10 Just stand up.
「研究所が!!私の全てがぁ!!!」
レイブンはガクンと膝から崩れ落ちた。
そしてポケットから無線機を取り出し「ワクラバ!!応答しろ!!」と叫んだ。
少しして『レイブン様っ!』と無線機からワクラバの声が返ってくる。
「ガキ共は後回しだ!!研究所の消化にあたれ!!」
『それが……!』
「おい、どうした!!」
すると、無線機から聞こえてきたのは
『ざーんねーん!!ワクラバはもう動けねぇ!!(⁉︎)』
ヴォルトの声だ!
『申し訳ございませんレイブン様!!私のことは気にせずっ……カノンさん!アレン!!俺らのことは気にすんな!2人だけでも逃げっ…』
グシャ!!
ワクラバやヴォルトの声を遮るように、レイブンは無線機を踏みつけた。
「ヴォルト!!」
そしてあたし達に銃口を向け、パァン!!と躊躇なく撃った。
放たれた麻酔針は再びカノンさんの体に刺さる。
「あ゛ぁっっ!!!」
「カノンさん!!!」
「どいつもこいつも…俺を怒らせすぎだ。特にカノン…お前には制裁を加えなければなぁ…!」
あたしはギョッとした。
レイブンの目の奥に怒りの炎が見えたような気がした。
「契約は破綻したんだ…もういくらお前を傷つけても、誰も文句は言えねぇよなぁ?」
「カ、カノンさんをこれ以上傷つけるな!!」
「そこをどけ。俺は今猛烈に腹を立てている」
どうしよう、カノンさんを守らなきゃ。
武器になるかどうか分からないけど、あたしは壊れかけていたパイプを無理やり抜いて刀の代わりのように構えた。
「死にてぇのか…」
「カノンさんは…あたしが守るんだ!!おりゃぁぁ!!」
あたしはレイブンに何度もパイプをぶつけた。
でも弱ってるあたしの力が及ぶはずもなく何度も突き返される。
それでもあたしは何度も立ち向かった。
この人に、絶対に負けたくなかった。
すると、何かに気づいたようにレイブンは突き返すのを止め、あたしの喉を掴み高々と掲げた。
「ゔっ!」
「ハハッ…私としたことが。何を熱くなっているんだ」
(ぐ、苦しいっ…!)
あたしはバタバタと足で抵抗したが、最早それは抵抗とは言えないほど非力だった。
「何もかもを失おうと、お前さえいれば私の研究は完成する…!私と共に来い。私に夢を見させてくれ!!」
「離せ!!」
「アレンっ…!!」
レイブンはあたしを抱えて歩き始めた。
「カノンはもう意識を保つので精一杯だろう。ワクラバの元へ行くとするか」
(いやだ…いやだいやだいやだ!!)
その時、後ろから複数の何かが素早く駆けてくる音がした。
「ヴォフ!!」
「ぬあっ!?」
それは後ろから思い切りレイブンを蹴倒した。
銀髪の美しい狼と小さな雪狐だった。
「アレン!(⁉︎)」
狼があたしに話しかける。まさか…
「ダスク?それと…ハーヴィ?」
2人は嬉しそうに尻尾を振った。
でもその表情はどこか辛そうだった。
「助けに来た。アレン、早くカノンさんと安全な場所へ!」
ハーヴィはカノンさんが起きやすいように頭を持ち上げた。
「あなた達…バカな真似を!獣化を無理やり加速させるなんて…いつ暴走が始まるか…!」
「カノンさんごめん。でも僕たちにできることはこれくらいしかないんだ」
「どいつもこいつと私の邪魔を…!!!」
レイブンが再び立ち上がる。
ダスクが遠吠えをした。それは「行け!」とあたし達に合図しているように聞こえた。
(みんなの気持ちを無駄にしちゃいけない!!)
あたしは重い体を奮い起こして、カノンさんは気力を振り絞るように立ち上がった。
「アレン…絶対…ここを抜けるよ!」
「うん!!」
2週間お待たせしてすみません!
ブラブラもついに2桁到達!
レイブン研究所編も最終局面です!!
御稲荷 薫のツイッター↓
@oinarisandayo




