表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/142

人という字は

「そうか…よくやった、もう下がってもいいぞ。」

「はい。」


私は、お母様へ報告を済ませると、部屋を出る。


部屋を出るとやはり妹が待っていた。

私は何も言わず通り過ぎる。妹も何も言わずついてくる。

妹は、初めて会ったときのようにオロオロしている。

私が殺気立っているからだろう。すれ違う働き蜂達も、私から距離を取っている。

この不快感、どうやって解消しようか?。

取り敢えず、自分の部屋に帰るか。



私の部屋に着くと、急に妹が抱きついて来た。


「約束、忘れてませんよね?」

「え?」


約束?そんなのしたっけ?


「…忘れたんですか。」

「そ、そんなこと無いわ。」

「じゃあ、何の約束か答えてください。」 

「えーっと。」


やばい、この子怒ってる。

えーっと、約束って何だっけ?


「遅い」


黒いオーラが漏れてる!仕方ない。


「ごんめんさい!忘れたわ!」

「…どうして嘘ついたんですか?」

「それは…考える時間が欲しかったから…」

「はぁ~~」


どうしよう、嫌われちゃったかな?


「我慢するから、私が満足するまで抱きしめて、頭ナデナデしてくれる、という約束です!」

「あ~」


そう言えばそんな約束したね。


「さっ!抱きしめて下さい!頭ナデナデして下さい!お姉様!」

「分かった!分かったから押さないで!」


結局、一晩中妹の相手をすることになった。




翌朝


「あ~、眠たい。」

「そうですね、お姉様。」


寝不足で、目の下にクマが出来た私達が欠伸をする。


「落ち着きました?」

「え?」

「お姉様、昨日は怖かったです。帰ってから、いや、冒険者を焼いた後から怖かったです。」


私は、想像していた何倍もこの子を怖がらせていたらしい。


「だから、お姉様に落ち着いて欲しくて、つい、沢山甘えてしまいました。」


怖がらせるどころか心配させていたようだ。姉として失格ね。


「お姉様、また自分を責めてませんか?」

「どうして分かったの?」


心読術でも覚えたのかしら?


「お姉様、私が落ち込むと、いつも自分を責めるじゃないですか。私は知っているんですよ?」

「そうだったの…」


この子、よく私のこと見てるわね。雰囲気的なもので私の考えを読むなんて。


「私は、元気なお姉様が大好きです。だから、いつも元気に笑ってて下さい。そうしたら、私も笑顔になれるので。」


どうやら、支えられていたのは、妹ではなく、私だったらしい。いや、違うわね。

お互い、支え合って来たんだ。

どこかの先生も言ってたね、

『“人”という字は、人と人が支え合ってできてる』って。

私達は、まさにその関係なんだ。

人ならざる人外の魔物でも。


「ありがとう。」

「はい!」


そう話す私達は、とてもいい笑顔だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ