058 色々と報告
「ねえ、この子は一体何なの?あなたテイマーにクラスを変えたの?」
俺がカーラヘと戻り、エレナのいる宿に入り、二言目に言われた言葉がこれだ。一言目は当然お帰りだ。ちなみにクラスについてだが、途中で変更することも可能だ。まあそうするとそれまで上げてきたそのクラスの固有スキルがすべて消滅してしまうからする人はほとんどいないが。
「話すと長くなるが、簡単に言うと砂漠の地下で拾ってきた。」
「捨ててきなさい。」
にべもなし。
だけどそんなこと言われても、いつの間にか獅子丸とパーティが固定されちまっててそんなことはできなくなってるんだよな。
その棟をエレナに伝えると、とりあえずそこで起こったことを話せといわれたので、地下で起こったことをすべてエレナに話した。ちなみに獅子丸という名前を言うとエレナに「あなたってネーミングセンス無いわね……」とか言われたが、自覚してるのでスルーしておく。
「事情はだいたい分かったわ。それで、その白い狼というのは結局何者なの?」
「知らねえよ。とりあえず長生きということくらいかな。」
「何も知らないのに引き受けたの?もしかしたらこの子があなたを裏切るかもしれないのに?」
「む、そういう可能性もあるのか。だがまあこれは飽くまでゲームだ。ゲームは楽しまないとな。後で裏切られてふははは愚か者めがー!とか言われるのも一興ってものだろ。大丈夫、責任は俺がとる。さ、飯にしようぜ。」
そうして俺は話を無理矢理終わらせると、エレナとともに飯を食いに宿の食堂へといった。
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「そういえば二週間後にイベントがあるらしいんだけど、あなたはそれに出るつもりはあるの?」
飯を食った後部屋の中で武器の耐久度を回復したり、掲示板を見たりしてのんびりしていたら、唐突にエレナがそう切り出した。
「イベント?何だそれは?」
「あら知らないの?二週間後にサイドルの街でPVPのイベントをやるらしいわよ。」
「……どこでやるんだそれ。俺の記憶ではサイドルにちょうど良さそうな場所はなかったはずだが。」
「そのために建物職人クラスの人がコロシアムのようなものを作るらしいわよ。」
随分と大掛かりだな。
しかしイベントか。エレナの話によると上位入賞者には賞金が出るらしい。それに誰が優勝するかのトトカルチョもやるらしく、貧乏な身としては非常に魅力的だ。
だが悪いがそれに出場するつもりはない。理由は、単純に興味が無いのだ。 それに恐らくだが今の俺ではあまり上位にはいけないだろう。
というのも、今の俺は体捌きなら他のプレイヤーよりも上をいってるであろう。だが、体捌きだけではどうにもならないような広範囲のスキルを使われたら俺自信の防御力はそんなに高くないからそれでもうおしまいだ。
その辺をエレナに話したら、非常に微妙な表情をしながら肯定の言葉を口にした。というか何でそんな顔をするんだ?俺としては当たり前のことを言ったはずだが。
「とりあえずあなたがイベントに出るつもりが無いということは分かったわ。それで、それとは別にお願いがあるんだけど、いいかしら?」
「お願い?どんなものだ?」
エレナが唐突にそんなことを言ってきたので、俺はそれを承諾する。さて、どんなお願いだ?
「お願いというのは、あなたの妹さんのアドレスを教えて欲しいのよ。」
「どうしてだ?」
「一応私はあなたの彼女な訳だし、妹さんに話を通して起きたいのよ。」
「そういうことならべつにかまわないが、覚悟しておけとだけ言っておく。」
「それはどういう意味?」
「さあな?」
俺はエレナの言葉に適当に返しながら妹のアドレスを教える。
アドレスを教えると、エレナはそこにメールを送る。
数分後、帰ってきたメールを見たエレナが渋い表情をした。うん、どんな内容かだいたい想像できた。
「あー、一応聞くが、どんな内容だ?」
「……とりあえずそのまま読むわね。『は?あの馬鹿の彼女?あいつから彼女が出来たとメールが来たときは嘘だと思っていたけど、本当だったんだ。あいつと付き合うとかどんな物好きか、顔が見てみたいわ。現実に戻って来たときの楽しみが』」
「そこまででいい。それ以上は読まなくて結構だ。」
うん、相変わらず俺の大嫌いな、可愛くない妹のようで何よりだ。
というか、昔妹に彼氏が出来たときも同じようなことを言ったので、その意趣返しだろう。
「ねえ、あなたの妹さんっていつもこんな感じなの?」
「俺に関係がある人にだけはああだな。まあ俺も似たようなものだが。」
「……何であなたたちが一緒に暮らせてるのか疑問だわ。」
まあ最初はそうだよな。イルカのやつも最初はそんな感じだったし。
その後、俺達は適当に雑談をした後眠りについた。ちなみに前は俺は床で寝たが、最近は同じベッドで寝てると言っておこう。俺は恥ずかしいから毎回抵抗するんだが、毎回押し切られちまうんだよな……
イベントについては、今のところは参加どころか観戦すらさせるつもりはありません。
ぐだぐたになるのが目に見えてるので。




