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ミュージックオブスパーダ  作者: 桜崎あかり
ランカー激戦編
41/114

第37話:音楽ゲームランカー(前篇)

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 6月11日、スコアトライアルの楽曲が発表になった。反応に関しては人によってさまざまだが、驚きの声が半数と言える。


【まさか、別の音楽ゲームから引っ張ってくるとは】


【既存の楽曲でトライアルをやるとすれば……店舗スコアの塗り替えも行われている以上、曲によっては不利になる】


【攻略パターンが確立されていない新曲であれば、有利不利が大きく発生しないと判断したのだろう】


【既存楽曲でやっていたら、大淀をシードにしないと大変な事になるが】


 この他にも、様々な発言が飛び出したのだが、意外な事に政治家絡みやフジョシ勢の話題は個別で上がる事はあっても、スコアトライアルと絡めた物はなかったと言う。



 同日午前11時、スカイエッジが姿を見せたのはアンテナショップだった。


 しかし、ショップはフルフェイス禁止である為、何とかして顔を見せずに入る事は出来ないか……スタッフと交渉をしている。


「申し訳ありませんが、防犯上の都合でフルフェイス等の顔を隠す状態で店内へ入ることはできません」


『そこを何とか……。こちらはアキバガーディアンの潜入捜査も兼ねていて――証拠ならば、ここに』


「アキバガーディアンでしたか。では、ここでお待ちください。今、担当に確認を取らせますので」


 結局、超法規的処置というか、アキバガーディアンの特注ガジェットであるアサルトライフルを見せる事で身分証明を取った。


 スカイエッジとしては、あまり権力等を使うのは好きではないようだ。これによって、アキバガーディアンの評判を落としたくないのと、風評被害防止があるのかもしれない。


 5分後、裏口を案内され、そこからスカイエッジはアンテナショップへと入る事が出来た。


『実は、今回使用するガジェットはガーディアンで使用している物とは別の物を――』


 スカイエッジが簡単に事情を説明する。それによると、アキバガーディアンで使用しているガジェットではスコアトライアルでチート扱いされ、下手をすると失格処分になる事を運営から告げられた。


 その為にミュージックオブスパーダで使用可能なガジェットを選んで欲しい、と言う事だった。


「銃火器系以外を希望との事ですが、こちらで在庫を確保している武装は――」


 男性スタッフが見せたカタログには、汎用的な武器とは異なる物が多く存在している。


 ミュージックオブスパーダ専用ではないが、他のARゲームで運用されているかと言われると……疑問が残る。


「ガンランス、ロケットパンチ、有線式ガンビット、ローラーエッジ――どれもロマン武器と言われている物ばかりですが」


 通常武器もあるのだが、ハンドガンは大量在庫の為に安価で買えるとの事だが、スカイエッジは選ぶ気配がない。


 その理由は、ミュージックオブスパーダで大幅弱体化されている事だった。それがなければ、買ったかも。


『この武器は?』


 スカイエッジが指差した武器、それはシールドブレイカーという名称の武器、5本のビームブレード、2本の実体剣ソードブレイカーを合体させた腕に固定するタイプの剣だ。


「シールドブレイカーは、ARウェポンとしては重量タイプに類します。ハンマー系よりは振り回しに体力は使いませんが――」


『剣タイプの武器であれば別のARゲームで使用経験がある。これでお願いしたい』


 別のARゲームでは剣タイプを使用している事もあり、スタッフの説明が続いている中でシールドブレイカーを指定し、これを用意して欲しいと話す。


「他のARゲームで使っていたと言っても、その法則はミュージックオブスパーダでは通じません。それでも?」


『それでも構わない。今すぐにでもミュージックオブスパーダへ登録しようと考えている以上、すぐに用意できる物がいい』


 忠告をしても無理なタイプとスタッフは判断し、数分後にはシールドブレイカーの元であるARガジェットを箱に入った状態で用意する。


 

 午前11時20分、目の前に出てきたシールドブレイカーが入っているARガジェットの箱を見て、スカイエッジは苦笑していた。


『何処かのヒーロー物の玩具か? 東京ではARガジェットと言えば、もう少し箱のデザインは違っていると思ったが』


 スカイエッジの言いたい事は百も承知である。しかし、アンテナショップ内で展示している状態で持ってきた関係も……原因の一つだろうか。


「一部ジャンルのARガジェットでは簡素デザインの箱が存在する事は、こちらも把握しています。しかし、ここは遊戯都市――こちらの事情は理解して欲しい所です」


 スタッフの言いたい事も分かる為、スカイエッジは箱から取り出してARガジェットの感触を確かめる。


 残念ながら、実体化に関してはARゲームで直接試すしかない為、ビーム刃の部分は非展開のままだ。


『成程。これならば、特に問題はないだろう』


 その後、6000円+消費税を電子マネーで支払い、ガジェットはそのまま受け取る事に。


 ミュージックオブスパーダへの登録も必要なので、実際にガジェットを使えるのはもう少し先になるが……。

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