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№11 マイクVS大鎌

 マイク持つ手は離さない。


「ふざけた野郎だ」

 ラモラックは両手に大鎌を持ち、間合いを見計らう。

「これが私の職業でして」

 虎徹のマイクを持つ右手小指がピンと立っている。

「格好をつけて、こんな所まで来たことを、死をもって後悔させてやる」

「おーっと、ラモラック卿、まさに三下が吐くような下世話な台詞を吐いております。自らに負けフラグをたてるような所業だ~」

「ほざけ!」

 ラモラックは大鎌を、虎徹目掛けて放つ。

「ハウリング・シールド!」

 音波のバリアを張る。

「馬鹿め!上空からはどうだ!」

 放たれた大鎌が突如軌道を変え上昇し、天井の手前で止まると、虎徹の頭頂部目掛けて球速落下する。

「ナイスアイディアですが・・・私は伝説の実況男(マン)。黄金・極真威駆翔流破(ゴールデン・きわめまいくしょうりゅうは)!」

 虎徹は右手持つ黄金のマイクを高々と突上げた。

「お前は馬鹿かっ!大鎌の餌食となれ」

 ラモラックの顔が歪む。

「見ろ!黄金マイクの真実を!」

 落下加速する大鎌に、虎徹は微動だにせず、マイクを掲げている。

 マイクがついに大鎌に触れる。刹那、鎌が内部破壊を起こし、鉄の粒子が飛散する。

「なっ!」

 唖然呆然とするラモラック。

「チェックメイトですな」

 虎徹は黄金マイクを闇騎士へと突きつけた。


 徒手空拳となってしまったラモラック、すでに勝負は決した。

「ぐぬううう!」

 歯軋りをして睨みつける闇騎士に、虎徹は言い放った。

「あの時の謝罪を!」

「・・・・・・ぐぬぬぬ」

「謝罪してください!」

「・・・・・・ぐぬふ、ぐぬふ」

「謝罪しろーっ!」

「・・・わかった」

 ラモラックは観念し両膝をつく。

「もっと近くに寄って、ワシの謝罪を見るのだ」

 闇騎士の瞳は怒り狂っている。

「わかりました」

 虎徹は腕組みをし、ラモラックを見下ろした。

「申し訳・・・あるかーっ!」

 闇騎士は虎徹の隙をついて飛びかかる。

 が、彼はそれを予期し、ラモラックの額にマイクをつけた。

「へ」

「ラモラック卿よ。私は久しぶりに猛っています・・・よろしいか」

「ひ」

「破壊実況!」

 虎徹はすーっと息を吸い込むと、実況を語りだす。

 マイクを通じ、彼の思いと怒りがラモラックの脳に流れ込む。

「おーっと、これは謝罪も出来ずに愚行に及んだラモラック卿への私虎徹怒りの実況だ!魂の声が今まさにマイクを通じて、闇騎士の頭脳へと語りかける。いや、語りかけるという言葉では、もはや生ぬるい、怒りの怒りの鉄拳、怒りのマイク裁きだ。ハウリングするボイスがエキゾーストし、ナイトのブレインをブレイクする。これがまさに虎徹奥義、実機破壊っ!」

 彼は一気にまくしたてた。


「かはっ!」

 ラモラックの瞳は焦点を失い、頭から床へ崩れ落ちた。

「勝者、虎徹!」

 虎徹は自らに勝ち名乗りをあげると、すべての力を使い果たし、その場にへたり込んだ。



 虎徹完全燃焼。

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