仕事真面目。努力すれば成功するって、信じている。
「凛」
誰かが、呼んだ。
うんうん。
僕の名前。
いい名前だろう。
響きがいいし、
誰だって、すぐ、覚えてくれる。
「名前は、いいんだけどな」
聞こえよがしに言う。
聞こえてるよ。
言い返せないの、知ってて言うか。
「名前だけ聞くと、モテそうだよね」
いやいや。
僕、モテてます。
ただ。
終わるのも早い。
終わるって、まぁ、色々。
「名前は、呪だって言うよね」
お局。
いや。
上司。
課長が言う。
女の上司。
苦手。
どうしても、感情的だろう。
あんまり、感情で、押し切られると、オドオドしてしまう。
僕。
30代。独身。
現在、彼女なし。
別れて、1週間。
まだ、傷心中。
「今日も、定時で帰るの?」
「はい」
即座に返事。
周りで、起こる忍び笑い。
「出してもらった書類。間違えてるんだけど、直さないの?」
「すみません」
仕事に、生きるつもりはない。
かといって、
恋に生きる程、若くもない。
恋愛下手。
うまくいかないのには、理由がある。
それが、僕には、わからない。
どうして、なのか。
どうして、続かないのか。
僕が、悪いのか。
相手が、悪いのか。
「書類、直してから、帰ってくれる?」
「あの・・・」
今日は、どうしても、帰らなくては、ならない理由がある。
「今日は、あの、病院に」
「病院?」
仕方がないわねって、顔をする。
今日こそは、行かないと。
「いいわ。帰って」
「すみません」
今日こそ、行く。
僕の失恋クリニック。




