表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
E-COREの少女と黒霧の侵入者  作者: 若路


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

第3話 天才ゴーレム修理士ミナ登場

昼下がりの食堂。

配膳ゴーレムが突然、火花を散らして停止した。


**バチッ!**


皿が床に散乱し、客が悲鳴を上げる。


店主が叫ぶ。


「また壊れたぁぁ!!」


その瞬間、

店の扉が勢いよく開いた。


「どこ!? どこが壊れたの!?

 うちの工場のゴーレムを壊すなんて、許さないからね!!」


赤髪の少女──ミナが飛び込んできた。


頭には大きなゴーグル。

今は額に上げているが、

興奮するとすぐ目元に下ろす癖がある。


腰の工具ポーチはパンパンで、

歩くたびに金属音が鳴る。


店主が泣きつく。


「ミナちゃん、頼む! また動かなくなった!」


ミナはゴーグルを“カシャン”と目元に下ろし、

ゴーレムをひょいと持ち上げた。


「ふん……どれどれ……」


背面パネルを開けた瞬間、

ミナの眉が跳ね上がる。


「うわっ、ひっどい配線!

 魔力流が逆流してるじゃない!

 誰よ、こんな無茶な使い方したの!」


エルンが皿洗い場から顔を出す。


「すみません……俺が急がせすぎたのかも」


ミナはゴーグル越しにエルンを睨む。


「皿洗いのくせに、ゴーレム壊すなんて100年早いのよ!」


エルンは苦笑した。


(皿洗いのくせに……また言われた)


---


◆ ミナの“職人の手”


ミナは工具を取り出し、

魔導刻印を素早く調整し始めた。


その手つきは迷いがなく、

まるで“コードを直接書き換えている”ようだった。


「刻印のバージョンが古いのよね……

 父さんの工場、またアップデートしないと……」


エルンは思わず見入る。


(……すごい。

 魔導刻印の構造を完全に理解してる。

 俺と同じ“技術者の手”だ)


ミナは気づいて振り返る。


「なに?

 皿洗いのくせに、修理に興味あるの?」


エルンは慌てて首を振る。


「いや……その……」


ミナは鼻で笑う。


「まあいいわ。

 あたしはミナ=ハートフィールド。

 父さんの工場で修理を叩き込まれた天才よ。

 魔導刻印のことなら、王都で右に出る人はいないんだから」


誇りと自信に満ちた声だった。


---


◆ エルンの“異常な修理”


ミナが修理を終え、

ゴーレムを再起動しようとした時。


**ピッ……ピピ……ッ……**


ゴーレムの魔核がノイズを発し、

再び停止した。


ミナが叫ぶ。


「なんで!?

 刻印は完璧なのに……!」


エルンはゴーレムの内部を覗き込み、

魔力流の“流れ”を見た。


(……ここだ。

 魔力流がループしてる。

 この刻印の書き方じゃ……)


エルンは指で刻印に触れ、

魔力流を“再ルーティング”した。


**《魔導刻印:手動パッチ適用》

《魔力流:最適化完了》**


ゴーレムが滑らかに立ち上がる。


「配膳モード、再開します」


ミナが固まった。


「……は?」


エルンは軽く言う。


「ここ、魔力流が逆流してたから。

 刻印の書き方が古いタイプで……」


ミナはゴーグルを上げ、

エルンの胸ぐらを掴んだ。


「ちょっと待って!?

 あんた、今なにしたの!?

 刻印の“手動パッチ”なんて、

 普通の技師でもできないのよ!!」


エルンは困ったように笑う。


「いや……なんとなく、分かっただけで……」


ミナは震える声で言った。


「……皿洗いのくせに……

 なんでそんな技術持ってるのよ……」


---


◆ アリアの反応


その時、

アリアがエルンの後ろから顔を出した。


「……エルン……すごい……

 エルンの……ひかり……

 ゴーレムにも……とどいた……」


ミナはアリアを見て、

さらに驚く。


「ちょ、誰この子!?

 魔核の光……おかしくない!?

 これ……E-CORE……?」


アリアはミナをじっと見つめる。


「……あなた……エルンの……なかま……?」


ミナは一瞬だけ言葉を失い、

すぐに胸を張った。


「そ、そうよ!

 あたしはミナ!

 エルンの……その……

 知り合いよ!」


アリアは小さく頷いた。


「……よろしく……ミナ……

 わたし……アリア……

 エルンの……ひかり……」


ミナの顔が真っ赤になる。


「ひ、ひかり!?

 なにそれ!?

 意味深すぎるでしょ!!」


エルンは慌てて話題を変えた。


「と、とにかくゴーレムは直ったよ。

 ミナのおかげで」


ミナはエルンを睨む。


「……あんたの方が直してたじゃない。

 皿洗いのくせに……

 なんでそんな技術持ってるのよ……」


エルンは答えられなかった。


---


◆ 黒霧の影


その時、

店の外で“黒い霧”が揺れた。


アリアの魔核が警告音を発する。


**《警告:黒霧パケット接近》**


アリアが震える。


「……また……くる……

 くろい……なにか……」


ミナはその様子を見て、

ただならぬ事態を悟った。


「エルン……

 あんた……何に巻き込まれてるの……?」


---


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回のお話はどうでしたでしょうか。

コメント、評価をしていただけると励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ