12 楽しいお風呂!
お読み下さりありがとうございます。
いつの間に脱衣所に着いたんだろう?
湯船のお湯はまだ少ないけどボクが小さいからもう入っても良いだろうと。
さっさと全裸になる王子。いつも侍従に洗われてるから浴室では羞恥心がなくなるらしい。ボクは、と言うと道場のお風呂にみんなで入ってたからやっぱり平気。
団長だけがタオルを腰に巻いてる。
しっぽの付け根の下で交差させてからしっぽの上をもう一度交差して前で結んでる。結ぶためのりぼんみたいな部分まである。あと、その持っている目の細かい網は?
「毛が抜けるから上がる前に掬うのがマナーだぞ。」
ここは侍従がやるからいらんと言われてそれは気が引ける、と揉めている。耳としっぽだけとは言え、もふもふだもんね。
「チハヤこそあれだけ尻を撫でられるのを嫌がりながら裸は平気なのか?」
「お風呂場なら平気。」
でもガン見はダメだよー!マナー違反だよー!
湯殿に入るとそこはタイル貼りの大きなお風呂で女神像みたいなのが担ぐ壺からお湯が流れ出ていた。
しっぽのないお尻を強調するかのようなポーズの赤ちゃん天使もいる。
耳が見えない髪型なのは想像できなかったからかな?
シャンプーはなくて石鹸で洗って香油を塗るそうだ。うー、髪の毛キシキシする…
王子がリアルに洗われている。
えぇ!?やっぱりそんなトコまで洗われちゃうの?
「チハヤ、洗ってやろう。」
「お断りします!!」
あんな洗い方されたくない!
自分で洗ってさっさと湯船に浸かる。
湯船には端に段があって座って半身浴できるようになっているのは向こうと一緒。だけど洗っているうちに通常の量まで溜まった水位ではボクは胸まで浸かれてしまう。ちょうど良いね。
ふにゃあ〜…
少しぬるめで気持ち良い。熱いのもそれはそれで好きだけど。
「団長、ホントはクマの獣人じゃないの?」
王子がぶふっと吹き出した。
だって筋肉すごいよ?
「耳もしっぽもクマじゃないだろう。」
「そうだけどさぁ。」
「チハヤ!私はどうだ?」
「王子は見たまんま、ネコ科の大型獣。」
嬉しいような残念なような…、と首を傾げている。程よく付いたしなやかな筋肉…めちゃくちゃかっこいいけど、絶対言わない!
「チハヤは…「言わなくて良い!」
被せてやった。
どうせボクはチビだし筋肉つかないし肌は白いし体毛も薄いよ!
「その見た目であれだけの動きが出来るのは驚嘆に値するな。潜入捜査ならまず間違いなく相手を油断させられる。」
その評価は新しい!そしてやって見たい!
「そんな危ない事をさせられるか!」
王子に止められたけど、
潜入捜査班もふもふ小隊!
うっとり…
隊員をガンガン鍛えるぞ!とガッツポーズ。
「やる気を出しても許可しないぞ?」
「でも護衛を鍛えるのは良いんでしょ?」
人さらいが出る峠で強化合宿とかしたいよねー。
そろそろ出るよ。
「王子、本当に変な事しなかったね。見直した!」
普通に楽しいお風呂だった。
スタスタと脱衣所に行くと、かのこちゃんが待ち構えていた。
「なんでーーー!?
お風呂は侍従の仕事でしょ!なんでかのこちゃんがいるの!?」
しゃがみ込んで体を隠して抗議する。
「かのこ?」
あ、とっさにあだ名言っちゃった。
「失礼なんだけど…ロリって前にいた世界では未成年の美少女代表の名前で、色々な含みがあって呼びづらいな、って。で、鹿の子の事をかのこ、って呼ぶから心の中でかのこちゃんて呼んでたの。」
あ、男なんだから下だけ隠せば良かったんだ。何となく全部隠そうとしてた。
それはともかく。
「恥ずかしいよぅ。」
涙目で訴える。
「侍女を気にする必要はございません。さあ、どうぞ。」
バスタオルを広げて待たれる。ムリです。恥ずかしいです。
「ロリ、無理強いするな。お前は肌の手入れですぐに交代だったろう。ニルスはどうした?」
なにそれ聞いてない!
「ジークフリート殿下、チハヤ様、申し訳ございません。愛する番のお願いを無碍にはできず…」
「それなら仕方ないな。」
許されちゃうの!?
え?番?
「嫌がられたら諦める、との約束ですから交代します。ロリ。」
「残念です…。」
かのこちゃんは残念そうにバスタオルをニルスに渡して脱衣所から出て行った。
ベソかきながら拭いてもらった。
はっ!!
何で自分で拭かなかったんだろう!?
えーっと…
……
深く考えるのやめよう。
しゃがんだ時のお尻が可愛かった、良いものを見たと、かのこちゃんが臨時ボーナスをもらったことはずっと後で知った。
王子が変態だなんて、この国は大丈夫だろうか?
体を拭かれた後、パンツの上にガウンを羽織って連れていかれた隣室で肌を磨かれた。
髪質や肌質に感動するかのこちゃんにひん剥かれて、結局見られた…
もふもふ小隊全員でお風呂に入ったら毛だらけで大変な事になりそう…




