177 青竜の竜柱の入口②
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度、朝7時更新という短いスパンです。(土日の場合はお休みです)
たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと覗いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
では、どうぞ!
中は同じく真っ暗かと思いきや、そこは水の中のような辺り一面明るい透き通った水色の空間だった。
死神もいない。
息も吸える。
そして何より居心地がいい。
いつまでもここにいたいと思える場所だった。
だがリュカは顔をしかめる。
――とても居心地がよく気持ちがいい場所なんだが、なんだ? この違和感は……。
するとジンが、
「リュカ、極力息はするな。そして急いで出るぞ」
と言って走り出した。リュカも後に続く。暫くすると出口が見えてきた。そして出た瞬間、リュカはむせ返し、激しく咳き込んた。
「ゲホゲホゲホゲホ!」
――肺に水が入った!
ジンを見れば、ジンも同じ状態で、膝を突き四つん這いになり激しくむせかえっていた。
「だ、大丈夫……か? ゲホゲホ」
「は、はい……どうにか」
だがその後2人は、その場に座り込み、肺に入った水を出すまで咳き込み続けた。
どれだけ時間が経っただろう。落ち着いてからジンが話しかけた。
「死ぬかと思ったぜ。やはりあの場所は水の中だったみたいだな。それも思考を狂わせる作用が働いていたようだ」
「ええ」
――もしあのまま息をして居心地の良さに浸り、長いこといれば溺れ、命はなかっただろう。
侵入されないようにだろうが、味方も殺しかねないトリックだとリュカは眉根を寄せる。
「四竜も教えてくれてもいいのに」
ジンが文句を言えば、四竜達はさも当たり前のことだと冷たく応える。
『それは無理と言うものだ』
『我等が教えることはない』
『これぐらいのことで死ぬようなやつは来る資格はない』
四竜の言い方からして、わざと言わなかったようだ。四竜は国守玉の守護獣であり、国守玉の意思が絶対であるため、どれだけリュカ達が親しい仲になったとしても教えることはないのだと気付かされる。
「さすが国守玉の守護竜。忠実なことで」
ジンは苦笑しながら嫌みまじりにつぶやくと、立ち上がり周りを見渡す。
「ここが青竜の竜柱がある場所か」
リュカも同じく立ち上がり首を巡らす。
そこは、大きな鍾乳洞の中を何本かの川が蛇のようにうねりながら流れていた。だが水の流れる音はほとんど聞こえず、とても静寂な場所だ。そして地面を埋め尽くすほどの光り苔が蒼白く光っているため、周りは明るく、かなり奥まで見渡すことができ、神秘的な光景が広がっていた。
2人はその光景にしばらく見とれる。
「綺麗な場所ですね」
「ああ」
ジンは川に手を入れる。
「地下水か?」
すると青竜の意識体現れ応えた。
『そうだ。ここの水は地上に降り注いだ雨が何十年かけて濾過され、この場所に地下水として流れ込んでいる』
そこでリュカは青竜に訊ねる。
「青竜はやはり水の魔法を使うのか?」
『うむ。我は水の魔法を使う。そして少し浄化が出来る』
「そうなると、青竜の竜柱は、他の竜柱よりも魔障の影響を受けにくいということか?」
ジンが訊くと青竜は頷き返す。
『うむ。魔障に対して耐性はあるな』
「なるほどな。ならば青竜の竜柱はまだ無事だろうな。だがどうなっているか見る必要はある。さあ行くぞ」
そう言ったものの、果てしなく続く地下は、奥は何も見えず、四方八方ほとんど変わらない風景が広がっている。
「どっちに行けばいいんだ?」
「ですね」
「青竜、お前なら分かるだろう? どっちだ」
『んー。我でも正確な方向は分からないが、あっちの方に思う』
青竜は左の方を指した。
「またアバウトだな」
そう言いながら歩き出す。
「今日は解放はしないのですよね?」
「ああ。見るだけだ。ここは未知過ぎる。青竜が水にまつわる竜だけあり、もし解放して水があふれ出したら俺らは窒息死だからな」
確かにそうだとリュカも頷く。ここに来るまでの空間を考えても水は避けて通れないだろう。
そこでリュカは疑問を口にする。
「やはり竜柱はその竜の性質が大きく影響するということですか?」
赤竜の時もそうだった。赤竜は火の性質を持っているため、赤竜の竜柱は熱風が吹き荒れていた。
「そうだろうな」
「でも黄竜は何もなかったですよね?」
すると黄竜が話に加わってきた。
『わしは土の性質を持っているからな』
リュカはそこで嫌な予感がして訊ねる。
「黄竜、お前の能力はなんだ?」
『わしか? 得意なのは物体を石にするのが得意だぞ』
「……」
「……」
リュカとジンは目を細めて黙る。
「一番厄介なんじゃねえのか?」
「そうですね」
ジンが言うとリュカも頷き返す。
「あの時、何もしなくて正解だったな。もし無理して解放したら、俺ら石にされていたかもな」
「だと思います」
当の本人の黄竜は、
『何がいけないのだ?』
と言っている。そんな黄竜は無視し、青竜の竜柱を探すことにする。だが歩けど歩けど柱らしきものは見えてこない。右へ左へ行くが、やはりまったく見えてこない。
「どうなってる? あれだけ大きい柱なら見えてくるはずだろ。おい青竜、どういうことだ」
『我もよく分からぬ。竜柱になった時点で我等は意識を失い、そして体と分離させらられた時は、気付いた時は魔晶箱の中だったからな』
「本人でもわからねえってことか」
『気配は感じるのだがな。この近くにあるはずなのだが』
だがそこには何もない。
――見渡す限りうねった川が流れているだけだ。
そう思った瞬間、リュカはハッとする。
「もしかして」
そう呟いた後、目の前の川へと飛び込んだ。
「リュカ⁉」
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