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27話 砦の防衛戦

「ユフィナ! ソウマはどうした?」


 わたしが砦に戻ると一番にギルド長が聞いてくる。


「行列の一部がクレイザに向かって進行し始めたので、そっちの対応に行きました」


 わたしがそういうと周囲にいた人たちが動揺する。


「おい! 嬢ちゃん、それ本当なのか?」


「そんなこと今までなかったんだぞ、本当なんだろうな?」


 どうやら、みんな信じられないようだ。当然だ、わたしだって意味が分からない。


「やめねーか、ユフィナそれで数は?」


「百体くらいです、援軍が必要だったら呼びに来ると言っていました」


「百体を一人でか……いや、あいつを信じよう! 俺たちの作戦は変えない!」


 ギルド長のソウマへの信頼度は中々高いようだ。


 ギルド長の決定に周りの人もごねるのをやめる。



 ――数十分後、目の前に凄い数の赤い光が現れる。


 進行速度からして、すでに奇襲攻撃が始まっているようだ。


「前方、バルグ行進を確認! ギルド長お願いします!」


 一人の魔法使いがそういうと、ギルド長からものすごい魔力を感じる。


 これは……今までは魔力を制限していたの? ものすごい魔力量……


 次の瞬間、ギルド長が結界魔法のようなものを使う。


「いまだぁ、うてぇー!!」


 ギルド長がそう叫ぶと、全員が魔法を打ち始めた。


「な、なんですか? 今のまほう?」


「なんだ? ソウマから聞いてねぇのか? 今のはこれから攻撃するポイントをこいつらと奇襲部隊に伝えたんだよ」


「そんな、どれだけの魔力が……」


「この魔法に攻撃性はないし、魔力探知とちがって目に見えてるところにしか使えねから、消費量はたいしたことはねぇ。それよりお前も攻撃参加しろよ?」


 この人、剣士だって聞いたけど……これがプラチナランクか。


 数週間前の戦闘と違い魔力は満タン、石弾も沢山用意してきた。


 まあ、今となっては石弾がなくても平気なのだが。


 ――魔物の集団が現れてから一時間近くが経過した。


 わたしは行進祭に参加するのは初めてなので順調なのかどうか分からないのだが、あまり手ごたえは感じていない。


 進行のスピードが魔物が現れた時よりも速くなっている。


 奇襲部隊が上手く機能していないのだろうか。


「ギルド長、このままでは――」


「ああ、分かっている。俺が……」


 ギルド長は何かを言いかけ、止まってしまう。


「おいおいおい! あそこにいるのって……」


 ギルド長に続き、みんな何かに気づき魔法を打つのを止めてしまう。


「お前ら! よく聞け! あれは確かにラグレイザだ。お前ら手をだすんじゃあねえぞ」


 ラグレイザって、たしか伝説級の魔物の名前じゃ……


 プラチナランクの冒険者でも、かならずパーティーを組んで討伐しろと言われている魔物だ。


「ユフィナ! お前に指揮を任せる。あとは任せた!」

 

 そういうと爆風と共に魔物に突っ込んでいく。


 わたしが指揮を……


「おい嬢ちゃん、どうする? 指示をくれ!」


「砦の位置をさげるか?」


「いや、それより奇襲部隊のように散らばるべきじゃ……」


 ラグレイザが現れ、みんな混乱している。


 ギルド長は何を考えているんだ? わたしはこの前までロクに戦えなかったんだよ?


 どうすれば……


「みなさん落ち着いてください! 一旦、私が指揮をとります」


 この作戦中、ギルド長の隣にいた青年が声を上げる。


 そうだよ、この人が指揮をとるべきだ。


 わたしには実力も信頼も経験も……


「ユフィナさん。ギルド長があなたを選んだのはきっと理由があります。いや、本能的にあなたが適任だと感じたんだと思います」


「しかし、わたしでは――」


「まあ、指揮は私が取ります。だから、指揮をとるなんて考えなくてもいい。この場面、自分には何ができるか? 何をするべきか。よく考えてみてください」


 わたしができること……


 魔物の軍団がここまで来るにはまだ時間がある。


 わたしの魔力では集団戦は不利。


 石弾なら複数の魔物を貫けるけど、今ここで魔力を消費しすぎてはバルグの正体が……


 戦い方を見つけたこの数週間、師匠のもとで戦い方を探した数年間。


 ここには優秀な魔法使いが五十人はいる。


 まとめる指揮官もいる。


 そうか、わたしは一人じゃないんだった。


「お時間取らせました! 今からわたしが言うとおりに動いてもらいます!」


 わたしがそう言うと、青年は笑って言った。


「ええ、なんでも聞きますよ。ユフィナさん。いや魔女のお弟子さん」


 なぜわたしが魔女の弟子であると知っているんだ。


 だが、そんなことを今聞いている暇はない。


 わたしは青年に作戦を伝える。


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― 新着の感想 ―
投稿ありがとうございます! すみません、忙しくてなかなか読めませんでした... ついに戦いが本格化してきたって感じですね(^^) なぜか青年が怪しく見えたのは自分だけでしょうか? 勝手な憶測なので…
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