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029 ごろつきの依頼-2

 「おまえはまたこんなところで寝てるのか。」


 朝目を覚ましてまず最初に見たものと聞いた音は、呆れ顔のイルカがこんなことを言う声だった。前にもこんなことがあったな。


 「イルカか、おはよう。」


 「おはようじゃなくてだな……はあ、まあいいや。それよりリーダーが今日は俺らと行動しろと言ってるんだが、どうだ?」


 なんかため息つかれたし。最近こういうこと多いな。


 「あー、そのお誘いは嬉しいんだが、今日はちょっと用事があるから無理だ。」


 「用事ってえと、またエレナに防具の修復でも頼むのか?」


 「違う。今日はちょっと火山に行こうと思っている。」


 「はあ!?火山!?何でそんなところに行くんだよ!?」


 俺が今日の目的地を言うと、イルカがそんな素っ頓狂な声をあげた。まあ当然の反応だな。


 「ちょっとごろつきに絡まれてさ。流れでこうなっちまった。」


 「おまえさ、そこは断れよ……」


 「ここはやって見るのも一興かと思ったんだよ。」


 「ああもう、おまえのことはもう諦めるよ、リーダーにも今日は無理だと伝えとくよ。」


 イルカはそういうと、去って行った。さてと、俺も腹ごしらえをしたら行きますか。



――――――――――――



 俺は今、パトブレの街の西にある火山の前にいる。というか暑さがぱないです。リアルなら服が絞れるレベルの汗をかきそうです。手前でこれだから、中に入ると暑いというより熱いのほうが適当かもな。

 俺は火山の中へと入って行った。



――――――――――――



 火山の中は、従来のゲームのダンジョンのように何層かでできているようであり、今いるところはおそらく第一層というべきところだろう。地面は所々裂けており、そこからは赤いマグマが覗いている。そこに落ちるとどうなるかは、想像に難くない。そしてこの中は、予想通りの熱さ(・・)だった。LGを見ると、少しずつ削れてる。これは《LG自然回復》スキルでもとったほうが良かったかな。まあいい、あれの出番だな。

 そう思い、俺はアイテムポーチから低温薬を取り出し、それを飲む。すると体感温度がだいぶ下がり、LGの減少もなくなった。どうやらこの対策は正解だったようだ。

 そうやって自画自賛してると、《気配探知》スキルにより右の方にモンスターの気配を感じたので、そこから移動系のスキルをフル活用して離れる。

 だが向こうも俺に気づいたようで、追って来る。一応《隠蔽》スキルを発動してるのだが、さすがは終盤のダンジョンというべきか、ここではほとんど意味が無いようだ。

 俺を追って来ているモンスターを確認しようと振り向くと、そこにはマグマを人の形にしたモンスターがいた。追ってきてはいるが、スピードはそれほどでも無いようだ。

 そう思い、少し油断したのがいけなかったのか、仮称人型マグマを《観察》スキルで見ていると、両手を横に広げた。すると、その背後からマグマの津波が迫って来る。ってマジかよおい!

 俺は人型マグマを見るのをやめると、再び全速力で逃げ出した。だが、マグマの津波の速度は俺よりも速く、徐々にだが距離が詰まっていく。

 そうやって逃げていると、次の瞬間なぜかこうやって逃げるのは危険だと思い、その場を《跳躍》スキルで思い切り右へと跳ぶ。すると次の瞬間、俺がさっきまでいた場所にマグマの柱が出現する。あ、危なかったぜ。さっきのは《直感》スキルか?やれやれ、とっておいて正解だったぜ。

 そのあとも俺は必死に逃げる。《直感》スキルで危ない道を避け、様々なスキルを駆使してとにかく逃げる。戦うという発想はない。どうせ勝てないのだから。

 そうやって逃げつづけ、人型マグマを撒いた頃には、満腹度を除くすべてのゲージがほぼ零になっていた。



 あのあと俺はLGとSGをポーションを飲んで回復したら、再び火山の探索を再開した。PGだけ回復しなかった理由は、《PG自然回復強化》スキルのレベル上げというのもあるが、PGの回復ポーションは他の二つと比べて高価なので、できるだけ節約しておきたいのだ。



 底にマグマがある裂け目を飛び越えようとし、瞬間嫌な予感がし、それをやめる。すると、目の前の裂け目からマグマが吹き出す。おいおい、こんなトラップもあるのかよ……

 マグマが吹き出すのをしばらく眺め、それが治まると、そこにはさっきも見た人型マグマと炎を纏った岩石でできたざっと俺の倍はあるであろう人型のゴーレムがいた。

 人型マグマが両手を広げてマグマの津波を召喚し、仮称火炎ゴーレムがその巨体からパンチを繰り出す。


 「……ふざけんじゃねー!!ここは地獄か!!」


 俺は思わずそう叫び、再び命懸けの鬼ごっこが始まった。



――――――――――――



 俺は人型マグマが召喚したマグマの津波から必死で逃げ、時々来る火炎ゴーレムの攻撃を避け、どうしても避けられないものはやむを得ず《変わり身の術》で避ける。

 そうやって逃げていると、いつの間にか低温薬の効果が切れたのかLGが少しずつ減りはじめていたので、俺はもう一つあった低温薬を飲む。

 その行動が致命的なものとなり、《直感》スキルの導きに従って避けていたモンスターとエンカウントしてしまい、逃げてる先に人型マグマが現れる。その人型マグマもマグマの津波を召喚する。


 「こんなのどうやって裂けろっていうんだよ!」


 俺はその叫びと共にマグマに飲み込まれ、そして俺は死に戻りした。

これは例えるならばレベル1の勇者がラスダンに挑むようなものです。こうなるのも当然です。

最初の人型マグマを撒いたのもほとんど奇跡です。

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