推しと私と運命の丘 その6
「お母様…?」
そこに居たのは亡くなったはずの私の母、ネヴィアだった。
母は微笑みながら私を見つめている。
「お母様…お母様ですよね?そうですよね?」
すると母は腕を広げた。
私はその意図にすぐ気がついた。
「…!おかあ…さま…!」
私は思わずその胸に飛び込んで抱きついた。母は優しく私を抱き締めた。
「わたし…わたし…!」
母は泣きじゃくる私を優しく撫でる。
そして微笑みながら口を開いた。
「大きくなったわね、私の愛しい子」
「はい…お母様…!」
「貴女を置いていってごめんなさいね…結局貴女を泣かしてしまった」
「いえ、こうして会えただけでも幸せです…」
「あぁこうして気遣える優しい子に成長してくれたのね…私はとっても嬉しいわ」
「お母様…私…」
「わかってるわ。アーサーと仲良くなりたいのね。でもそれなら貴女は最強の武器を持っているわ」
「武器…?」
「まずは貴女のその心、仲良くなりたいという信念は最強の盾。あと貴女の仲間、貴女を支えてくれる仲間は最強の矛。そして貴女のその微笑み、私とアーサー両方に似たその微笑みは最強の剣なのよ」
「…?」
「ふふっ。ちょっと言い方がアレだったかしら?でもね、既に貴女はアーサーと仲良くなれる要素を既に持っている。彼にかけられた呪いを解くことが出来る。…そうね、最後に私からお守りをあげようかしら」
「お守り…?」
「じゃーん!これ!なんだと思うかしら?」
そう言った母の手には、深紅の薔薇の髪飾りがあった。
「それは…?」
「ふふっ、これはね…アーサーから送られたものなの。これをこうして…うん!やっぱり似合うわ!」
母は私の髪に髪飾りを着けた。
ここで一つ疑問が生じた。
「これを…私が着けてもよろしいのでしょうか…」
「当たり前じゃない!貴女は私の娘なんだから。これといって何も残せなかった私からのせめてもの贈り物よ」
「お母様…」
「あら…もう来ちゃったの?…ごめんなさい、もうあまり時間がないみたい。」
「えっ…」
「最後に…もう一度だけ抱きしめさせて…?」
「…!はい、お母様…」
母は私を抱き締めてこう言った
「これから何があろうと、私はただ貴女を想い続けるわ…この地で…」
「はい…お母様。私も貴女をずっと…」
そして周りが白く光に包まれた
「…!ここは」
戻ってきた…?
しかしそこに居たのは
「姫様!」
「…レティ!」
居るはずのないうちの兵士に捕まった二人と
「………」
居るはずのない私の父だった。
いよいよ最終対決です




