041 砂漠の地下
次の日、俺は起きるとカーラの神託所で56SPを消費して《SG自然回復強化》スキルをとったあと、ベースチャクラムを買うために武器屋に来ているのだが、そこで今非常に悩んでいる。ちなみに新しいスキルで《SG自然回復強化》スキルをとったのは、ゲームの仕様上この先とるスキルの数が増えて来るだろうから、長い目で見た結果こうしたのである。といってもこれもスキルである以上SGを消費し、最初は強化量よりも消費量の方が多かったりする。これをとったのは本当に長い目で見た結果である。 さて、俺が武器屋で悩んでる理由だが、こんなのが売っていたからである。
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鉄のチャクラム
レア度:3 重量:1
攻撃力:30
売値:400G
鉄でできた切れ味の鋭いチャクラム。
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何とここに来てチャクラムが店売りであったのだ。今の手持ちより攻撃力が高いので、正直に言うと欲しい。今の所持金は、423Gなので、買えないことはない。
だがこれを買うと所持金が厳しくなる。それに俺の戦い方を考えると、一つだけ強い武器があってもあまり意味がないのだ。
俺は買わないことにし、砂漠の探索へと向かった。
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俺は砂漠の探索を何度か雑魚と戦いつつも進めていく。今回は、流砂に落ちるとどうなるかの確認をまずしたいと思う。
というわけで俺は今流砂の前にいる。まあ確認といっても、俺が直接行くわけではない。俺には《分身の術》というものがあるので、それを使わせてもらう。
「《分身の術》。」
俺はいつものように印を切り、《分身の術》を発動し、一体の分身を作る。そしてその分身に流砂ヘと向かわせる。
分身が流砂に入ると、すぐに中央までいき、飲み込まれる。ふむ、飲み込まれるということは即死系か?でも分身はまだいるようだし、そうとも限らないか。分身の有無については感覚でだいたいわかる。
そうして考えていると、いきなりLGが1/4ほど減り、分身が消えた感覚がした。
「うおっと、いきなりなんだ?即死系なら還元されないはずなのに。もしかして飲み込まれたあと何かあったのか?」
突然のことに驚きつつも、俺は考える。
まあ即死することはなさそうだから、とりあえず行ってみるか。
そう結論付け、俺は流砂に飲み込まれた。
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一瞬の息苦しさを感じ、それが収まると閉じていた目を開け、状況を確認する。
そこは、簡単にいえば洞窟のようなところだった。俺の前後に道が続いており、上からは砂が降って来ていることからおそらくあそこから落ちたのだろう。
洞窟の中なのに妙に明るいのは、光る苔だの黴だの茸だのがあるからだろう。こういうところでは、そういうのがお約束である。
「侵入者発見。排除スル。」
あたりを観察してると、不意に背後から機械的な声が聞こえた。
振り向いてみると、そこには大きさは人間と同じくらい、前進をつるりとした頑丈そうな白い装甲で覆っており、間接にはバネが使われている。顔には口がなく、目に当たる部分にはセンサーのようなものがついている。右手にはドリルを装着している。
端的に言うと、そいつはロボットだった。
「ドリル&ロボットキター!」
気がついたら俺はそう叫んでいた。らしくないのはわかるが、だってドリルにロボットだぜ?男の浪漫のダブルパンチだぜ?叫ぶのも無理はないと思う。
「排除スル。」
俺がそんなことを考えていると、ロボットが俺の方へと接近して来る。その動きはなかなか速く、荒野のダークウルフェンに匹敵する。
「排除スル。」
ロボットは俺の元へと接近すると、右手のドリルを突き出して来る。
「おらよ!」
俺はそれを避け、頭の部分に肘うちを食らわせる。
「排除スル。」
そうしてすれ違い、ロボットは方向転換すると、今度は両足から炎を噴出させながら接近して来る。その速度は当然ながらさっきより速い。
俺はそれも避け、右手には蜂蠍戦輪を出してロボットに投げる。
するとそれは左腕の間接に命中する。見た感じさっきの肘うちよりダメージがある。武器があるかないかの違いもあるだろうが、こういうのはやはり間接が弱いようである。
「排除スル。」
また方向転換すると、今度は右腕を突き出した姿勢で立ち止まる。
何をするのかと思い見ていたら、右腕の先についていたドリルが俺に向かって飛んできた。ロケットパンチならぬロケットドリルか。
俺はそれをやすやすと避けてロボットを見ると、その場から右腕を突き出した姿勢のまま動かない。
何だろうと不可解に思うが、同時に今がチャンスだとも思ったので、そこからはチャクラムジャグリングでダメージを与えていく。
少しの間そうしてると、ロボットの右腕の先端にさっき飛ばしたドリルが生えて来る。どうやら再装填されるらしい。
「排除スル。」
再装填がすむと、今度はロボットがまたドリルを飛ばして来る。これはもしかしてパターンに入ったか?
そう思いつつも俺はそれを避け、再装填されるまでチャクラムジャグリングでダメージを与えていく。
そんな感じでロボットとの戦いを続けていく。
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「おらぁ!」
俺はロボットに蹴りを叩き込む。
あれから10分ほどロボットと戦っている。
ロボットの行動パターンは、最初の三つの動きをランダムでするというものだ。
この三つの行動にはそれぞれ違った予備動作があり、非常に読みやすい。これがフィールドボスだとしたら、ちょっと物足りないくらいだ。
俺がロボットに蹴りを叩き込むと、ロボットは方向転換する。ここまでは今までと一緒だが、このあとがちょっと違った。何とロボットが煙を吹き出したのである。ショートでもしたか?
「ピピガガガピガピピピガガガピガピガガ……」
ロボットはそう壊れたような音を発しながら俺の方へと突っ込んで来る。それはこれまでのとは違い、右のドリルをあたり構わず振り回しながらのものだった。うん、ものすごく嫌な予感がします。
俺はその嫌な予感に従い、ロボットから逃げる。
「ピガガガガピガピガピピピピ……」
暫くロボットから逃げていると、不意にロボットが相変わらず壊れたような音を発しながら立ち止まる。
そして次の瞬間、ロボットは爆発した。うわーお、爆発して終わりとはロボットらしいといえばらしいが、普通それを洞窟でやるか。ゲームだからこそできることだな。
ロボットの往生際の悪さに若干引きながらも、ドロップアイテムを確認する。
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機械兵の装甲
レア度:3 重量:2
防御力:10
カーボンナノチューブと呼ばれる素材でできており、非常に頑丈である。
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カーボンナノチューブとはまたすごいのが出てきたな。
にしても、フィールドボスにしては弱かったな。いや、でもボスならもっとドロップアイテムがあるはずである。ということはもしかして……
「侵入者発見。排除スル。」
俺のその嫌な予感を裏付けするかのようにまたロボット改め機械兵の声が聞こえた。声がした方を見てみると、案の定また機械兵がいた。どうやらただの雑魚だったようである。
「……ああもう、わかったよ、戦うよ、戦えばいいんだろ!」
俺はそう叫びつつ再び機械兵と戦うのだった。
ロボットもドリルも男の浪漫だと思います。




