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第八話 〜わたくしの王子様〜

紅蓮です!

当作品読んでいただきありがとうございます。

感想を書いて頂いたり、お気に入り登録件数が増えているのを見て、秋雨も紅蓮も嬉しくて感謝の気持ちでいっぱいです。


では、当作品を楽しんでいってください。

あぁ…わたくし、ティアラはなぜこんなことになっているのでしょう?

「グウェ~!」




アリーナ様にお使いを頼まれて帰る途中、早く帰ろうと思い、森に入ったのが間違いでした…。

「グウルゥゥ・・・。」

まさかこんなところでグリフォンに会ってしまうなんて…。

グリフォンは上半身は鳥、下半身は獣の姿をしていて羽が生えている生き物です。でも基本的にグリフォンはこの国にはいないし、そもそもこんな大きなのなんて見たことがありません。最悪なことにグリフォンは会う確率は低いがかなり獰猛。会ってしまえば命が危ういと言われるほどなのです。

「ど、どいてちょうだい!私は今からそこを通るの!」

わたくしはなぜ鳥を説得してるのかしら?

混乱して訳が分からなくなってまいりました。

「グウェ~!!」

「だから!ど、どいてっていってるで、キャッ!」

ドシン!

グ、グリフォンの足が目の前を横切った!あ、当たったらどうなって た、のでしょう…。

ちなみに当たってしまった木は無惨に抉れてしまったようです。

ど、どうしよう…。今ので腰がぬけてしまったようで立てません…。

「も、もう、あっ、ちいってよ~・・・。」

「グウェ~ン!」

半場泣きながら言うが、完全に獲物と見られたようでグリフォンはなおも迫ってくる。

「だ、誰か・・・、たす、け、て・・・。」

そのときこの場合わない声が聞こえてきました。

「おりゃあ!」

「グエ!?」

声とともにグリフォンに何かが当たりたじろいでいます。

一体どういうことでしょうか…

「大丈夫?」

突然の出来事に呆然としていると、上から声がふってきました。

見上げると、長い黒髪を一つに結んだの男の方が目の前におりました。






どうやらこの方がグリフォンに何か当てて助けてくれようとしたようです。

「立てる?」

「こ、腰ぬ、けちゃて・・・。」

男の方は難しい顔をしてしまった。

うぅ…、そうですよね…。こんな状況で動けないんじゃ足でまといいがいの何でもないですものね…。

「グゥル~、ゥゥゥ・・・。」

申し訳なくてうつむいていると、唸り声が聞こえた。グリフォンが気がつき始めたようです。

このままではこの方もやられてしまう!

せめてこの方だけでも逃げてもらいたい!

「あの!」

「ねぇ、今から言うことをよく聞いてね。」

「あっ、はい。」

あまりにも淡々と言われて、つい返事をしてしまいました。男の方は起き上がり始めたグリフォンから目を離さずに告げられました。

「今からあれをなるべく遠くにやるから、頑張ってはってでも逃げて。」

「えっ!でもあなた様は・・・。」

「いくよ。」






「グウェ~ン!!」

少し離れたところでグリフォンの声が聞こえました。あの方は言葉通りグリフォンを自分に引き付け私を逃がしてくれました。でも、あのままでは確実にあの人が死んでしまう…。

わたくしのせいであの方が死んでしまうなんて絶対させない!

「誰か!誰かいませんか!」

早く!今わたくしが地を這いずって動いているのを見られてもいいから、少しでもはやくあの方を助けられる人を!

必死に声を出していると、人影が現れました。

「ティアラ!?あなたは、地面を這いずって何をしているの?」

「ア、アリーナ様~。」

わたくしの主、アリーナ様でした。

あぁ、よかった。アリーナ様だったらあの方を助けてくださる。

思わず涙が出そうになりました。






「アリーナ様!あの方は大丈夫でしたか?」

あの後、アリーナ様はあの方をグリフォンから救ってくださいました。ですが、やはり怪我をしてしまったようでアリーナ様が城で治療をしてくださいました。あの方にもしものことがあったらと、わたくしは治療中気が気ではありませんでした。

「もう、ティアラったら仕方ないわね♪そんな重症じゃないって言ったでしょう?」

「それは、分かっておりますが・・・。」

「ほ~んと、恋は盲目っていうとおりね♪」

「んなっ!」

運んでいる途中の出来事しか話していませんのに、アリーナ様はそれだけでわたくしの気持ちを見破られてしまいました。

…だって、だって、あんな自分を省みず見知らぬわたくしを助けようとしてくれる方かっこよすぎますっ!

「本当ティアラって可愛いわね♪」

「あっ、あっ、あの方に、お水を渡しに行って参ります!」

恥ずかしすぎて急いでその場を離れました。後ろからアリーナ様の笑い声が丸聞こえでしたが…。






部屋に行くとあの方は起き上がっていました。そしてわたくしの姿を見るとわたくしの安否を一番に聞いてくださいました。

なんてお優しいんでしょう!ご自分の方が危なかったというのに!

その後はあの方の質問にすべて答えさせていただきました。ただ一つだけ訂正させてもらったことはあります。あの方はわたくしのことを最初に『サルトさん』とお呼びになりましたが、そんな他人行儀に呼ばれるのは嫌です!『ティアラ』で押させていただきました!が、あの方も『さん』付けは譲っていただけませんでした。まあ、名前呼びにして頂いたのでよしとしましょう。

話しているとアリーナ様がいらっしゃいました。






あの方とアリーナ様がお話ししているとき、聞き捨てならないことを聞きました。

「アリーナ様は本当にお綺麗ですね・・・。」

なっ、なんですって!確かにアリーナ様は美人です、美人ですけどっ!やはり嫉妬してしまいます…。

「確かにアリーナ様はお綺麗ですが、人魚の方々の方がお綺麗じゃありませんか。」

つい、押さえきれず言ってしまいました。この世界で人魚の方々が美形なのは誰もが知っていることなのに…。

「すいません。私はセレナイトの田舎の方で育ったので人魚を見たことがないんです。」

「そうでしたの?では、一度人魚の国シェルタイトにいってみた方がいいと思いますわ。」

ここでやめとけばいいものをつい私はあの事を言ってしまいました。

「それに!アリーナ様は見た目と違って結構なおと「ティ~ア~ラ~。」

ビクッ!

し、しまった…。わたくしのバカ!余計なことまで…。

「ティアラ?」

「は、はい、何でしょうか?」

「お客様にお飲み物を出すの忘れてるわよ?」

「分かりました!と、取りに行ってきます!」

バタン…。

あ、危なかった…。少々殺気を感じました…。






飲み物を運んでいる途中重要なことを思い出しました。

「あの方のお名前を聞いていない!!」

バカでした…。好きになった方の名前を聞いていなかったなんて…。

戻ったら絶対に聞きます!絶対に!

こう決意しながらドアを開けるまであと少し。

そして男性だと思っていたあの方が女性だと知るのはそのよりもう少し先の話。


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