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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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王女と小さな預言者

王女再訪回です。


預言ではなく、確認。


未来は選び続けるもの。

王女リシェリアが森を訪れたのは、知らせを受けてから三日後だった。


「壊れない、と言ったそうですね」


王城で届いた報告は簡潔だった。


だが、胸の奥に残った。


壊れない。


森と王都が、一緒に。


森の入口。


前回よりも、足取りは軽い。


だが緊張はある。


今回は制度の確認ではない。


言葉の確認。


丘の上。


ソラが座っている。


精霊が、柔らかく揺れている。


ハルとルナが少し離れて見守る。


王女は膝をつく。


視線を合わせる。


「あなたが、言ったのですね」


ソラはじっと見る。


怖れはない。


「こわれない」


はっきりとした声。


王女の胸が揺れる。


「どうすれば、壊れませんか?」


王女の問いは、王族の問いではない。


一人の人間の問い。


ソラは少し首を傾げる。


言葉を探す。


「あわてない」


精霊が揺れる。


「とらない」


「いそがない」


短い。


だが森の芯。


王女は目を閉じる。


急がせない制度。


余白区域。


調整月。


正しかったのか。


迷いは消えない。


だが今、言葉が重なる。


「森と王都は、一緒になれますか?」


問いは率直。


ソラは首を振る。


「いっしょ、ちがう」


王女は目を開く。


「ちがう、けど、こわれない」


森は森。


王都は王都。


混ざらない。


だが壊れない。


ハルが静かに言う。


「真似しない」


ルナが続ける。


「奪わない」


レイナが腕を組む。


「急がせない」


言葉が、重なる。


王女は深く息を吸う。


理解した。


森は国にならない。


王都も森にならない。


だが、互いを急がせない。


それだけで壊れない。


「約束はしません」


王女が言う。


「ですが、選び続けます」


それが王女の答え。


ソラが笑う。


「あー」


精霊が、深く穏やかに揺れる。


未来は確定していない。


だが方向は定まった。


帰り際。


王女は丘を振り返る。


三年。


期限はある。


だが焦らない。


森は広がらない。


王都も止まらない。


それでも壊れない。


その未来を、選ぶ。

壊れない未来は、約束ではありません。


選択の積み重ねです。


森と王都は、違うまま進みます。


―― 月灯り庵

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