表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
437/1785

431 街をつくり変えてみた

修正しました。

食道 → 食堂


 ボルゾイでの戦闘はサーキット施設2階のシミュレータールームで我慢してもらった。

 リアルで模擬戦ができるほど仕上がっていないからだ。

 本体に問題はなくても制御プログラムに不安がある。

 データが少ないと対応力も下がってしまうからね。


 そのため自動人形も同乗させて癖を掴み、自動人形でリアルファイトを再現させた。

 そうすることでデータを取ることにしたのだ。

 最終目標は搭乗者がリアルで戦えるようになることなのは言うまでもない。


 だが、それはもう少し先のことになるだろう。

 ボルゾイにずっと掛かり切りなんてこともしていられないからな。


 というよりは気になる報告を受けたので西方に行くことにしたのだ。

 危急という感じでもなかったので色々と手を打ちつつも、ついでの予定も入れている。

 新人さんの冒険者登録だ。


 あんまり大勢で押しかけると受ける側も大変なので分散することにした。

 メインはブルースたち元戦闘奴隷なんでね。

 50人以上の登録って洒落にならんし。


 彼等を引率する面子の頭数をそろえる都合上5組に分かれた。

 ミズキとマイカ、ジェダイト組、フェア3姉妹、月狼の友、ノエルとルーリアである。

 人数にバラツキはあるが、そこは連係などの面を考えてのことだ。

 均等に配置しても上手くいくとは限らないからな。


 俺が含まれていないのは別の面子を引率するからだ。

 トモさんと新妻のフェルト、それと妖精組の一部。

 カーラと子供組である。

 妖精組は着ぐるみではなく人化している。

 ラミーナだと目立つのでヒューマンで対応してもらった。


 付き添いの面子は俺と久々のお出かけメンバー3人組。

 冒険者の時は着ぐるみドルフィン・グレンなローズ。

 弟子1号のツバキ。

 無口な忠義者ハリー。


『なんか懐かしい感じだな』


 そんなことを思いながらも他の面子を転送魔法で異なる場所へと送っていく。

 ミズキとマイカは彼女らが登録した街。

 ジェダイト組は王都。

 フェア3姉妹はエリスが指定したブリーズの次に馴染みがある街。

 月狼の友は以前に行ったことのある街。

 ノエルとルーリアはルーリアがジェダイトの前に訪れた街。


 もちろん街の中にいきなり転送なんてことはしない。

 近隣の目立たない場所へ跳んでから街を目指してもらう。


 最後に残った俺らはジェダイトシティに寄り道した。

 このまま1泊して翌日にブリーズの街を目指す。


 事前に連絡を入れておいたので転送門の部屋に何名か待っていた。

 先頭に立つのは元王太子ガブローだ。

 目の下にクマができているのは激務に追われているからではない。


 報告があった問題はジェダイトシティで起きているのだ。

 とはいえ現段階で被害は出ていない。

 将来的にはその恐れがあるのだけど。


「お呼び立てして、申し訳ありません」


 俺らが転送してきた直後にこれである。

 かなり慌てているのが手に取るように分かる。

 相変わらず心配性な男だ。


「気にすんな。

 むしろちゃんと報告してなかったら大目玉だったぞ」

 俺が食らわせるのではなくガンフォールがな。


「ですよね」


 ガブローは苦笑している。

 既に報告してきた時点でデカいのを貰っているからな。

 それを知ってか知らずか後ろに控えている若いドワーフ+たちは震え上がっていた。

 こいつらは直接ガンフォールに鍛えられたことがある口だな。


「そんなにビビるなよ。

 報告はちゃんとしてるじゃないか。

 ガンフォールは対応が出来ないからというだけで怒ったりはしないぞ」


 一応はフォローしておくが、それくらいで震えがすぐに止まるはずもない。

 まあ、後々に影響するだろうから全くの無駄でもないだろう。


「爺様は一緒じゃないんですか」


 ガブローは孫だけあって、爺さんの性格をちゃんと把握しているな。

 これくらいで恐れたりはせずに質問してくる余裕がある。


「王都の冒険者ギルドに行ってもらった」


「なるほど、さっそく対応していただけたのですね」


 焦っている割に察しがいいね。

 ガンフォールには「まだまだ落ち着きが足りんじゃろ」と言われてしまう気がするが。


「まあな、ここに冒険者ギルドがあった方が都合がいいだろ」


 ガンフォールが王都の冒険者ギルドに出向く理由は新人の登録付き添いだけではない。

 むしろジェダイトシティに冒険者ギルドを設置するための申請に行くのが主たる目的だ。


「そうですね。

 今までならともかく、これからは必要です。

 ただ、部外者が頻繁に来ることになるのは想定外ですが」


 冒険者ギルドができる以上は確実に冒険者が訪れるようになる。

 最初は物見遊山な者が多いだろう。

 そこから徐々にダンジョンの評価に合わせたランクの冒険者たちが来るようになる。


 そう、ダンジョンである。

 突如としてジェダイトシティの間近にある坑道が迷宮化してしまったのだ。


 その一報がもたらされたのは昨日の夕食の直後であった。

 ガンフォールのスマホが着信。

 それで話し始めたのだが──


「なんじゃとおっ!?」


 突如として食堂に響き渡る怒声に食後の歓談がピタリと止んだ。

 俺だってビックリさせられたもんな。

 みんな目を白黒させていた。

 ガンフォールはそれどころではないようだったが。

 周囲の注目を集めていることなどお構いなしで怒気を発していたし。


「馬鹿者がっ!!

 お前が取り乱してどうする!」


 ついにはスマホに向かって雷を落としていた。

 電話の後で知ったことだが電話の相手はガブローである。

 急にダンジョンができたという報告を兼ねた嘆願だったのだ。

 まあ、嘆願と言うよりは指示がほしいという泣き言である。

 だからこそガンフォールも叱りつけていたのだが。


 その後はあれこれと指示を出すごとにガンフォールもトーンを落としていった。

 電話が終わってからは相談を受けて現在に至る。

 俺の結論がゆっくり休んでから準備をして西方へ行こうだったからだ。


 慌てる必要はないと判断した。

 ガンフォールがダンジョンの入り口を交替で見張る指示を適切に出していたし。

 野良の魔物が溢れ出すほど活性化しているような報告でもなかったし。

 なにより街中にダンジョンができた訳ではない。


 ならば慌てて駆けつけるより、英気を養いしっかり準備して行った方がいいよな。

 準備というのは冒険者ギルド設置の申請とダンジョンを調査する面子の確保である。


 前者はダンジョンができた以上、冒険者ギルドがないと不便が生じる。

 死傷者を減らすためには必須と言えるだろう。

 何も素材の買い取りや依頼の受発注の管理だけが冒険者ギルドの仕事ではない。


 依頼の調整やダンジョンの情報の管理が適切に行われないと危険なのだ。

 判断基準がないと無謀なことをする連中というのは増えてしまうからな。

 指定ランク以下の冒険者がダンジョンに入ることを防ぐだけでも死傷者は減るし。

 そういう訳で冒険者ギルド設置の申請をすることになった。

 王都の冒険者ギルドで受理が可能ということだったのでガンフォールに行ってもらう。


 続いて調査員の確保。

 こちらは迷宮化した坑道はかなり広いようなので頭数が必要だと判断したためだ。

 これは元戦闘奴隷50人余りを冒険者登録することで確保。

 戦闘経験があることでダンジョンでの訓練も進んでいたからだ。


 ちなみに彼等を分散させたのは色々なダンジョンを体験させるためでもある。

 ローテーションで軽く回らせて経験を積ませギルドの登録を待つ。

 状況によっては先行して潜ってもらうけどね。

 当面は俺が潜るだけでも大丈夫だとは思う。


 さて、ガブローが困っているのは部外者が多く訪れるようになることだ。

 色々と危惧しているようで。

 転送門など重要機密の漏洩をもっとも恐れているようだ。

 他にも外部に自分たちドワーフの技術が漏洩してしまうこと。

 あるいはモラルの低い人間が訪れることによる治安の悪化。


 心配性にも程がある。

 まあ、若くして責任者を任されたが故とも言えるのか。


「それで電話連絡した指示の通りにしてあるか」


「ええ、それはもちろん」


 ガブローがぎこちなく頷く。

 頼りなげに見えるが断言している。

 ダンジョン化していない坑道へ総員退避という指示は守られているはずだ。


 指示された側は俺の命令というだけで従ってくれたことになる。

 ありがたいことだ。

 それでも、不安や疑問はあるだろう。


「見張り以外は総員退避というのはどういうことなんでしょうか?」


 故にガブローのように困惑しながら聞いてくる。


「答えはこれから見せてやろう」


「はあ……」


 そんなやり取りをしながら街中を見渡せる城壁へと向かう。

 その間に初めての面子をガブローたちに紹介しておいた。

 全員が進化していることについては「ああ、やっぱり」というような反応だった。

 それでもフェアリーや半妖精については驚かれたよ。

 遭遇する機会がこれまで皆無であったことが影響しているんだろうなぁ。



 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □



「それじゃあ始めるぞ」


 理力魔法を使って城壁上部の櫓よりも高い場所へと飛んでいく。


「おー、飛んじゃうかぁ」


 感心しているのはトモさんだけだ。

 一方でガブローたちは腰を抜かしたようにへたり込んでいる。


『おいおい、これからもっと派手なことするのに大丈夫なのか?』


 失神とかして見逃したとか言わないでくれよ。

 まずは地魔法メタルワイヤーを使う。

 超極細で街の中のあらゆる場所へ張り巡らせて周辺を探索する。

 住民の退避が完了したとは聞いたが、確認は必要だ。


『生命反応……なし』


 オッケーだ。

 これなら心置きなく弄ることができる。


「まずは居住区画」


 空き家を分解魔法でさっくりと消す。

 半分以上が消え去ったことで更地が一部区画にできる。

 玄関に×印をつけてもらうことで判定したので空き家の把握は楽だった。

 残った家は倉へと回収する。

 これで更地が更に増えた。


「次は工房」


 居住区画と同じ方法で分解&回収。

 残りの地域は商業施設だが分解せずに回収。

 綺麗サッパリな更地となってしまった。


 元から区画整理がちゃんとされていたことで再構成もやりやすい。

 単純に縮小とは行かないが利便性も考慮して配置の最適化をシミュレート。

 必要な面積と土地の形状を導き出して外周部を地魔法で一気にドン!

 城の城壁を参考に壁を作った。


 壁の外側は堀で更に分断。

 水魔法で堀に水を流す。

 以後の供給に関しては地下水で行われるようにした。


 続いて壁の内側だ。

 最適化で導き出しておいた配置に回収した建物を並べていく。


「積み木より簡単なお仕事ですっと」


 再利用だから組み立ては必要ないもんね。

 実にエコである。


読んでくれてありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

下記リンクをクリック(投票)していただけると嬉しいです。

(投票は1人1日1回まで有効)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ