですが心を読んで主人を満足させるのがわたくしたちの勤めなのです。」


ニルスが侍従の心得を教えてくれるけど、ボクはそこまで望んでいない。


「かのこちゃんにはいつも癒されてるから、寂しさに気づかずにいられたんだと思う。だからかのこちゃんには褒められるところしかないよ。」

「「チハヤ様!!」」


団長の腕からするりと引き抜かれ、かのこちゃんとニルス、2人掛かりで抱きしめられた。主に抱きつくとかはアリなのか。ボクは嫌じゃないから良いけど。


騒ぎを聞いて交代時刻より早めに来たオロフが部屋に入れないまま外で待機していた事を知ったのは1時間くらい待たせた後だった。


オロフごめんね。

ブクマがジワジワ増えてるー♡

めっちゃ嬉しいです!

ありがとうございます!!

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