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カードと孤児院

翌日

「よく来たな…ビーノでいいのか?」

「ええ、それとこの子が私の妹のサフィーアよ。」

相変わらずサフィーは私の後ろに隠れている。

「え、えっと、サフィーアです。…サフィーって読んでください。」

「そうか、分かった。サフィー嬢、魔神教の討伐、ありがとう。」

「え?私戦ってませんよ?」

そうか、サフィーには話してなかったね。

私は小声で、

「アルスのことよ。」

サフィーが目を見開く。

私は、ペンダントを外す。

「お姉様!?」

「安心してくれ、君達が女王候補であることは承知だ。…ああ、討伐依頼も出さない。」

「…本当ですか?」

サフィーはまだ、信じきれていないらしい。

「大丈夫よ、例え討伐依頼が出されても私が守るから。」

「…はい。」

まだ心配かな?

私は、サフィーを抱きしめる。

これなら、安心してくれるはず。

「あー、いい雰囲気な所悪いが、ギルドカードを渡してくれないか?」

「ああ、ごめんなさい。えっと、これね。」

私は、二人分のギルドカードを差し出す。

ギルマスは、カードを受け取ると、机の中から新しいカードを取り出す。

「これが、君達の新しいカードだ。」

「ありがとう。」

私は、カードを受け取る。

少しだけ豪華になったかな?

「それと、これが昨日言っていた手紙だ。」

「ふーん」

紙が白い。

この世界では、白い紙は高価な物だ。

何か知らないけど、大切な事が書かれてるんでしょうね。

「そうだ、ギルマス。あんたの名前ってなに?」

「俺の名前か?俺は『レクス』だが…」

「レクスね…ありがとう。」

もうここに用はないかな?

「あ、あの。」

ん?サフィーが自分から話しかけるなんて珍しい。

「どうした?」

「本当に、討伐依頼を出さないのですか?」

「ああ、女王候補とはいえ、魔神教を二人も討伐している。それに、一人はあと少しでAランクになるとこだった。君達はギルドの恩人だ、出さないと誓おう。」

なるほどね…

魔神教を討伐すればギルドに恩を売れるわけか…

フフフ、これは使える。

「さて、帰りましょうか。サフィー、まだ何か聞きたいことある?」

「もうありません、帰りましょう。」

「それじゃあ、さようなら。」

私は、返事を待たずに部屋を出た。





「本当に大丈夫でしょうか…」

「んー、わからないわ。」

もし、討伐依頼が出されてもサフィーだけは守る。

「最悪、森の奥とか、あの山脈に逃げ込めば人間達は追ってこないでしょう。」

「そうですね。」

「もし、討伐依頼を出されたら、じわじわと人間の力を削るわ。」

サフィーは、不思議そうな顔をしている。

じわじわと人間の力を削る、つまり、村を襲ったり。商人を襲ったり。街の重役や貴族を殺すとかだ。

まぁ、軽い妨害を繰り返すだけだ。

経済的に疲弊すれば、周囲から狙われる。

そして、戦争に発展するだろう。

そのすきに、どこか遠くに行けば私達はやり直せる。

「ギルマス、判断を誤るなよ。」

この国を滅ぼしたくなかったらね…

「お姉様、他のお姉様の情報を聞かなくね良かったのですか?」

「ん?どうせ大した情報は得られないわ。期待するだけ無駄よ、無駄。」

「辛辣ですね…」

それに、情報なら次に行く交易都市で探せばいい。

交易都市…物の行き交いが激しい街、商人が多そうだ。

商人が多いって事は、商人が持ち込む情報が多い。

商人は金、物、情報を運ぶからね。

姉達を探すためにも、早く交易都市に行きたいわね。

「ビーノさん!」

「マラフィ…今度はどうしたの?」

「もうすぐ交易都市に行くって本当?」

ああ、そのことね。

「ええ、早ければ明日にも出発すると思うわ。」

「そうですか…でしたら、今から孤児院に行きませんか?」

「孤児院?いいけど、どうするの?」

「取り敢えずついてきてください!」

私達は、マラフィに引っ張られて、孤児院ヘ向かった。







「ええ!もう行っちゃうの!?」

孤児院について早々リララが大声を上げる。

「早ければ明日にも…」

「分かった、みんな〜来て〜!」

リララは、孤児院の子供たちを呼ぶ。

「ビーノお姉さん、もう行っちゃうんだって。」

それを聞いた子供たちは、

「ええ〜!」

「もうちょっとだけ居てよ〜。」

「行くのはサフィー姉ちゃんだけでいいのに…」

うん、最後怪しかったよね?

サフィーは大丈夫…

「なんですって?」

あ、ブチ切れてらっしゃる。

「ヒィ!」

「サフィー姉ちゃんが怒った!」

「逃げろ!!」

「私から逃げられると思うなよがkッ〜!?」

私は、サフィーに拳骨を落とす。

「子供相手に情けないわよ。」

「だって〜」

「だってじゃないでしょ。そういう事するから嫌われるのよ。」

何せ、サフィーは私が孤児院の子の頭を撫でてあげたり、優しくしたとき、殺気を向けてたからね。

嫌われてなくても怖がられてるはずだ。

「もっと小さい子に優しくしなさい。」

「むぅ〜!」

「そんな事しても駄目よ。」

「うぅ、ロリコン姉様の馬鹿!」

ロ、ロリコン!?

わ、私は小さい子に優しいだけでロリコンじゃない!

「サフィー、私はロリコンじゃないわ。」

「お姉様、私みたいな小さい子が好きだって言ってませんでした?」

「い、言ってないわよ?」

「そうですか?じゃあ私のどこが好きなんですか?」

やばい、この喧嘩勝てないかも…

「と、取り敢えず、その話は後でお願い。」

ナイス!リララ!

「じゃあお別れ会でもしましょうか。」

こうして、孤児院で即興のお別れ会が始まった。

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