19 庭師の息子はモフれるか?
お読みいただきありがとうございます。
モフり魔 = 触り魔なせいで、だんだん変態度が上がって来てる?
ギャグだから適当に流してお楽しみ下さい。
そう言えば息子の服を貸してくれた庭師さんにお礼言ってなかった。
「勉強の休憩時間に庭師さんに会いたい。」
これは城内だからすんなり許可された。
今日は東側の植木の手入れを見習いの息子と一緒にしているそうだ。服を貸してくれた息子かな?
庭師の所へ行くと高い木に登って枝の剪定をしている人が2人がいた。
「こんにちはー!先日服を貸していただいたチハヤですー!お礼を言いに参りましたー!」
…あ。
驚かせてしまったようで小さい方の人影が木から落ちた。身体をひねって枝に掴まり、回転して体制を立て直した。猫だ。獣性の濃い、もっふもふのロシアンブルー!
1番下の枝に掴まった時、枝が折れた。
危ない!と思った時には身体が動いている。抱きしめて受け身を取って地面に転がった。
「大丈夫?」
抱えながらそう聞くと、猫獣人は鼻血を出した。
それもう飽きた。
向こうは初対面なので免疫が無いのは仕方がない、と自分を納得させる。
かのこちゃんに抱いていたら鼻血が止まりませんよ、と呆れられ引き離された。もふもふが…
「ああああの…なんで息子の服が必要だったんですか?こんなに可愛らしい方にお貸しするような服ではないでしょうに…」
「騎士団の訓練に参加するのに、スカートじゃ相手が手加減しちゃうかな、と思って。」
「き!騎士団の訓練!?」
「あ、今度、服を作ってもらう事になったから訓練は大丈夫なんだけどまた借りて変装したいな。」
にっこり。
「こんな俺の服で良いなら…いつでも貸すよ…ます。」
敬語苦手…可愛いなぁ。やんちゃぶってるロシアンブルーなんて堪らない!
「ボクはチハヤ。名前教えてくれる?」
「俺は…サリュー、です。」
…サリューも木から落ちる……
今!ボクの中におやじ遺伝子を発見した!!ヤバい!こんな可愛いおやじなんてヤバい!
我ながらイミフ。
立ち上がったサリューが顔を顰めているのに気がついた。足を痛めたようだ。落ちる途中でぶつけたのかも知れない。
「怪我したの?応急処置しかできないけど、見せてくれる?」
かのこちゃんにお医者さんを呼びに行ってもらって、その場で触診。痛めているのはふくらはぎ…?いや、猫の足だからここは土踏まず辺りになるのかな?骨に異常はなさそうなので打撲か肉離れだろう。ヒビ入ってないよね?
あぁ…ブラッシングしたい…
「チハヤ様は…息子に触れるのはイヤではないのですか?」
また獣性が云々?
父親なのに!?
と少しイラついた所でお医者さんが来たけど、お医者さんはサリューをチラ見して無視した。
イラッ!
「怪我人はこの子です。診ていただけますか?」
「ワタクシは高貴なる方々を診察するために努力を重ねて参りました。そのように獣性の濃い者を診察するつもりはございません。」
内心の不快感を隠して笑顔でお願いしたのに、医者は堂々と本音を語った。城勤めの医者なんだから優秀なんだろうけど…獣性の濃い者を下に見る傾向がある事は聞いてたけど!実際目の当たりにするとめっちゃムカツク!!
「では何故ここまでいらして下さったのですか?」
「チハヤ様にお会いするためです!国王陛下よりなるべく早いうちに健康状態を診察するよう仰せつかっているのです!!夢にまで見た人間の診察ができるなんて、これほど光栄な事はございません!!」
「ボクは獣性の濃度で人を差別するような人に肌を晒す気はありません。」
獣性の濃い人を優先するなら良いけどね。
「…それでは、この者を診れば診察を受けて下さるのですか?」
「ぼくの見立てでは打撲か肉離れですが、ヒビが入っていないとも言い切れません。医者ではありませんから。だからきちんとしたお医者様に診ていただきたいんです。お願いします!」
「あ、あの!オレは大丈夫です。この程度はいつもの事だし、チハヤ…様、がオレのために…そんな…」
言葉の後ろの方はごにょごにょと小さくなって行った。ボクはサリューの手を握って
「大丈夫だとは思ってるけど、ボクは獣性の濃い人が大好きなんだ。だから、サリューの怪我も心配なの。」
「そのような者の手を!チハヤ様、分かりました、診察させていただきます。」
ボクの反対側に膝をつき、痛む場所を聞いて足を触る。更に全身をきちんと確認してくれた。打撲で間違いないだろう、って。良かった。
肩を貸そうとしたけど断られて、半日休んだらまた仕事するって。獣性が濃いから回復も早いそうだ。気をつけてね、ともう一度手を握ってから別れる。お医者さんがぶつぶつ言ってるけど気にしなーい!
「じゃぁ、部屋に戻って診察お願いします。」
あ、ツッコミも大歓迎です!




