攻略準備
人間サイドの話しです。
人間の街
とある街の屋敷の応接室で、
「それで、そちらの戦力は?」
この街の領主は、反対側の椅子に座る男、冒険者ギルドのギルドマスターに質問する。
「Fランクが500、Eランクが350、Dランクが120、Cランクが50、Bランクが5、といったところだ。」
「Aランクは?」
「いない。」
領主が、顔を顰める。
「安心しろ、Bランクの内のひとりが例の聖騎士だ。」
「あぁ」
例の聖騎士、という言葉で領主も納得する。
「しかし、よかったのか?」
「報酬のことか?」
「あぁ」
今回の件は、領主が依頼を出していた。つまり、報酬は領主負担、ということになる。
「あの巣のせいで最近、この街を通る商人の数が減っている。このまま依頼を出さなければ、さらに商人の数が減り、赤字になってしまう。」
「そうなる前に、というわけか。」
「あぁ、必要な出費だ。」
この街の領主は、自分のためではなく、街のために尽くすいい領主として有名だ。今回も、街や街に来る商人のことを考えてのことだ。
「巣の攻略が終わったら私からもあの聖騎士をAランクに推薦しようか?」
「そうしてもらえるとありがたい。」
あの聖騎士。今回の作戦で最強の存在。
聖騎士・・・
冒険者ギルド
正午
いつもなら、ほとんど人がいないこの時間帯。ここ最近は、この時間でも多くの人で賑わっている。
マンイータービーの巣の攻略クエスト。
前に出て戦わなくても、報酬が美味しいこのクエスト。この街だけで無く、周辺の街からもうまい話を聞きつけた冒険者達が集まっていた。
話しの内容に耳を傾ければ、報酬をどう使うかでもちきりだ。
それだけ今回のクエストは、破格の値段というわけだ。
それだけではない。
巣で手に入れた物は、全て持ち帰っても良いと言うのだ。
イメージとしては、他の鉱山よりも危険が多いが、どこを掘っても大量の金が採れる金山に行き、金山の管理者が、『掘った金はご自由にお持ち帰りください』と言っている様なもの。
冒険者達にとってまさに、一攫千金のチャンスなのだ。
そんな中、一人の冒険者がギルドに入って来る。
すると、さっきまでの喧騒が嘘のように消え静寂が訪れる。
しかしすぐに騒がしくなる。だが、先程とまるで違うことがある。それが話題だ。
先程までは、報酬の話ばかりだったのが、その一人の冒険者の話に変わった。
その冒険者こそが、今回のクエスト参加者の中で最強の存在。
聖騎士 アルス
複数のAランクへの推薦を持つ、この街で最強の男だ。
聖騎士アルス詳しい話しは次回します。




