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私は誰?

やっと第一章の最後で言っていた事が書けました。

誤字、脱字がありましたら報告していただけると幸いです。

「ビーノ様、元気がないようですが?」

「サフィーに嫌われた。」

「なるほど、それで。」

サフィーに嫌われた。

どうすればサフィーと仲直りできるだろう?

前世の私ならどうしてたっけ?

う〜ん、思い出せない。

『私』って何だっけ?






え?






私の名前…思い出せない。

妹の名前…思い出せない。

親の名前…思い出せない。

友人の名前…思い出せない。

何も…思い出せない。

今は覚えてるのは、現代の知識と、妹がいた事とか、家が一軒家だった事とか、通ってた大学はかなり自由なところだった事とか、よく見てた好きだった俳優の名前とか、それくらいしか思い出せない。

そんな、どうでもいいこと以外思い出せない。

私が、私じゃなくなってる?

『私』って何?

思い出せない。

「…………さ………」

思い出せない。

「…………さま…」

何?

「ビー…………えさま…」

誰?

「ビーノ……えさま…」

サフィー?

「ビーノお姉様!?」

「ヒッ!」

私は、思わず椅子から転げ落ちてしまう。

「大丈夫ですか!?ビーノお姉様!」

「だ、大丈夫よ、よよ。」

体の震えが止まらない。

私の体を震わせているもの。

当然寒さではない。




恐怖だ




「お姉様…」

私の前には、毛布を被り震えているお姉様の姿がありました。

お姉様は、私のせいで震えている訳ではないようです。

もっと、ナニカ恐ろしい事に気付いてしまった。

そんな、震え方です。

トントン

「ヒッ!」

ドアをノックする音に、“あの”お姉様が悲鳴を上げます。

私は、ドアを少しだけ開けます。

「ビーノ嬢の様子はどうだ?」

ガッスさんがいました。

「変わって、ません………ずっとナニカに怯えてるみたいに震えてます。」

「そうか…分かった。取り敢えず出発は明日に延期になった、今日はゆっくりしてくれ。」

「ありがとう、ございます。」

それだけ言うとガッスさんは帰って行きました。

「お姉様…出発は明日に延期になったそうでよ?」

「そ、そそ、そう、ああありがとう。」

私は、お姉様を抱きしめます。




朝起きて、下に降りると、いろいろな人に声をかけられてるのに、ずっと固まったままのお姉様がいました。

近づいてみると、熱くもないのに汗でびっしょりになり、顔が青どころか、白くなったお姉様がいました。

「お姉様?」

私は声をかけますがちっとも反応がありません。

「お姉様!?」

反応がありません。

「ビーノお姉様!?」

少し目が動いた気がします。

「ビーノお姉様!?」

顔が少し、こっちを向きました。

「ビーノお姉様!?」

「ヒッ!」

正気に戻ったお姉様は椅子から転げ落ちます。

「大丈夫ですか!?ビーノお姉様!」

「だ、大丈夫よ、よよ。」





それから、ずっとお姉様はナニカに怯えて震えたままです。

たまに、『私は誰?』とか、『名前…思い出せない』とか独り言を呟いていますが、何も変わっていません。

お姉様はナニに気付いてしまったのでしょう?

一体ナニがここまでお姉様を恐怖させているのでしょう?

………………

お腹が空きましたね。

もうお昼なうえに朝ごはんを食べていません。

それは、お姉様も同じですね。

お姉様の分のお昼ごはんももらいに行きましょう。

私は、お姉様から離れてドアを開けます。

「行かないで。」

弱々しいお姉様の声が聞こえます。

「お昼ごはんを貰いに行くだけです。すぐに戻りますよ。」

しかし、次の言葉に私は、疑問を覚えます。

「もう、私を一人にしないで、菜々。」

ナナ?誰ですかそれは、

「お姉様、その“ナナ”って誰ですか?」

「貴女のことじゃない、菜々、私を一人に、しないで。」

私が、ナナ?

私はサフィー、サフィーアです。お姉様は何を言っているのでしょう?

「取り敢えず、すぐ戻るのでちょっと待ってて下さい。」

「嫌だ、行かないで、ああ、菜々、私を一人にしないで。」

心が痛くなります。しかし、ここで戻るといつまで経っても同じままでしょう。

私は、お姉様の言葉を無視して、下へ行きました。





「サフィー様!ビーノ様の様子は?」

「相変わらずです。」

「そうですか…」

小さい私の声を、なんとか拾ったローケンさん。

そうだ、ナナという人について皆さんにも聞いて見ましょう。

「あ、あの!……」

私は、皆さんにナナという人について話しました。

「ナナねぇ。聞いたことねえな。」

「私もありません。本当にビーノお姉様はそう言っていたのですか?」

「はい、言ってました。」

「そうですか…しかし、ずっと一緒に居たはずのサフィー様でも知らないナナという方、一体何者何でしょう?」

そこには私も同感です。

「お姉様にナナって誰ですか?って聞いたら『貴女のことじゃない』って言ってました。」

「『貴女のことじゃない』?嬢ちゃんはサフィーだろ?」

「もしかすると、サフィー様というより、妹を指しているのではないでしょうか?」

「でも、お姉様に私以外の妹はいません。」

その場が更に混乱する。

結局、それらしい答えは見つかりませんでした。

そして、お昼ごはんを貰う時、

「貴女のお姉さん、『転生者』じゃないの?」

「転生者?」

「記憶を持って生まれ変わった人を指す言葉です。個人差はありますが、転生者はかなり強い力を持っていて、Sランク冒険者になった人もいるようです。」

記憶を持って生まれ変わった人、お姉様がそうなら、ナナという方はお姉様にとって大切な人だったのでしょうか?

「ナナは妹なんだろ?なら、そのナナって奴は昔のビーノ嬢の妹じゃねえのか?」

「私を置いて行かないで、って言うのは?」

「ビーノ嬢より先にそのナナって奴が死んだとかか?」

「なるほど、大切な妹に先立たれる、サフィー様に甘くなるのもよく分かりますね。」

「お姉様は、転生者なの?」

そうだとしたら、お姉様にとって大切な人は私ではなくナナという昔の妹になってしまう。

お姉様は、ナナという女性を、私に重ねて気分を紛らわせていた?

私は、お姉様の大切な人じゃない?

私は、本当に大切な人の代わりの存在でしかない?

私は、みるみる顔が青くなっていく。

「あの、サフィー様?聞いてます?」

ローケンさんが何か言ってる。

「サフィー様?どうしました!?」

「サフィー嬢!しっかりしろ!」

「あっ、はい!」

「ほっ、よかった。サフィー様までビーノ様のようになるかと思いましたよ。」

確かに、そうなっていたかもしれません。しかし、話すことは決まりました。

お姉様にとって大切な人は、ナナという女性なのか?私なのか?はっきりしてもらいましょう!

待ってて下さいね?お姉様!


うん、サフィーちゃんそうじゃない、そうじゃないんだ!

もっと大切な事があるはずだよね?


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