忘れ物と聖騎士
お母様と別れた後、
「あ!」
「どうしたんですか、お姉様?」
「ちょっと忘れ物をしたの。」
お宝やロイヤルゼリーを人間に渡すのはもったいない。
「お前は、変なところで抜けてるな。」
「悪いですか?お姉様。」
このままだとまた喧嘩になるかも。
「別に、忘れ物をしたなら早く行った方が良いんじゃないか?」
「そうですね、行ってきます。」
「私も付いていきます!」
お姉様が我慢してくれたことで、喧嘩になる事態は回避出来た。
それと、やっぱり妹は付いてくるらしい。
「じゃあ、行ってきます。」
「ああ、私達も先に行く、ここでお別れだな。」
「そうですね。」
みんなバラバラに旅立つ、だからここでお別れだ。
「そうだ!」
「どうしました?」
長女が声を上げる。
「何処かで合うことがあれば、今度こそお前をぶん殴ってやるから覚えとけよ。」
この人は本当に…
「馬鹿姉こそ、その小さな頭で、覚えておいて下さいね。」
「そんな簡単に忘れないわよ。」
「本当ですか?」
そう言い合っているが、さっきの罵り合いとは違い、この会話を楽しんでいる。
「じゃあ出会った時に聞きますね。私は、忘れているに賭けておきます。」
「なら私は、お前が忘れているに賭けておくわ。」
「そうですか、ではさようなら。」
「ああ、またな。」
そうして私達は別れた。
「それで、忘れ物ってなんですか?」
「ロイヤルゼリーと宝物庫のお宝、後は蜜かな。人間に渡すにはもったいない。」
「そうですね。」
私達は、ロイヤルゼリー、お宝、蜜の順番で回収していった。
「これで最後ね。」
私が、最後の蜜を回収して、逃げようと思った時、
「見つけたぞ、女王候補。」
人間が現れた。
「お仲間はいないの?」
「ああ、俺はソロだ。」
いやそうじゃねえよ。
「あっそ。それで、殺した方がいいの?今逃げるなら追いかけたりしないけど。」
ここだ、コイツかなり強い。二人で勝てるかしら?
「生憎、今回の目的はお前たち女王候補の討伐だ、そして、俺は女王候補討伐を任されている、Bランク冒険者のアルスだ。」
「そう、相手が名乗ったのならこちらも名乗るのが礼儀、しかし、ごめんなさい、私に名前は無いの。だから…そうね、第四女王候補と言っておこうかしら?」
第四女王候補、すごい厨二っぽい名乗り方ね。
「そうか…そっちの子は?」
「私の妹よ。かわいいでしょう?」
「そ、そうだな。」
コイツ、まさかこの子をかわいいと思って無いのか?許せん!!
「おい人間、貴様どういことだ?」
「は?」
「まさかこの子をかわいいと思って無いのか?こんなに可愛い私の妹を!そうだとしたら貴様の目は腐ってるな!この子は私のかわいいかわいい妹なんだぞ、見ろ!こんなに可愛い女はそう居ないだろう!?それなのになぜ「お姉様」っ!?」
振り返ると、さっきのお母様のように黒いオーラが溢れ出している妹の姿があった。
「話しが進みません、もう黙ってて下さい。」
「はい…」
「コホン、えー姉が失礼しました、姉と同じ言い方をするなら、第五女王候補です。よろしくお願いします。」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」
何この会話?でも、今黙っててって言われてるからな〜、静かにしてないと怒られるし、黙っておくか。
「さて、貴方は私達を討伐にきた、それでよろしいですか?」
「ああ。」
「もう一度聞いておきます。引く気はないのですね?」
「ああ。」
「そうですか、なら、ここで殺しておきましょう!」
妹がそう言うと、光の刃が飛ぶ。
『飛光斬』だ。
私は、杖を取り出し妹に渡す。
私も精霊剣を取り出す。手は抜かない、最初から全力でいく。
「やはり効いていませんか。」
「光魔法を使う魔物か、珍しい。」
盾と剣を構える姿は、さながら聖騎士だった。
「俺は、聖騎士アルス。行くぞ!」
あいつマジで聖騎士なのかよ!
次回から聖騎士アルスとの戦闘です。




