孤児院襲撃
お待たせしました。これからは、一日起き投稿します。
誤字、脱字がありましたら報告していただけると幸いです。
「どうします、お姉様?」
宿屋に帰ってきた私達は、魔神教について話し始めた。
「どうするも何も、まずは情報を集めないと何もできないわ。」
「戦うのですか?」
サフィーは不安そうだ。
「それは、あちら次第。魔権を強制解除したことは気付かれてるはず。もしかしたら攻撃してくるかもしれない。」
「確かに…だから情報収集をするのですね。」
「ええ」
もし、魔権を掛けた相手を把握しているのなら、時間は少ない。どれだけの情報を手に入れられるか…
私は、情報収集に使えそうな所は無いか考える。
「情報収集のテンプレと言えば酒場だけど…」
「嫌です!」
「だよね…サフィーはお酒の臭いが嫌いだものね。」
サフィーはお酒の臭いが苦手なので、酒場は無し。
冒険者ギルドもお酒の臭いがするので無理。
「ローケンに頼んで見るかしら?」
餅は餅屋。商人のローケンならいい情報を手に入れてくれるかも。
私達は、ローケンがいる店に向かった。
「魔神教についてですか?」
「ええ、もしかしたら攻撃してくるかもしれないの。その前に少しでも情報を集めて置きたいの。」
「…わかりました。お気おつけて。」
そういえば、ローケンって魔神教と何かあったんだっけ?
「ごめんなさい。」
「構いませんよ。ただ…」
「ただ?」
「魔神教が攻撃してきたら、必ず生き残ってくださいね?」
「わかってますよ。まだ死にたくありません。そのために情報を集めてるんですから。」
ローケンは、魔神教に大切な人でも殺されたのかな?
だとしたら、ローケンのためにも死ねないね。
「サフィー、どこか行きたい所ある?」
「商店街で、何か食べたいです!」
「わかったわ、また来るわね。」
「はい、お気おつけて。」
私が店から出ようとした時、
「アリー…」
ローケンの呟きが聞こえた。
人間より、遥かに高い聴力を持っている私だから聞こえた程の小さな声。
私は特に触れずに店を出た。
「魔権が強制解除されたのはここか…」
どこにでも居そうな旅人風の男が、孤児院の前に立っていた。
その時、孤児院から二人の女性が出てくる。
「ビーノさん達、大丈夫かしら?」
「きっと大丈夫よ。一度魔神教と戦って、もっと言うと勝ったんだもの。今回も、何とかなるんじゃない?」
「だといいけど…」
魔権を解除したのはそいつか。
ビーノとか言ったか?
魔権を強制解除し、一度魔神教に勝利した事がある…
想像以上に危険かもしれない。
早めに不安の芽は摘んでおくか。
その男は、マラフィが去り、リララが孤児院に戻った後、孤児院の中に入って行った。
「んん〜!この、チューズ入りチロズ美味しいです!」
「そうかい!これは昔勇者様が考案されたレシピ何だ。美味いに決まってる。」
なるほど、それでこのチロズ、チュロスみたいなのか。
チューズもチーズだし…
「ん?あれは、マラフィかしら?」
マラフィがこっちへ走って来ていた。
「やっと、見つけました!」
「どうしたの?ずいぶん焦ってるみたいだけど…」
「リララが、リララが連れ去られたの!!」
「なんですって!?」
リララが?
…まさか魔神教!
「わかったわ!私達は一度孤児院へ向かうから、マラフィは冒険者ギルドに!」
「はい!あっ」
「どうしたの?」
マラフィは深刻そうな顔をして、
「魔神教が、ビーノさんに言っていたそうです。『一人で来い』と…」
はぁー
こんなところでテンプレ発動しないで欲しいわ。
「お姉様、私は…」
「ついてきて。」
「いいのですか?」
「大丈夫、なんとかするわ。」
相手は魔神教。
サフィーが居たほうが安全だ。
「場所はスラム街の旧教会だそうです。案内しましょうか?」
「ええ、お願い。」
魔神教か…これ以上関わりたくないわね。
そうだ!
「ペンダントは見た?」
「いえ、ペンダントは隠されていたので…」
「そう…」
魔権は精神誘導系ということしかわからない。
あっちの情報がない以上、警戒したほうがいいわね。




