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辺境伯の娘の武勇伝  作者: 茅野紗凪
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この四年とこれからと

遅くなりまして、すみません。

理由はありません。

あれから、四年が経ちました。今の私は6歳です。あれから私はけっきょく剣術・槍術・短剣・斧・弓・格闘・魔法・馬術の全てをしています。今のレベル203です。パレスとはほとんど互角に渡り合えるようになりました。「これでも強くなって来てるのに」とか言っているのは気にしません。でも、父様にはまだまだ勝てません。


3歳からは礼儀作法と領地経営を学んでいます。マナーなど、前世で次期社長として学んでいたことと変わらないので、苦労することはありませんでした。貴族としての教養の一貫としてヴァイオリンとフルートも習い始めました。


4歳からは私兵団について魔の森での魔物狩りに参加できるようになりました。暇な日は参加しています。




一年前、母様が死にました。



私は朝早く起きて日課の素振りをしていました。屋敷の方が騒がしくなったように思い、近づいて使用人に話を聞くと母様が死んだと言うのです。慌てて母様の寝室に向かいました。寝ている間に死んだのでしょう。母様の死に顔は穏やかでした。母様は私にとって自分が思うより大きな存在だったようです。心に穴が開いたような心地がしました。私に欠ける心があったことにも驚きましたが、満たされていたようだということにも驚きました。毎日嫌な顔せず私の話を聞く母様、私の髪をすく母様、私に知らない事を教えてくれる母様…でも、どの母様もベッドの上にいました。体が弱くて、体調が悪くても、毎日私と会ってくれていました。

母様は私のことをどう思っていたのでしょうか。もう聞くことはできません。不意に涙が溢れてきました。泣くだなんて生まれてきたとき以来です。これは何の涙なのでしょうか。分からないけど、泣きたいのです。私は悲しいのでしょうか。前世では婆様が死んだときも、爺様が死んだときも泣きませんでした。関わりがなかったのですから当然です。血縁だなんて関係ありません。血が繋がっているから愛しいというような人は家にはいませんでしたから。私が今、悲しいのは穴の空いた心に感情を流し込んで壊れないようにするため。なぜ母様はこんなに大きく私の中にいるのでしょう。どうしてこんなに大きくなったのでしょう。血が繋がっているから?そうではないはずです。その程度の繋がりでここまで大きくはなれないはずです。


父様はベッドの傍で泣いていました。私も泣きました。まだ私には父様がいるから大丈夫だと思いました。父様も母様と同じくらい、私にとって大きな存在だったようです。父様を見ていると、母様を愛していたんだということがよくわかりました。愛とはどのようなものなのかは分かりませんが、私の父様や母様に対する感情が『愛』なのでしょうか。よく分かりません。しかし、私はパレスも含めて大切な人をみんな守れるように頑張りたいです。まずは薬学を学ぶことから始めましょう。


それから何週間か屋敷全体が暗い雰囲気に包まれました。その雰囲気が晴れた頃に私は父様に頼んで薬学の本を買ってもらいました。そして、母様に付いていたお医者様を師とし、薬学に励み、今では調合Lv.7です。




こんな感じで私はこの四年を過ごしました。6歳は社交界デビューの歳です。私は第一王子殿下の誕生パーティーが初めての社交会となります。この国は恋愛結婚を推進しているので社交会で将来の結婚相手を探します。それだけでは少ないので、だいたいの人が12歳から入る学校でも探します。学校は能力さえあれば平民でも入れるので、愛する人が見つかる可能性が高いのです。私はツェーヴェルト家領主としてふさわしい優秀な人と結婚したいと考えていますが、相手に了承してもらわなければならないので「私と結婚してもいいという人」という条件も付きます。でも第一は「どこの跡も継がなくていい人」という条件ですね。ツェーヴェルト家の跡取は私ですから。パレスくらい優秀な人がいればいいのですが、難しいことは分かっていますので、妥協はしましょう。

最近、素の笑い声が「ふははは」に近くなっていることに気がついて驚きました。友達とよく「ふははは」言っているからですかね?

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