表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/62

050 荒廃した城下街

 この街もまたカーラと同じようにオアシスに形成された街のようで、中央に池があり、それを取り巻くようにして街が形成されている。

 ただし、カーラと違う点が何点かある。

 まず池の奥に城がある。地面も石畳で舗装されており、主要な都市であることが伺える。

 次に池の水についてだが、 これが見事に干上がっている。はて、ここはオアシスのはずだが。

 最後にこの街からは人の気配が一切しない。プレイヤーはもちろん、NPCの気配すらない。街の至るところに破壊された痕跡があるところも加味して考えると、何かしらの攻撃を受けたと考えるのが妥当だろう。そしてこのゲームで攻撃をする存在なんて一つしかない。魔王だ。おそらく魔王かその幹部がここを襲ったのだろう。


 「キキキッ!」


 そんなふうに考察しながら探索してると、不意に建物の影から一匹の猿が現れた。ただし、その猿は腕を四本生やし、二本ほど尻尾があるが。


 「キキッ!」


 その仮称四腕二尾猿はその四本の腕の爪で引っかこうと俺の方へと突っ込んで来る。ってこいつはええ!

 その予想外の速度に驚いたせいか俺の動きが一瞬遅れ、そのせいで四腕二尾猿の攻撃を完全に避けることができずにわずかにかする。

 だがダメージはそれほど無いようだ。どうやら攻撃力はそれほどでも無いようだ。だが俺はそれとはべつに視界に表示されたメッセージに唖然とする。 そこには、LG回復ポーションが盗まれましたとあった。

 どうやらこいつは強奪スティール系の技を使うようだ。


 「キキ〜ッ!」


 それを裏打ちするかのように、さっき奪ったであろうLG回復ポーションを四腕二尾猿はダメージなんか受けてないくせに見せびらかすように使いやがった。その行動は見ていて非常に苛立つものだった。よーし、こいつはぶち殺す!

 俺はそう怒りを燃やしながら、蜂蠍戦輪を四腕二尾猿に投げる。


 「キキ〜ッ!」


 しかし四腕二尾猿は事もあろうにそれを掴みやがった。

 ……そういえばこういうこともあるんだったな。砂浜のノコギリシザー以降いなかったからすっかり忘れてたよ。


 「キキッ!」


 四腕二尾猿は掴んだ蜂蠍戦輪を俺に向かって投げる。ええい!奴にできたんなら俺にもできるはずだ!

 俺は半ば自棄になりながら飛んできた蜂蠍戦輪を掴む。その際にダメージを受けたが、どうにか取り戻すことができた。

 さて、とりあえずこいつには接近戦をするのが無難かな。

 そう思い、俺は四腕二尾猿に近づき、接近戦をはじめる。

 だがこれもまた困難なものだった。まず奴には腕が四本あり、手数が違う。それに尻尾もうまく使ってまるで重力を感じさせない動きをするから、行動が読みにくい。

 そうなると当然避けきれない攻撃も出てくるわけだから、そのたびに所持品を奪われるわけだ。

 俺の攻撃も当たらないわけではないが、奴は回復系のアイテムを奪ったそばから使うため、それもすぐに回復する。このままではじり貧だ。

 うーん、こうなったら、目には目を、スティールにはスティールをだ。

 そう思い、俺は印を切る。


 「《変化の術》!」


 俺は《変化の術》を使い、四腕二尾猿の姿になる。さあ、戦いはこれからだ!



――――――――――――



 「キキィ……」


 ふう、ようやく倒せたか。

 俺はあのあとかなりの時間をかけ、四腕二尾猿を倒した。アイテムについては、奪われたそばから奪い返してやったためあまり減っていない。

 ドロップアイテムは、こうった。



――――――――――――



ダブルエイプの毛皮

レア度:5 重量:1

銃弾程度なら跳ね返すほど弾力がある。

しかし、斬激には弱い。



――――――――――――



 何と雑魚のドロップでレア度がウルフラムより上の5である。ここがかなり高レベルのフィールドないしダンジョンであることがわかる。

 それと、今回一つ分かったことがある。

 ずばり言おう。四腕二尾改めダブルエイプの姿を操るのは無理だ。

 考えても見てほしい。人間には本来二本しか腕が無く、それに尻尾も存在しない。四本の腕に二本の尻尾なんて操れるわけが無い。

 そういうことなら荒野のキャリークロウやクロムクロウはどうなんだという話だが、あれはまだ腕が翼になっただけだから比較的感覚も掴みやすかったため用意に飛ぶことができたのである。

 それに比べて今回は、人には無い器官であるため、操るのが非常に難しい。少なくとも戦闘中に体得できるレベルではない。


 「《変化の術》解除。」


 俺はひとまず《変化の術》を解除して元の姿に戻る。

 さて、探索を進めるとするか。

分かる人にはここがどういうところか分かると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ