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婚約破棄されました

僕の名前はレンバス。

エルフの血が入ってるし、正式には レンバス・フォンテッキオ。

でもさ、長いし言いづらいし、なんか貴族ぶってるみたいで面倒だから、

ずっと名乗ってない。覚えるのも僕がめんどくさい。

ちなみに「レンバス」って、エルフの携帯食の名前だ。

「食い物かよ」ってよく言われるけど、僕は気にしてない。

覚えやすいし、腹持ちいいし、名前としても悪くないと思うんだよね。

で、そんな僕は 十年かけて魔王を倒した。

ほんと十年。長い。

魔族の王都まで攻め込んで、一騎打ちして、勝った。

途中で何度も帰りたくなったけど、皇帝陛下の命令だし、

婚約の話もあったしで、仕方なく続けた。

そう、僕は出征前に 第一皇女スカアハ殿下と婚約してた。

皇帝陛下の提案でね。

「魔王倒したら結婚しよう」って契約だったから、

ああやっと帰って結婚か〜と、ちょっと浮かれてたわけ。

で、魔王倒した翌日。

全身痛くて動きたくない僕の天幕に、勅使が来た。

「罪人レンバス、通告する。」

・・・は?

いやいやいや、僕、昨日魔王倒したよね?

なんで罪人?

寝起きにそれ言う?

黒い服の兵士たちがずらっと並んで、

身に覚えのない罪状を延々と読み上げてくる。

長い。めんどくさい。帰りたい。

ていうか、僕の功績どこいった?

「よって、第一皇女殿下との婚約は破棄される」

「ちょっ、ちょっと待って、話聞こう?

昨日まで愛してるって言われてたんだけど?」

「罪人レンバスはその力を封印の上、国外追放とする」

封印魔術が発動して、僕の魔力がスーッと意志から切り離されていく。

ああ、これもう魔法使えないやつだ。

めんどくさい。

ていうか、封印する前に説明してほしいんだけど。

黒い服の連中が安堵のため息をつく。

そして天幕の外から、聞き覚えのある声がもっと残忍なことを言っている。

「これで殺せますな」

「ええ。魔法力さえ封じれば、ただの生き物ですから」

いや、聞こえてるんだけど。

せめて小声で言って?

いや、国外追放どこいった?

次の瞬間、無数の槍が天幕に現れて僕を串刺しにした。

スカアハの槍だ。

婚約者の槍で刺されるって、どんな修羅場だよ。

「あの、これ殿下のご意志で?」

痛いけど気になったから、外にいる人に聞いてみた。

「最後ですからな、答えて差し上げましょう。

殿下は言われましたよ。

不細工な生物との結婚なんて絶対いや、と」

あぁぁぁぁ、うん。

まあ、魔王討伐用に姿を最適化した結果、

人族から見ればだいぶ醜かったのは事実だけどさ。

でも昨日まであんなに熱烈だったじゃん?

手紙とか毎日送ってきてたじゃん?

人の心ってこわ。

槍は僕の身体を内側から破壊し尽くし、

僕は肉塊になった。

黒い服の人たちは念入りに油をかけて天幕ごと燃やした。

仕事熱心だなぁ。

僕の時だけ急に真面目になるのやめてほしい。

そして、誰もいなくなった。

だから僕は復活した。

今度は、本来のエルフの血が濃く出た超絶イケメンとして。

さてと、これからどう生きていこうかなぁ。

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