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リカーード!!
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イカのお寿司、やっぱきついっす。。。笑
リカードは剣ぐっと握りしめて構えると言う。
「それを待ってたぜ!変質・魔力を熱に!」
リカードは剣を一周振りぬいた。
リカードの周囲だけ温度が急上昇する。
「あつっ!温度上げたからなんだよ!」
グラディスはリカードの周囲が熱くなったことを無視して、光弾と共に切りかかる。
だが、そこで思いがけないことが起きる。
光弾がリカードをよけて飛んで行った。
さらに、自分の剣も曲がってしまっている。
グラディスは慌てて下がろうとしたが間に合わなかった。
「くそぉぉぉぉぉ!」
「残念だったな。蜃気楼だ。光は空気の温度差で曲がる」
リカードの魔剣アルケミストはグラディスのライトレイピアを根元から断ち切り、彼の胴へと吸い込まれていった。
アルケミストは刃で切るのではない。
変質魔法によって物質の接合そのものを断ち切るのだ。
切断面はこの世のどんなものよりもきれいになる。
「サヨナラだ。グラディス」
リカードはそう言うとブンと剣を振り切った。
魔剣アルケミストは刃で切る訳ではない。
物質の接合そのものを切断する。
さらに、アルケミストは切りたいものだけを切ることができる。
アルケミストが今切ったのはグラディスの筋肉。
彼は胴の筋力を失ったのだった。
グラディスはゆっくりと前のめりになるとそのまま倒れる。
「何て強さだ……。俺だって剣術の訓練は受けていた……!剣術で負けたことなど無いのに……」
「へぇ、お前森人族だったのか。
まあそれでも若い森人族なんだろうな。
俺の事を知らないのも無理はない。
俺の昔の名はレナード」
「レ、レナード……!あの、最強の男……?」
「そんな風に言われてるのか。だから、あの村は……。まぁいい。
俺に勝てれば歴代の森人族の中で最強を名乗れたんだけどな。
まぁ、とりあえず、この事件が終わってまだ生きていたら話そう」
リカードは最後に一撃、頭に剣を刺す。
殺してはいない。脳の状態を変質させて睡眠状態を作り出しただけである。
そして、リカードは剣を天へ掲げる。
剣先から徐々に魔剣は姿を消す。
「アルケミスト、お疲れ。アナベル……!」
リカードはアルケミストを突き立て、鉄の半球を消す。
しかし、その中にアナベルはいなかった。
図書館の屋根に穴を開けて脱出したようだった。
「アナベル……!一体どこへ……!うっ!」
リカードは自分の体に強烈な痛みが押し寄せているのを感じた。
「……エドガーさん。アナベルは探しておきますから……あとはお願いしますよ……!
俺はもう魔力が……いったんゾンビになります……!」
図書館の屋上には一体のゾンビが立ち尽くしていた。
「ここは……?」
ジャスミンは頭を抱えながら周囲を見渡す。
予期しない転移魔法にさらされると何千年と魔法を訓練しているジャスミンでも頭が痛くなってしまう。
ゆっくりと焦点が合い、周囲の状況がわかってくる。
ーー赤い絨毯、本棚……。ここは図書館ね……!
だが、ぼんやりする視界に突如、スーツを着た女の子と、角の生えた馬が飛んで来る。
「うひゃ!」
イヴは奇妙な声を出して、その二つの物体を間一髪でかわすと、自分の魔導書を開く。
「重力魔法・重力ネット!」
「ふぐぅ!」
飛んで行った物体の片方から変な声が聞こえる。
二つの物体はジャスミンの後方一メートルの空中に停止している。
重力を持ったネットが空中に広がり二つの物体を受け止めていた。
二つの物体はふわりと浮かぶと、まるでゴミを捨てるかのように地面に落とされる。
落とされた片方、金色の肌を持った馬は頭を振りながら立ち上がる。
もう一つの物体は長い髪を振り払うと、まゆを潜めて言う。
「ジャスミン!あんたちょうどいいところに来た!ちょっと手、貸しなさい!」
イヴは美しい顔に泥をつけて、それでも堂々と言った。
ジャスミンはイヴの顔についた泥を拭うと言う。
「あら、昔みたいに暴れてもいいの?」
「私が許可するわ。それよりもあんた、戦い方、忘れているんじゃないでしょうね?」
「まさか、あんたこそ、仕事ばかりでなまってるからあんな男に負けそうになるでしょ?」
イヴとジャスミンは手を組むとギラリとアルフを睨みつける。
「ふふふ、ふははは!やっと揃ったか!お前たち二人と戦えるとはな。
お前たちと戦ってかつて破れた汚名を雪ぐ事で俺の出世にも拍車がかかると言うもの!」
アルフは両手でシャツを掴むとバッとシャツを剥ぎ取った。
上半身はやけどだらけだった。
肩口からミミズのような火傷が全身に走っている。
イヴはその傷を見て笑う。
「あら、その傷!私の電撃を食らったのね。でも仕方ないじゃない。
軍は私たちの住む場所を焼こうとした。その反撃としては少し優しいくらいよ」
「ぬかせ!お前たちはこの王国の一部族に過ぎない!命令は聞くべきだっただろ!」
アルフは魔道書を構えると、即座に呪文を唱える。
「金属魔法・金属の森!」
アルフが呪文を唱えた途端、床がいくつも盛り上がり始める。
「あなたこそ、まだお灸が足りてないみたいね!ジャスミン、乗りなさい!」
イヴとジャスミンは麒麟に軽々とまたがると走り出す。
その判断はよかったのか。
図書館にはアルフの魔法によって次々と金属の柱が飛び出す。
艶かしい金属光沢が図書館を覆う。
急にカニミソが悲鳴をあげる。
「くそっ、金属との相性は悪い!」
「ふはは、そうだろう!まだまだ!喰らえ!」
カニミソは必死で逃げる。アルフは金属の柱を次々とたて続ける。
徐々にカニミソに金属の柱が迫り始める。
そして、最後の一発カニミソの腹に命中してしまった。
「きゃあ!」
ジャスミンとイヴはカニミソから振り落とされてしまった。
カニミソは魔法陣の中に逃げ込む。
二人は図書館の床に叩きつけられてしまった。
つまる声を無理やり出してジャスミンは慌てて唱える。
「幻惑魔法……!」
「遅い!金属魔法・拘束!」
「ぐっ!」
ジャスミンとイヴは地面から飛び出た金属の拘束されてしまった。
「よし。これで俺の勝ちだな」
アルフはうつ伏せで金属の拘束から逃れようとしているイヴのすぐそばに行くとその顔をゆっくりと覗き込む。
そして、足を思い切り引くとイヴの腹めがけて振り抜く。
「ぐっ……はっ……!」
「イヴ!」
イヴの口から血が溢れる。
「当時の俺はまだ、新人の将校だった俺が兵士たちの前でボコボコにされた屈辱。
忘れてないからな!残念ながら観客はいないが、いたぶらせてもらうぜ?」
イヴの体は金属の板に掴まれ、持ち上げられる。
「げほっげほっ……。あんたは私をこんな風に拘束しないと攻撃できないの……?この意気地なし……!」
アルフは血相を変えてイヴの腹に一撃を喰らわせる。
「ぐふっ……!」
「まずは、お前のそのような減らず口をきけなくしてやる。ジャスミンはその後だ」
そう言うとアルフは次々とイヴに拳を叩き込む。
イヴの口からは血が止まらない。
拘束されている金属はアルフのその拳の圧力に負けて少しずつ曲がる。
「おらぁ!」
アルフの渾身の一撃で金属の板が壊れ、イヴは吹き飛ぶ。
吹き飛んだイヴはお腹を押さえて全く動かなくなってしまった。
「ふふふ。あのイヴを……!こうしていたぶれる日が来るとはな……!金属魔法・人型」
アルフはイヴを改めて金属で拘束する。人の形をかたどった金属板にイブははめ込まれてしまう。
「ぐうう」
「よし。イヴ、そこで見ていろ。お前の教え子がいたぶられている姿をよく見てろ」
アルフはジャスミンにゆっくり近づくと手をかざす。
ジャスミンを拘束している金属が動き、ジャスミンの体を回転させる。
仰向けになったジャスミンは淡い笑みを浮かべていた。アルフはその笑みにゾッとする。
「貴様……!なに笑ってやがる……!」
「お前、自分の体をよく確認した方がいいわよ……?」
「は?」
アルフは自分の体を確認する。
だが、特に異常は見られない。
アルフは怪訝そうな顔をしてジャスミンを見る。
ジャスミンは幻惑魔法のプロ。
昔はよくはめられていたがそれはかかっている者が幻惑だと気付くことのできる魔法だった。
今では現実との境目が全くわからないほどの魔法となっていると噂で聞いていた。
ーーしかし、さっきジャスミンが魔法を唱えようとしたところは抑えたはずだ……。
ーー魔法をかけるタイミングはなかったはずだ……!
アルフは途端に自信をなくす。
「テメェ……何をした……?」
「何でしょう……?」
ジャスミンを拘束していた金属がすぅっと消える。
「なに……?」
アルフはいつの間にか肩に手を置かれていることに気がつく。
振り返るとそこにはイヴが立っている。その体に傷はなかった。
「なんだと……?傷がない……。ジャスミン……!
やはり幻術を俺にかけたな……!いつからだ……!いつから!」
「いつからでしょう?その瞬間は教えてあげない。あなたのためにならないもの。
私の魔法の神秘だから。そして、もう一度言うわ。あなたの体をよく見ることね」
ジャスミンはそう言うと指を鳴らす。
一瞬のめまい。
そして次の瞬間、アルフは体内からこみ上げるものを感じる。
体内を登るそれを耐えきれず口を手で押さえる。
指の隙間からは血が流れ落ちる。
「ぐふっ……!」
そして、自分がイヴの方に手を置いていることに気がつく。
自分の腹はめちゃくちゃにされていた。
あばら骨が何本も折れていることを感じる。
「何だと……?」
「あなた、自分のことを痛めつけるのが趣味だったのね?」
「違う!。俺はそんなことしない!くそ!俺とイヴは入れ替わっていたのか……!
いつから俺はイヴだった?」
「いつでしょう?それよりも、自分の心配をしたらどう?」
「は?」
ジャスミンは再度指を鳴らす。
図書館の天井の景色が揺らぎ始める。
アルフは天井に目を向ける。
そこには神々しい炎の鳥の姿があった。
「ふふふ、あなたが混乱している間に私はゆっくりと、たぬきちゃんを召喚できたわ。
この子、召喚するのに時間がかかるからね」
「こんな男にフェニックスなんて必要ないと思うんだけどね。それにここは図書館。本が燃えちゃうわ」
ジャスミンは呆れ顔でつぶやいた。
「あら、本は大丈夫よ。私がかけた魔法があるから。燃えたりしないわ」
「はぁ、いつもそう。何でそんなに自信過剰なのかしら」
「いまは、こいつを倒せれば何でもいいのよ!行きなさい!たぬき!」
「昔からネーミングセンスないわよねぇ……私の名前も含めてね……」
「キョェェェェェェェ!」
フェニックスはアルフに向かう。
超高温の体が近づくだけで金属の柱は溶け出す。
強烈な熱は周囲の景色を完全に歪めてしまっていた。
「うおおお!」
アルフは雄叫びをあげて魔道書をかざすと呪文を唱える。
「金属魔法・タングステンの壁!」
アルフはフェニックスの前に強固な壁を築く。
「たぬき!お前の力を見せてやりなさい!タングステンの融点は三千三百八十度!
その程度の温度、たぬきにとってはぬるま湯に等しい!」
図書館の中はイヴによる保護の魔法でキラキラと輝く。その中を優雅に飛ぶフェニックス。
「キョェェェ!」
フェニックスの咆哮。そして、思い切り息を吸い込み吐き出す。
高温の炎がアルフを襲う。
周囲の絨毯は焼け焦げ、床には日がついていた。
「ぐぐぐ……!タングステンでは足りないか……!くそっ……俺はまた、届かないのか……!」
アルフは熱に焼かれる。
強化魔法がかかっているとは言え、タングステンを溶かすほどの熱に耐えうるほどの皮膚は持っていなかった。
ゆっくりと前のめりになると倒れてしまった。
「よし。倒したわね」
「ジャスミン、魔法、もうといていいわよ」
ジャスミンはイヴにそう言われると再度、指を鳴らす。
メラメラと燃え盛っていた火は消え、フェニックスによって生み出された高温は、嘘のように消え去ってしまった。
「たぬき、お疲れ。帰っていいわよ」
「キョェェ」
たぬきと呼ばれたフェニックスはスッと姿を消す。
「はぁ、フェニックスが人を焼く?そんなことあるわけないじゃない。
フェニックスの炎は命のきらめき。
あの炎はフェニックス自身を燃やす炎であり、他を燃やすことはないのよ」
「まぁ、それもアルフの知識がなかったせいね。
まったく。私の幻術は最初からかかっていたのよ。図書館に入った人は全員ね」
ジャスミンは傷一つついていないアルフの体を見てウィンクする。
そんなジャスミンを見てイヴは困惑する。
「え?ちょっと待って。それって私も幻術にかかってるってこと?」
「さぁ。どうでしょう?」
ジャスミンはタタタッと走り出す。イヴはそれを慌てて追いかける。
「ちょっと!待ちなさい!師匠に魔法をかけるとはどう言う了見ですか?」
「見抜けない師匠が悪いんじゃないですか?それより、エドガーを助けてあげなきゃね!」
二人は追いかけっこをする恋人のごとく図書館を後にした。
アルダスとエドガーはゆっくりと息を吸う。
アルダス研究室の薬の匂いが鼻の中を満たす。
リリアンは二人の様子をみてゴクリと唾を飲む。
黙って立っているだけであるはずの二人から形のないプレッシャーを感じる。
不自然な静けさがこれから起こることの大きさを物語っていた。
「教授クラスの戦い……。この校舎、形を保っていられればいいんだけど……」
エドガーはゆっくりと口を開く。
「校舎は原型を留めなくても大丈夫だ。どうせ直る。それより、リリアン、そこにある杖を取ってくれ」
リリアンは訝しげに杖を取る。杖はかなり長かった。先端には
「杖なんて何に使うの?これまでそんなもの使ったことないじゃない?」
「杖は音を出して反射を聞くため、そして杖を原点に座標を決めるためだ。
物と会話できる今なら、杖を起点に座標を設定できる」
エドガーは自分の背丈よりも少し高い木でできた杖を受け取る。
何箇所か握っていたが、自分のしっくりくる高さを見つけ満足した表情をする。
「準備はできたか?エドガー?」
アルダスは余裕しゃくしゃくでエドガーの事を見ている。アルダスは続ける。
「お前たちにはここで死んでもらうぞ。
この大学の魔法結界はその後ゆっくり壊させてもらう。
俺たちにとってはお前が復活したことだけが唯一の誤算だったからな」
「お前に、俺が倒せるかな?」
「若造が!調子にのるなよ!」
アルダスは強化された肉体にものを言わせてスタードダッシュを切る。
エドガーはそれに合わせて杖を床にぶつけてカーンという高い音を部屋に響かせた。
「水の直方体」
エドガーのたった一言でアルダスの前には彼をとらえるのに十分な大きさの水でできた箱が現れる。
アルダスはかまわずそこに突っ込む。アルダスはほとんど速度を落とさず、水の中を突き進む。
「ちぃ!リリアン、下がれ!水の盾!」
「はい!」
リリアンは言われた通り、水の直方体から距離を取る。
すぐに、アルダスとの間に水の膜が張られる。
リリアンは、アルダスが急に赤く光ると水が一斉に蒸発するのをみた。
強烈な熱を持った蒸気が周囲に広がる。
リリアンは水の膜を通しているのに、熱を感じた。
水の膜が消え、蒸気が壁に開いた穴から抜けていく。
蒸気の中から現れたアルダスは火をまとっていた。
「リリアン、気をつけろよ。アルダスは炎魔法が得意のようだが、その源流は心理魔法だ。
人は昔から炎の自然なちらつきに惑わされてきた。
炎の中に神を感じ、生命を感じ、すべての始まりを感じてきた。
炎魔法の使い手はたいてい、催眠術を併用する!」
「そうだ。炎は原始の時代から人の心を惑わせてきた。
炎の動きはお前の心を投影するのだ。
炎魔法・炎の渦」
アルダスからエドガーを中心とした帯状の炎が現れる。
炎はエドガーたちを大きく囲むとうねりながら、彼らとの距離を急速に縮める。
エドガーは杖をカツンと鳴らす。
「この程度!水の渦!」
今度はエドガーが自分を中心とした渦を作る。
炎の渦と水の渦がぶつかり合う。
水と火がぶつかり混ざり合うと爆発する。
「まだまだ、足りないよなぁ?」
アルダスはどこから取り出したのか、ガソリンタンクを持っていた。
それを上に放り投げるとぱちんと指を鳴らす。
ガソリンは空中でアルダスの炎よって発火する。
だが、その間にもエドガーは研究室のスプリンクラーを破壊した。
水道から水を得たエドガーはにやりと笑う。
アルダスは火を、エドガーは水を周囲にたぎらせてにらみ合う。
今度はエドガーから動き出す。
「千の水弾!」
「炎の機関銃!」
炎の弾と水の弾が強烈に打ち合われる。
エドガーもアルダスも自分に向かってくる弾は確実に排除、かつ敵に死角を作らせるための布石を打つ。
打ち合いをしながらリリアンはエドガーを担ぐ。
リリアンは手帳サイズの魔導書を取り出すと叫ぶ。
「警察魔法・走力強化。エド、走るよ!」
「弾に当たらないよううまくやれよ!」
リリアンは部屋の中を走り回る。部屋の中は水と火の応酬で次々と穴が開く。
「あちちち!あっついあっつい!エド!ちょっと、何とかして!」
「何言ってんだ!お前、強化人になってるんだからこのくらい余裕だろ!
常人だったら焼け死んでる温度だぞ!」
「ええ?だったらエドはなんで平気なの!」
「俺は気化熱うまい事使ってんだよ!つべこべ言ってないで走れ!」
エドガーは背後に迫る火を打ち落とす。
「ほら、喋ってるから追いつかれてるぞ!」
「……自分で走らないくせに……」
アルダスは目を細めて二人を見つめる。
「ちょこまかと……!じっとしろよ!炎の庭園!」
アルダスを中心として研究室の床に炎が這う。
床にまき散らされた書類が片っ端から燃え始める。
研究室の中はオーブンになった。
一か所、研究室に大きな穴が開いていなければその温度は何千度にもなっただろう。
「炎の舞!」
「きた!まずい!リリアン、炎を見るな!」
エドガーは鋭い声で忠告する。
だが、それがまずかった。
リリアンは焦ってしまった。
すでに火の海になっている研究室の中で炎を見ないようにするためにきょろきょろしてしまった。
アルダスにとってそれこそが罠。
相手の心を操作し追い詰める。
「はわああ……!」
リリアンの目が徐々にうつろになる。
「リリアン、気をしっかり保て!炎に惑わされちゃだめだ!もはや、目を閉じろ!」
アルダスは苦々しくエドガーを見ている。
「ちっ、エドガー、運のいい奴め、失明しているから、俺の催眠術が通じないな」
「あは、あは、あはは!」
エドガーはリリアンの頭を叩く。そして目をふさぐ。
「見るなっ!ヤツの言いなりになっちまうぞ!」
「あはは」
エドガーは手のひらでリリアンが目を閉じたのを感じる。
「そうだ、みてはっ!」
だが、それは催眠術のかかった証だった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
エドガーは背負い投げの要領で思い切り投げられてしまった。
エドガァァァァァァ!!
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