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31話 最後の休息

クレイザを出発してから数日後、俺たち勇者一行は俺が忍たちとひそかに作っていた拠点に到着していた。


「ときどきいなくなるから何をしていたかと思えば、こんなの作っていたのね」


「こんな立派な拠点必要ありますか?」


「魔王の領地に入るんだぞ? 準備できる場所があった方がいいだろ?」


「それにしても、大げさすぎるような……」


 実際、ここは普段は忍たちが使っているから、この大きさでちょうどいいのだが現在は俺たち三人だけ。


 三人にこの三階建て、地下付きの拠点はたしかにでかすぎるな。


「まあ、一週間くらいはここで準備にあてよう」


「一つ心配事があるんだけど、私たち勇者一行って回復魔法使える人いないじゃない? 先の事を考えると一人ぐらいいたほうが……」


「たしかにそうだ、でも大丈夫だ。アテはある」


 俺たちは自分たちの部屋をそれぞれ決め居間(いま)に集合する。


「なんか、懐かしい空間ね。ソウマが作ったの? 意外と和風がすきだったのね」


 そう、外観は俺がそれっぽく作ったのだが、内装を忍たちに任せた結果、和風な内装になってしまった。


「あ、ああ。実家が畳とかだったから、ついな」


 もちろん大嘘だ。バリバリのフローリングだった。


 俺たちは今後のそれぞれの行動を話し合い、解散となった。


 ユフィナは今まで通り修行を継続。


 ミトハは近くにある魔王軍の防衛最前線である砦に助っ人にいって、魔人との実戦訓練をしてくるようだ。


 俺はこれからの魔王領や龍月国の戦争に向けての最終準備。


 具体的には人員配置だ。


 魔王領に連れていく忍と戦争に参加する忍の配置をエルナと共に話あう。



 翌日になるとミトハは一週間後には帰ってくると、不良娘のようなことをいって出ていった。


 ユフィナは拠点前でいつもの修行メニューを始めている。


 彼女の修行は以外にも瞑想(めいそう)からはじまるのだった。


 俺は拠点の地下にある隠し通路から、はなれへと向かう。


 はなれではエルナたちが戦争前の準備をしているだろう。


「ソウマ様、おはようございます」


「ああ、それで龍月国の様子はどうだ?」


「解放軍の数が過去最大となり、いつでも戦争を起こせます」


「開戦のタイミングは俺たちが魔王領に入ったらに変更する」


「開戦をして様子を見てから魔王領入りするのでは問題がありましたか?」


「もし大量の魔人が砦に押し寄せてきたら、砦から入る俺たちも戦いに参加しなくちゃだろ?」


「たしかにそうですね」


 俺はその後、各部隊から報告を受けてから今後の方針について話し合う。


 話し合いの結果、解放軍に潜入している忍たちと連携し実質人質となっている家族を保護する。


 この行動で忍の存在も解放軍が戦争を起こそうとしているのも隠せなくなるだろう。


 よって保護したのちすぐに開戦という流れになる。


 確実に勝利するために、忍たちも解放軍と共に戦争に参加する。


 俺は戦争にまで参加しなくても良いと思ったのだが本人たちが、やりたいというのなら止めることはできない。


 そこからは忍たちが考えた実際の行動パターンをすべて聞かされ、たいしたアドバイスもすることなく、気づいたら夜となっていた。


 ほぼ毎日、同じような生活が続き一週間がたつ。


 いよいよ明日、魔王領へと向かう。


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