VSアルス3
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私の、不意打ちは成功したらしい。
攻撃が来なければ防御する必要が無くなる。
なら、次すべきことは反撃だ。
ずっと後手にまわっていてはいつか負ける。
例えば、あらゆる攻撃を防げる盾を持っていても、ずっと攻撃をされ続ければ、体力が切れる。そして、盾を構える事が出来なくなった頃に攻撃すれば、さすがに当たる。
だから、反撃できるようにしないといけない。
反撃するためには、盾を構えるのをやめないといけない。
私は、そこに爆炎球を撃ち込んだ。
煙でアルスがどう動いていたかは、分からない。
しかし、爆炎球が当たった、その事実さえあればそれでいい。
「1発程度じゃ大した効果はないだろうし、もう少し撃つかッ!?」
私は、触角で魔力の収束と風の揺らぎを感じ結界を張る。
刹那、白銀の光線が私達を襲う。
「くぅ、手伝って!」
「はい!」
二人で結界を強化する。
数秒で光線は止まる。
すると妹が結界を解除しようとする。
「駄目よ!」
「え?」
疑問の声を上げる妹のすぐ横で、結界とアルスの剣が衝突する。
「チッ、気付いていたか。」
「ええ、まあ…ね!」
私は返事をしながら、剣を振り下ろす。
アルスは、後ろに飛んで回避する。
??
鎧の力は?
一定以上の威力がある物理攻撃は、無効化されるはず。
よく考えてみればそんな力何度も発動する物じゃない!
一日数回程度が普通だ、そう考えるとアルスの鎧の力は回数制限があるんじゃないか?
少し試してみるか。
「どうして避けるの?」
「攻撃が来れば普通、避けるか防御するだろ。」
「でも今のは剣での攻撃、物理攻撃よ?鎧の力はどうしたの?」
さあ、どう答えるかしら?
「ああ、そうだったな。避けるとい癖が身体に染み付いてるな。」
「そう、じゃあこれも、避けるのかしらッ!」
私は、アルスを袈裟斬りにするように剣を振り下ろす。
避けた!でも、ここからよッ!
私は人外の筋力で剣を振り上げる!
「な!?」
アルスは、突然の事に一瞬体が硬直する。
私は、その一瞬の隙をついてアルスを切り裂く。
ギャリギャリという、金属同士がこすれ合う不快な音がする。
つまり、物理攻撃の無効化が働いていないという事だ。
「あらあら〜、大切な鎧を傷付けてしまってごめんなさい(笑)。まさか、物理攻撃無効が機能していないなんて知らなかったの(笑)。」
私は、悪意たっぷりで嫌味を言う。
「この程度の傷、鍛冶師に頼めばすぐに治る。」
「あらあら〜、それは鍛冶師の人の労力がかかって可哀想ね~ごめんなさぁ〜い。」
お?今こめかみに青筋が見えた。意外と短気?それなら、
「ねぇねぇ~お話ししない?」
「この状況でか?」
私は今、剣を振り回してアルスに攻撃している。
もちろんちゃんと狙っているが、全て弾かれているので振り回しているように見える。
「貴方って、恋人いるの?」
「それは今聞くことか?」
「あらあら、レディーの話しには、ちゃんと答えないと嫌われるわよ?」
「何?」
お、食いついた!ここからコイツの精神力をじわじわと、削り取って行くわよ。
私は、何を見せられているんでしょう?
私の目の前には、楽しそうに話しかけるお姉様の姿があります。
お姉様と楽しそうに(?)話して…
許せません!
お姉様と楽しそうに話していいのは私だけなのに!
何なのですかあの男!アルスと言ったかしら?絶対私が殺してやります!
…ですが、お姉様が苦戦する相手、私では勝てません。
お姉様、そいつ私がとどめを刺したいです!
って言ったら殺らせてくれるでしょうか?
「あははははは!」
お姉様…あんなに笑って、私じゃ不満ですか?
私だってお姉様に罵られたいのに。
お姉様ったら、私のことは後ろに隠してしまって、私を傷物にしてくれません。
お姉様に傷物にされるならむしろ気持ちいいくらいなのに…
お姉様、どうして気付いてくれないのですか?
妹ちゃんはシスコンをこじらせてMになりかけてます。
主人公(姉)がSなので、もしかしたらいじめて貰えるかも?




