憩いと癒しの1日
今回は、ただひたすらにイチャイチャしまくります。
第三章 第三十三部<憩いと癒しの1日>是非最後までお付き合いくださいませ。
朝までコースの後、昼過ぎに目を覚ますと、珍しく俺だけしか起きていなかった。セレア達はそれぞれ安らかな寝顔で静かに寝息を立てている。
昨日はちょっと激し過ぎたかな・・・久しぶりだったとはいえ、ジェラルリードちゃんは初めてだったってのに。いやまぁ、リアの時からずっとそうだけど。競い合うみたいに求めてくれるから、この辺には自重も自制もあったもんじゃないんだよなぁ。
俺の腕の下に潜り込むようにして抱きついたまま眠るセレアとリアの頬にキスをする。
「ふぁ・・?あ、タカシ様ぁ。おはようございます。」
寝呆け気味のままに、リアがギュ~ッと俺を抱き締めてくる。
「えへへ。今、ほっぺにチュッってしてくれました?」
嬉しそうに頬を赤くしながら聞いてくるリア。
何故にそんな事に気付く?恥ずかしいだろっ。
「ん、んん。ごめんな。起こしちゃったな。」
「いいえ。タカシ様と一緒に眠るようになってから、いつも幸せな目覚めばかりですけど、今日はもっとです。」
言いながら胸に頬を擦り寄せるリア。
「本当に夢みたいなんです。タカシ様とお逢いするまでは夜ほど怖い時間はなかったのに・・・」
「そうか。」
手はシャーネとシャーンに握られていて撫でる事ができないから、代わりにリアの額に口づけをする。
リアは他の主人がいた事があるだけに、その間の辛い記憶が多い。俺はほんの断片しか知らないけど、リアも聞かれたくなさそうだから、無理に知りたいとも思わない。だけど、辛かった分、それに耐えた分も余計に幸せになるべきだと思う。少なくとも、今こうして笑っていてくれる時間を守っていきたい。俺のムチャのせいで曇らせる事もあるけど、その分も笑えるようにしていきたい。
「えへへ。他の人が起きるまで、少しだけ独り占めですね。」
心底嬉しそうに笑いながら、俺にキスをするリア。
「そうだな。いつもは皆を見てるから、1人だけをずっとって時間が無いもんな。」
「タカシ様は本当に優し過ぎますよ?いつも皆さんに気を配って、少しも構ってもらえなかった日が1日も無いんですから。こんなに人数がいるんですし、無理はしないでくださいね?」
「ばーか。無理なんかしてないよ。気を配ってるつもりもない。元の世界なら半殺しにされても文句が言えないセリフだけど、俺はリアもセレアもシャーネもシャーンもジェラルリードちゃんも、皆が好きだから勝手に構ってるだけだ。誰が欠けてもイヤなんだよ。」
リアはさらに赤くなり、胸に顔を埋めて隠してしまう。
「・・どうしよう・・・顔がニヤけちゃって、元に戻らなくなりそうです・・・・」
ホンッットにいちいち反応が可愛過ぎませんかね!?狙ってやってないか!?
「ん、んん。じゃ、見せて?リアの嬉しそうな顔が見たい。」
「は、恥ずかしいですよぅ。絶対、凄くだらしない顔になってますもん。」
「大丈夫だって。リアも反則なくらいに可愛いんだから。」
見えているリアの長く尖った耳がさらに赤くなりながら、顔がゆっくりと俺の方に向けられる。
「へ、変になってませ」
リアの言葉を遮るように唇を塞ぐ。
「やっぱり、メチャクチャ可愛い。」
リアはとろんとした表情をさらに嬉しそうに緩ませる。
「タカシ様ぁ。」
俺の首に腕を回して唇を重ね、激しく舌を絡ませてくるリア。
「あぁ~。リアさんだけズルイ~。」
リア側にいたシャーンが体を起こして口を尖らせる。
「あぅ・・・独り占めの時間はもうおしまいですね・・・」
頬を膨らませて、心底残念そうに言うリア。
「おはよ~ございます。主さま。」
体を乗り出して俺にキスをするシャーン。
「ん・・・あ。ご主人様。」
セレアも目を覚まして、そのまま俺に唇を重ねて、情熱的に舌を絡ませてくる。
「おはようございます。ご主人様。」
「おはよ。セレア。」
セレア、リアと順番に目覚めのキスをする。先にリアにしてたのは内緒だ。セレアが知ったら、物凄い拗ね方をしそうで怖い。
「改めて、おはよう。リア。」
「おはようございます。タカシ様。」
セレアもリアも嬉しそうに抱きついてくる。
「あぅ~・・・お姉ちゃん、早く起きないかなぁ・・・」
シュンとしてセレア側で眠っているシャーネに目を向けるシャーン。
「もうちょっとだけ待ってやってくれ。寝たのも遅かったしさ。」
言いながらシャーンの頭を撫でる。
「エヘヘ。は~い。」
膨れっ面が一瞬で笑顔に変わるシャーン。本当にいろんな意味で素直な子だ。
それから少しして、シャーネとジェラルリードちゃんも目を覚まし、シャーネと目覚めのキスをした途端にシャーンが飛びついてくる。
「あ、慌てるな慌てるな。な?」
期待に満ちた顔で見上げてくるシャーンにもキスをする。
「だって、お姉ちゃん、なかなか起きなかったんだもん。」
頬を緩み切らせて言いながら、おもいきり俺を抱き締めるシャーン。
あぁぁぁぁ~っ!可愛過ぎて、また理性が削れてくぅぅぅぅっ!!今日はリアに朝からクリティカルヒットもらってるんですけどぉぉぉぉっ!?
「・・・・あたしもっ。」
シャーンが離れた瞬間にジェラルリードちゃんが飛びついてきて、キスをしてくる。
「おはよ。タカシ。」
メチャクチャ照れくさそうに言うジェラルリードちゃんにもキスを返す。
「おはよ。ジェラルリードちゃん。」
「ねぇ?あたしも呼び捨てがいい。」
「へ?」
「だって、あたしだけじゃない。タカシが呼び捨てにしないのって。どうせ、奴隷にさん付けしてたら、この子達の評判が悪くなるからとかってので、最初から呼び捨てにしてたんだろうけど。」
「エスパーか、テメェは・・・・脈絡無しに当てるなよ。」
「そんなのどうでもいいからぁっ。あたしも呼~び~捨~て~っ!」
俺の肩を持って揺すってくるジェラルリードちゃ・・・ジェラルリード。
呼び慣れたのから変えるのって難しそうだな・・・・
「わ、分かった分かった。ジェラルリード、な。」
「よしっ。」
「でも、今までずっとちゃん付けしてたんだから、最初の内は大目に見てくれよ?」
「ん~・・・まぁ、仕方ないか。早く慣れてよ?」
「了解。」
俺の返答に満足そうに頷いてから、俺の膝の上に座り直すジェラルリード。その瞬間にセレアが右腕を、リアが左腕を抱き締めてくっついてくる。半拍遅れて、後ろからシャーネとシャーンが抱きついてくる。
う、動き早ぇぇ・・・
「ご主人様。本日はどうされますか?」
セレアが期待に満ちた表情で聞きながら、俺の腕を胸に挟んでくる。
こ、こいつ、全力で理性をブッ飛ばしにかかってる・・・!!ニヤけ面が止まらなくなるんですけど!?!?
しかし、今日は明日の出発の準備をしないと。もういい加減、リアと正式契約しておきたいし。まぁ、正式契約しても今と何も変わらないけど、リアの気持ちの上ではやっぱり違ってくるだろうからな。
「と、とりあえず、明日の出発準備をサッと済ましたい。ジェラルリードの装備と服も必要だし、リブラレールまでは結構距離があるって話だから、食糧とかの準備も先にしとかないとな。」
俺の回答に、少しだけ残念そうな顔をするセレアとリア。それをキョトンとした顔で見つめるシャーネ、シャーン、ジェラルリードの3人。
リア。君まで残念そうな顔をするんじゃないの。もう何よりもリアとの正式契約を優先させたいんだから。
「「「「はい。」」」」
セレアとリアの残念そうな声と、それを不思議そうに見ながらのシャーネとシャーンの返事がハモる。
「なんでそんなに残念そうなのよ?」
「うん。珍しくない?」
「あ、い、いえ。」
ジェラルリードちゃんとシャーネの問いかけに、セレアとリアは真っ赤になってしまう。
「ま、まぁ、いいじゃんか。さ、行こう。昼飯も食いたいしな。」
不思議顔のままに首肯するシャーネ達と、物凄く恥ずかしそうに首肯するセレア達。
今、誤魔化しても、後で分かるんだろうけどなぁ。開戦する気満々なのはセレアとリアだけじゃないのだ。
それから昼食と買い物を済ませて、また宿に戻ってくる。
ジェラルリードちゃんの装備には、リアと同じ魔水晶が先端に取り付けられた魔力銀の杖《259000エニー》に、アダマンタイト製の鎖帷子チェインメイル《9900エニー》とバックラー《8500エニー》を購入。金は余りまくってるから、最初っから最強装備だ。
「そ、装備には遠慮は無しって言ってたけど、あんた、本気で金額に頓着無しで買ったわね・・・」
ジェラルリードは軽く顔を引き攣らせながら言う。
「だって、まだ500万エニー以上残ってんだぞ?リアを買うのに必要な金額は確保してるし。」
「ごっ、500万!?どうやってそんな大金手にしたのよ!?」
「あ、あたし達を買ってくださった時に130万エニーも出してくださったのに・・・」
驚愕の声を上げるジェラルリードちゃんと、掠れた声で呟くシャーネ。
まぁ、悪戯の結果として、完全に棚ぼたラッキーな感じで手に入った報酬と馬鹿の自爆のおかげでとはいえ、確かにとんでもない金額だもんな。
簡単にその経緯を話すと、ジェラルリードは大爆笑してしまった。
「さ、サイッコー。あんた、なかなかやるじゃないの~♪その宝飾品店の奴ら、直接見たかったな~。」
「主さまってスッゴいね~。」
「もうどこからツッコミ入れたらいいのか分かんない・・・・ジェラルリードさんの悪戯の件はともかく、複眼の宝玉を手に入れた話とか、主様が言ってなかったら絶対に信じらんないもん・・・」
待て、シャーネ。なんで俺が言うと信じられん話が信じられる?それ、絶対に信用云々が理由じゃないだろ?
「あ。そうだ。手に入れたで思い出した。」
リュックを取って、中から4つのアイテムを出す。
「これ、遺跡の帰りに適当に見つけたのを拾ったんだけど。」
「あぁ。嫌がらせ用の。どれどれ?」
俺が出したアイテムをジェラルリードは1つ1つ見ていく。見る度に、顔が険しくなっていくのはどして?
「あんた、よくもまぁ、こんなレア系ばっかり見つけたわね・・・罠は大丈夫だったの?」
「罠?あったっけ?」
「いいえ?壁の中や柱の中から自然に取り出されてましたよ?」
リアの答えに、ジェラルリードちゃんは何かを諦めたように大きなタメ息をつく。
「・・・そっか・・普通に取り出したんだ・・・ややこしい魔法の罠が仕掛けてあった筈なんだけど・・・・」
「あ、やっぱりですか?見た目からだとそこに何かがあるようには全然見えないのに、タカシ様が操作盤みたいな物を少し触っただけで取り出し口が開いたりしてましたから、操作に失敗したら罠が発動するタイプじゃないのかなって思ってたんですけど。」
脱力気味のジェラルリードの言葉に、あっけらかんと言うリア。
「・・・規格外もいいトコじゃない?」
「主様のやる事とか言う事に、いちいちビックリしてたら身が持たないですよ?」
「うん。セレアさんみたいに、主さまだから~で納得できちゃうようになった方が楽だと思うよ?」
「実際、タカシ様ですからね。これくらいなら私も普通に納得できます。」
ジェラルリードちゃんの問いかけに、口々に達観したような事を答えるシャーネ、シャーン、リア。
お、お前ら・・・物凄い納得と諦めの仕方をしてくれてるな。まぁ、話が楽でいいんだけど。
「ハァ。まぁ、確かにね。強さだけでも充分に異常だし。」
異常とか言うな。異常とか。それならまだ規格外の方が響きがいいぞ。
「と、ところで、ご主人様。」
セレアは顔を赤くしながら、潤んだ瞳で俺を上目遣いで見つめてくる。
「あの・・・も、もう、我慢しなくても、いいですか?」
そう言って、俺の手を取って胸に触れさせるセレア。
「あっ!わっ、私も我慢してたんですよぉっ!?」
リアも反対の手を取って胸に押しつけてくる。
「あ~っ!もうっ!!」
堪らず、2人をギュッと抱き締める。
「俺も我慢してたってのに!」
そのまま、2人の舌をそれぞれに吸う。一気に惚けた顔になり、しなだれ掛かるように抱きついてくるセレアとリア。
「あぁ~っ!?セレアさんもリアさんもズ~ル~イ~ッ!」
隙間に潜り込むようにして抱きついて、舌を絡ませてくるシャーン。
「ちょっ!?まさか、メチャクチャ残念そうだったのって、コレ!?」
「「はい。」」
顔を真っ赤にして言うジェラルリードに、蕩けた表情のままに甘い声音で答えるセレアとリア。
「依頼などの予定が無い日と出発を控えていない日は、1日中可愛がっていただける日なんです。」
「この日が1番幸せな日なんです。」
「あ、じゃあ、街に泊まってた日って今までもずぅ~っとぉ?主さまぁっ。あたしもぉっ。主さまに触ってもらうのも主さまに触れるのも大好きだもん~。ねぇ?いいですぅ?」
そこにシャーネが後ろに回っておもいきり抱き締めてくる。
「そっ、そんなのあたしも大好きですよっ!?あたしも入れてくださいっ!!」
「ちょっ、ちょっとぉっ!!あたしもぉっ!!!」
ジェラルリードも後ろに回って抱きついてくる。
それから夜まで休憩無しの連戦をしてしまった。セレアとリアに触れた時点で、理性なんか宇宙の彼方に吹き飛んでたんだから仕方ない。さらに、セレアとリアが危険な服達を持ち出してきて、シャーネ達にも貸してあげたりするもんだから、激しさに拍車が掛かったりもした。元からかなり激しかったんだけど。
「タカシってタフねぇ。1回、1対1でしてみたいかも・・・壊されるくらいにメチャクチャにしてほしいな・・」
「私だけの頃はまだ私も慣れていなかったですからね・・・今なら、もっと・・・・」
「タカシ様と2人で・・・」
「・・・主さまとずっと繋がってられる、よね?2人きりでなら・・」
「・・・・ちょっと堪んないかも・・・」
期待を込めた瞳でそれぞれが俺を見つめてくる。
なんでそんなに可愛い事言ってくれるかな!?
「そう、だなぁ・・・でも、待ってる間、平気か?」
「「「「「うっ・・・」」」」」
全員が声を詰まらせる。
「・・・・ご主人様と2人きりの時間がいただけるのなら、堪えてみせますっ!」
決意の表情で言うセレアだけど、すぐに耳が垂れてシュンとなる。
「でも、一晩は無理です・・・寂しすぎて死んでしまいます・・・・ご主人様に買っていただいてから、ご主人様と離れて眠る事なんてありませんでしたから・・・」
「それは私も絶対に無理です。」
「あたしも主さまと一緒に寝れないのはヤダ。」
「うん。やっと一緒のベッドにいられるようになったんだもんね・・・」
「・・・一晩はあたしも無理かも・・・・」
セレア達の意見に顔が熱くなってしまう。
ホントにいちいち言う事が可愛過ぎるんだよっ!!
「ん、んん。じゃあ、リアとの正式契約が終わって落ち着いたら、部屋を2つ取って、その時間だけ交代していって、最後は皆で休むってのなら大丈夫そうか?」
「「「「はいっ!!!」」」」
「それ、あんたは大丈夫なの?」
「大丈夫だろ。これだけやってんだから。」
「ま、それもそうね。」
そう言って、ジェラルリードもセレア達に負けないくらいに嬉しそうに笑顔を浮かべた。
物凄い予定ができてしまったけど、こんなに幸せでいいんでしょうか?元の世界なら、確実に刺されてるよなぁ。
そんな事を思いながら、嬉しそうなセレア達に囲まれて皆で眠りに落ちていった。
せっかく見つけたアイテムの鑑定も急ぐ必要が無いせいで、後回しにしてしまう主人公です。セレアとリアとの3人だけの習慣だったものが、これで全員の習慣になりました。
ちなみに、主人公がアイテムを見つけたのも魔法の罠を解除していたのも、既出の【発見】の能力によるものです。魔法の罠は操作盤で解除キーを見つけるタイプのものだったので、普通は手当たり次第に押していくしかないのですが、主人公の能力の前には複数のダミーも意味をなさなかったのです。
では、これにて第三章 第三十三部の幕を下ろさせていただきます。最後までお付き合いいただいた皆様に感謝です。
次回からは新章突入となりますので、是非また次回もお付き合いくださいませ。




