表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第二章:茶会で宣言する、結婚拒否


 王都の貴族令嬢たちが集まる茶会。

 華やかなドレス、笑い声、そして、どこか皮肉めいた視線。


「あら、ベアトリクス様。今日もお美しいですね。王太子殿下も、きっとお喜びになるでしょう」


 声をかけてきたのは、ダリラの親友にして、貴族の娘のナターシャ。


 ──王太子との婚約話が、そろそろ持ち上がる時期だ。


 前世の記憶によれば、王太子ヴァレンティン・ルイ・シュタインバッハは、ベアトリクスに求婚する。

 形式的なものだが、貴族の義務として。

 そして、ベアトリクスはそれを喜んで受け入れる。

 だが、王太子はダリラを愛しているため、断る。

 それが屈辱となり、ベアトリクスの暴走の始まりとなる。

 なら、最初から断ればいい。

 私は立ち上がり、全員の前で宣言した。


「皆様、失礼いたします。本日、王太子殿下より婚約の申し入れがあると聞いておりますが──私は、それを断ることをここに宣言いたします」


 その場一体が凍りつく。


「な、何をおっしゃっているのですか、ベアトリクス様!」

「貴族の娘として、国のために結婚するのは当然のことではありませんか!」

「王太子殿下の求婚を断るなど、前代未聞です!」


 口々と言う貴族たちに、私は静かに微笑んだ。


「私の人生は、国や形式のためではありません。私は、自分の意志で生きたい。結婚は、愛する人とするもの。王太子殿下を愛していない以上、お断りするのは当然でしょう」


 ──そして、私はこう付け加えた。


「それに、王太子殿下には、すでに心を寄せる方がいらっしゃる。それを無視してまで結婚するなど、愚かこの上ありません」


 その場が、さらに静まり返る。

 そのとき、扉が開き、王太子ヴァレンティンが現れた。

 彼は驚いたように私を見つめ、やがて、小さく笑う。


「……驚きました。誰一人として、そうは言わないだろうと思っていた」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ