第65.5話:ゲリラロケテ
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西暦2016年、遊戯都市奏歌が展開されたのがこの年である。その一方で、地方活性化を目的とした町おこしが複数展開された。
萌えと融合した物、地元の特産品などを売り込む等――。この他にもふるさと納税にさまざまな豪華賞品を送付と言う物も。
しかし、こうした方法では当たり前過ぎて話題にならないと切り捨てたのは、草加市である。
それからしばらくして遊戯都市奏歌の立ち上げが行われ、過去に展開されていたARゲームも再利用し、現在の遊戯都市が完成した。
その後、西暦2017年に超有名アイドルのFX投資――自作自演とも言うべき事件が起こる。
その事件を受け、遊戯都市奏歌は超有名アイドルに代表される3次元に頼らないコンテンツを生み出す為に動き出したと言う。
それが、後のミュージックオブスパーダ――それ以外のAR音楽ゲーム及びARリズムゲームに波及した。
どのタイミングでアイドル無双が始まったのか? こちらに関しては諸説ある為、解析班も確定できていないのが現状だろう。
昭和時代のアイドルも人気があったのだが、今回ほどではない。平成初期のアイドルも――昭和を引き継いだ気配で、これも当てはめるには難しい。
超有名アイドルという概念が出てきたのは、2000年代終盤の2008年ごろと言われている。
そして、超有名アイドル商法が目立ち始めたのは2009年とも2010年とも言われているが……真相は不明だ。
FX投資という例えが扱われたのは、2014年頃であり、これもきっかけはネット上のつぶやきだったと言う。
そして、現在。超有名アイドル投資家に代表される勢力は、政治へ進出する人物もわずかにいる。
実際のニュースでも報道されており、こうした話題が報道規制されていることはないらしい。
あるいは、自分達に都合の悪い部分だけを書きかえると言う方式で報道している可能性もあるが……。
「アカシックレコード――ネット上のありとあらゆる情報は、ここに集約されると聞くが」
一連のウィキを見ていたのは、大和杏である。お昼はインスタント焼きそばとコンビニののり弁当、それに鳥の唐揚げだ。
さすがにちくわ風チョコのパフェやドーナツは買っていないが――チョコバーにコンポタスナックが置かれている。
「しかし、アカシックレコード依存をすれば――情報の選別能力が鈍るとビスマルクは言っていた」
半分はテンションが低かった大和も、弁当を食べるときは不機嫌な表情から真剣な表情に変わった。テンションが低くても、お昼がおいしくなくなると考えているのかもしれない。
同日午前12時20分、お昼を食べ終わった大和は、ある場所へと向かっていた。何時ものゲーセンやアンテナショップではなく、谷塚駅である。
「ARゲームのゲリラロケテがあると言うつぶやきが出回っているが、それが本当なのか気になる」
つぶやきサイトのつぶやきを確実に信じる訳ではないのだが、そこで言及されていたゲリラロケテに関して気になっているようだ。
「あれが、新型のARガジェットか?」
谷塚駅に到着したが、それらしいガジェットは見当たらない。デマのつぶやきに踊らされた……と考えた大和が、駅近くに設置されているモニターをチェックすると、そこには――。
「これが新たなリズムゲームという事なのか? まるで、パルクールでは……」
大和は、モニターで流れていたデモムービーを見て、パルクールとリズムゲームを組み合わせた今回のゲームに対し、言葉も出ない程に驚いていた。
同時刻、谷塚駅から少し離れたフリーフィールド、そこでは、ARゲームでも見ない筺体が置かれていた。
外見としては音楽ゲームに類似しているが、ギター、ドラム、太鼓等に代表される入力デバイスがない。
ARガジェットを使う物であれば、立て看板等で説明があるはずだが、それも置いてあるような形跡がなかった。
「これは、あくまでもエントリーの機械。音楽ゲームとしては、別にあると言う事か」
今回のゲリラロケテ、そこに何の目的があるのかは分からない。一体、このタイミングで何をするつもりなのか……。
そう考えつつも、ロケテの動向を見極めることにしたのは、私服ではなくコート姿の南雲蒼龍だった。
「このシステムは、マラソンコースを音楽ゲームの譜面にするというアイディアに似ているが、ARパルクールは別に存在するはず」
南雲は冷静にシステムを分析し、それが過去にアカシックレコードで見たことのあるアイディアだと言う事も分かった。




