出発前夜の甘い空間 ~シャーネ視点編~
今回の話は前話のシャーネ視点となります。
第三章 第二十一部<出発前夜の甘い空間 ~シャーネ視点編~>是非最後までお付き合いくださいませ
今日、あたし、シャーネと妹のシャーンは人間族の男性に買われた。
本当は奴隷商会での厳しい調教が終わって売りに出される事が決まった日に、もう2度と生きてはシャーンに会えない事を覚悟しなきゃいけなかった。でも、昔からあたしがいないとダメなシャーンが心配で、どうしても覚悟が決められなかったの。だから、今の主様があたし達に興味を示した時は絶望した。有翼族の奴隷はこの辺りでは数が少ないせいで、あたし達の値段はとんでもない高額になっていたんだもん。絶対にどっちかしか買えるわけがないって思ってたから。
でも、主様は、あたし達が双子で、離れたくないって思ってるのを確認してくれた上でまとめて引き取ってくれたの。最初はなんでそんな事を聞くのよって思ったわ。でも、きっとあたし達の様子を見て、察してくれた事が間違いじゃないかを確認する為だったのね。人間族なのに亜人族の、しかも奴隷の事を気遣ってくれる人がいるなんて想像もしてなかったわ。
でも、やっぱり何か思惑があるみたい。いつか自分の利点になるなんて言うんだもの。でも、どんな利点になるのかしら?
2人だけだけど、凄く綺麗な人を連れてるって事は間違いなく性欲を満たす為に使ってるんだろうし、それはきっとあたし達も同じ運命。性奴隷として仕える事も明言させられてる以上は避けられない。でも、シャーンは絶対に守ってあげなくちゃ。こんなに綺麗な人が2人もいるんだし、シャーンとあたしは瓜二つの双子。あたしが頑張れば、シャーンには興味を示されなくても済むかもしれない。頑張らなきゃ。だって、あたしはこの子の姉なんだもの。
でも、それはきっともう今夜にでもの話よね?少なくとも、いつかの利点じゃない気がする。全然分かんないや。白金級の冒険者らしいし、やっぱり凄い先を見通してるのかも。怖いな・・何をさせられるんだろう・・・
とりあえず、少しでも早くに気に入ってもらえるようにしなきゃと思って、お礼を言って頑張って尽くす事を伝えてみた。そしたら、なんでか凄く困った顔をされた。何か失敗したのかもと思って、挽回する為に頭をグルグルさせてたら、リアさんってエルフの女の人が何かを主様に耳打ちして、主様は納得顔で命令するって言ってきた。
一体何を告げ口されたんだろうと不安だったけど、ここで返事をすぐに返さないと絶対にマズイと思ったから、できる限りにいい返事をした。シャーンにも返事とお礼とお詫びだけはすぐにするようにって言い聞かせてたから、同時に返事ができた。
「あんまり堅くならなくていいから。普通に喋っていーよ。と言うか、そう畏まらないでくれ。マジでそういうの苦手なんだよな。無理矢理崩せってわけでもないけど。」
そしたら、なんか有り得ないような命令をされた。
いやいやいや。有り得ないでしょ。奴隷じゃなくたって、有翼族が人間族の冒険者に下手な口の聞き方をしたら何をされるか分かんないのに、主人になってる、しかも、白金の冒険者がそんな事を奴隷に言う?でも、なんか本気で言ってるっぽい。
「んで、恩に報いてくれるつもりなんだったら、無理も無茶もしない事ように。せっかく姉妹一緒にいられる事になったんだから、無理してどっちかに何かあったら意味がなくなるだろ?」
さらになんか有り得ない命令された!?
ビックリし過ぎて、思わず間の抜けた声が出ちゃった。だって、こんな命令、どういう風に聞いてもあたし達の為に言ってるようにしか聞こえないじゃない。
「んで、これは命令じゃなくて、あくまでお願い。嫌な事は嫌って言って、やりたい事はやりたいって言ってくれ。せっかくだから、皆で楽しく笑って過ごしていきたい。」
もっと有り得ない事言われたわよ!?しかも、命令じゃなくてお願いって何!?これは従わなくていいって事!?
でも、嫌な事は嫌って言えって言われても、普通はそんな事言えるわけがないわ。だって、それで機嫌を損ねたらどうなるか分からないんだから。
って言うか、そんなお願いも命令も普通は絶対にしないと思うんだけど。一体何を考えてんのかしら?何かを試されてる、とか?
「あの。ご主人様。私の時にも仰ってくださいましたが、ご主人様のお優しさは奴隷の身には想像の範疇外以上ものです。驚きで何と言えばいいのか、本当に分からなくなってしまいますよ?」
もう頭が完全にパニックになってたら、セレアさんが気持ちを代弁してくれた。でも、そんな注意めいた事言って大丈夫?獣人奴隷って扱いが酷いって聞くのに。
「え?そなの?」
あたしの心配を余所に、あっさりとその発言を受け入れる主様。心が広い人、なのかしら?物凄くお金持ちだし、きっといろいろ余裕があるのよね。
「はい。奴隷になる前に聞かされた話や想像していた奴隷の生活とは掛け離れ過ぎていて、申し訳ない事ですけれど、私は何かを試されているのかと邪推してしまっていました。」
とか思ってたら、さらに危ない事を言い出すセレアさん。
わざわざそんな事言って機嫌を損ねたらどうすんの!?いくら前の事でも、絶対に怒らせちゃうわよ!?
「あぁ。なるほど。都合が良すぎると、何かの罠かって思うもんな。」
でも、またあっさりと納得してみせる主様。
え、えぇぇぇ・・・確かに普通はそう思うって納得できるかもしんないけど・・・・この人、絶対に変。
「はい。」
「そっか。んじゃまぁ、聞いてくれてるだけでいいや。習うより慣れろって言うし。な。」
ホラ。ド失礼な事をサラッと肯定されてるのに完全に納得して、しかも、あたし達にまで軽く聞いといてってくらいに命令した事を流しちゃうし。優しく頭を撫でてきたりするし。絶対に変人だわ。
・・・・でも、こんな風に頭を撫でられたのなんて、いつぶりだろ・・・
それから、どこに向かってるのかと思ってたら、武器屋に到着。さっき大金を使った所なのに、お金持ちは違うわね~とか思ったんだけど、買い物は買い物でも、買ったのはあたしとシャーンの靴だった。それも、旅人用のしっかりした高級品。
あたし達を買うのに散財したばっかりだっていうのに、裸足のままは痛いだろって何それ!?確かに痛かったけど、だからってこんな高い物をいきなり有翼族の奴隷に買い与える!?痛いのはあたし達で、主様はなんともない筈、でしょ?ホントに、何をさせられるんだろ・・・怖いなぁ・・・・少しでも早くに気に入ってもらわなきゃ。
それから、宿に着いたら、主様はまた恐ろしい事を言い出した。あたし達用に部屋を取るって。しかも、主様達の泊まってる部屋と同じグレードって・・・・さすがに遠慮しなきゃと思ったけど、これがこれからの当たり前みたいな事言われた。姉妹2人きりの方がいろいろ心配なくて、ゆっくり休めて疲れも取れるだろって・・・もうなんかビックリするのにも疲れてきちゃったわ。こういう人なんだって理解しよう。
それから、部屋の前で魔石の操作ができるか聞かれた。最悪。最初の仕事ができない事だなんて。絶対にマイナスだわ。気にしてないようにしか見えないけど、最初からもうこれ以上はマイナス印象を持たれたら、絶対にヤバイ。
だから、性欲を満たす役を買って出たわ。本当は好きでもない相手に初めてを奪われるなんて嫌だけど、これは覚悟してた事だもの。でも、横でシャーンまで黙ってだけど頷いてるのが見えた。
バカッ!あんたはいいのよっ!少しでも影を薄くしてなさいって言っておいたのにっ!どうか気付かれてませんように!!
でも、あたしの内心の動揺よりも、何故か主様の方が動揺しているように見えて、しかも、拒否されてしまった。もう体に興味が湧かないくらいに嫌がられたのかと思って、必死に使ってもらうように頼み込んだわ。またシャーンまで加わってきて、今度はお願いしますとか言っちゃってるし!あんたはいいんだってばっ!
動揺しまくりのあたしに、何故か主様は心底困ったようにセレアさんとリアさんに助けを求めた。
そこからは完全に単なる惚気。嘘みたいだったけど、セレアさんもリアさんも主様が本気で心底好きみたい。好きでもないのに、主様に抱かれるのは許さないって言ってた2人の目が本気で真剣だったんだもん。ちょっと怖かった・・・
セレアさんは主様の事を信じられないくらいに優しいって言ってた。リアさんも、主様が言う事はそのまま受け取っていいって・・・ホントなのかしら?信じられないけど、動揺し過ぎて、言葉遣いが乱れちゃっても全然怒りもしないし、怒るどころか、体を捧げたりしなくてもあたし達を酷く扱ったりしないって1番不安に思ってた事を否定してくれた。
「可愛い子が身の回りに増えるってだけで充分だよ。可愛い子を見てれば、それだけで幸せなんだから。」
そんな冗談まで言って、安心させてようとしてくれた。でも、急にそんな冗談は止めてほしいわ。恥ずかしいったらないじゃない。
「そう気を張らなくてもいいよ。俺の奴隷になった以上は、俺がちゃんと妹もシャーネ自身も守ってあげるから。これからは自分1人で頑張んなくても大丈夫だよ。お姉ちゃん。」
頭をそんなに優しく撫でながら、そんなに優しい言葉を掛けないでよっ。姉のあたしが頑張らなきゃいけないのにっ。シャーンを守ってあげなきゃいけないのに・・・・張り詰めてたものが切れちゃって、涙が溢れてきちゃったじゃない・・・
主様達が部屋に入ってから、あたし達も宛てがわれた部屋に入った。部屋の中は見た事が無いくらいに豪華で、本当にこんな所で眠っちゃっていいのか不安が込み上げてくる。でも、それ以上に今のあたしの頭の中は、主様の事でいっぱいだった。
主様はホントにどういう人なんだろう?セレアさんが言う通りに優しい人なのかな?会ったばかりの有翼族の奴隷に、どうしてこんなに気を遣ってくれるのかしら?感じたままに、優しくしてくれてるって思っていいのかな・・・・
「お姉ちゃん?」
不安そうにあたしを見つめるシャーンの呼び掛けで我に返った。考え込み過ぎてたみたい。
「あ、ごめんごめん。ちょっと考え事をね。」
「主さまの事?」
「ん。まぁね。」
「優しい人みたいだよね。セレアさんもリアさんも主さまが大好きみたいだし、ビックリしちゃったけど、お姉ちゃんにもスッゴく優しくしてくれて・・・・人間族にも怖くない人がいるんだね。」
「あんたねぇ・・・」
この子はちょっと素直過ぎるというか、単純過ぎる所があるのよねぇ。故郷にいた頃から何回も騙されてからかわれてるのに、酷い目には遭ってないせいで人を疑うって事をあんまりしない。アホの子って程じゃないんだけど、危なっかしいのよねぇ。
「ちょっとは警戒しなさいっての。何を考えてるかなんて分かんないだから。」
「え?でも、リアさんがそのまま受け取っていいって言ってたよ?それに、セレアさんも凄く優しい人だって。」
「だぁかぁらぁ。それはあの人達だからかもしれないでしょ?えっちだってしてるみたいだし、主様の事をメチャクチャ好きみたいだから、甘くなってんのかもしれないじゃないっ。」
「でも、セレアさんが言ってたよ?初めて会った時からずっと同じように優しいって。」
「美人だからじゃないの?男なんて下心ばっかなんだから。」
「? でも、主さまはあたし達には無理矢理はしないって。それに、セレアさんもリアさんも主さまの事が好きじゃなかったらダメだって言ってたよ?」
「ん、ん~・・・あたし達が好みじゃないから、とか?」
「可愛いって言ってくれてたのに?」
「分っかんないわよっ。でも、警戒はしとかなきゃダメッ!!もし、嫌われたらどんな酷い目に遭わされるか分からないんだからっ!!」
「あ、そっか。商会でもみんなそう言ってたもんね。嫌われないようにしなきゃ。」
「そういう事。」
そこに、ノックの音がした。
あ、やっぱりヤられちゃうのか・・・
「はいっ。」
すぐにドアを開けると、そこにはリアさんだけが立っていた。
あれ?なんで?さっきの感じじゃ、その為に呼びに来たりなんかしなさそうだったのに。命令、かな?それなら逆らえないし。
「お邪魔します。もうお食事は済みましたか?」
あ、しまった。もうそんなに時間が経ってたなんて。
「あ、あの・・・」
動揺を隠せないあたしに、リアさんは優しく微笑んだ。
「ですよね。いきなりこんな豪華な部屋を宛てがわれて、好きに食事をしていいって言われても本当にいいのか不安になっちゃいますよね。」
図星を突かれて、言葉に詰まってしまう。リアさんも主様が好きなのは間違いないから、下手な事は言えないわよね。全部筒抜けになっちゃうだろうし。
「私の時はちょっといろいろありましたから、自分で食事を頼むのにもお風呂に入らせてもらうのにも不安を感じる事もなかったんですけど。それじゃ、先に食事を頼んできますね。あ、部屋での方がいいですよね?食堂じゃ落ち着かないでしょうし。」
「え?あ、あの、本当によろしいのでしょうか?」
「はい。と言うより、食べないとタカシ様が困っちゃいますよ。食べないと怒るなんて仰ってましたけど、私達にも怒った事なんてただの1度もないんですから。」
「いっ、1度もですか!?」
「はい。意外でしょ?タカシ様が怒るのは、いつも私達に差別的な扱いをする人間族相手だけなんですよ。 もっとご自分を軽んじる愚か者相手にも怒ってほしいんですけど・・・あ、それじゃ、頼んできますね。」
そう言って、リアさんは部屋を出ていってしまった。
嘘でしょ・・・商会に来てた冒険者なんて、待ち時間が退屈だなんて八つ当たりで奴隷を殴りつけたりしてたのに、ただの1回もないだなんて・・・・
「やっぱり物凄く優しい人なんじゃないのかなぁ?主さまって。」
「う、うん・・・」
シャーンの言葉に、さすがに否定する材料が見つからなくて曖昧に頷く。
少しして、リアさんが戻ってきて、お風呂の準備を始めてくれる。この為に来たんだ・・・そういえば、お風呂の準備を任されてたっけ。
「いろいろ不安ですよね~。タカシ様の優し過ぎる所は、深読みすると何か思惑があるようにしか見えませんし、こんな高待遇なんて、私達亜人族には無縁のものですしね。私も最初は体を捧げなきゃいけないと思ってましたよ?」
「え?」
まるで最初はそうなるのが嫌だったみたいな言い方だけど・・・
「ふふ。嫌でしたよ?最初は、ですけどね。」
心を読まれた!?そんなに顔に出ちゃってたの!?
「も、申し訳ございません。そのようなつもりでは・・・」
「いいですよ。今はタカシ様に抱いてもらえるようになったのは凄く幸せになってるんですもん。想像ができなくて当たり前だと思います。最初は誤解してしまっていて、タカシ様の優しさを歪めて捉えてしまっていて・・・誤解だと分かってから少しずつタカシ様に引かれていって、好きになってる事を自覚した時は凄く後悔しましたよ?」
「後悔、ですか?」
「はい。セレアさんみたいな可愛気のある奴隷じゃありませんでしたから。それでも、タカシ様はずっと優しかったですけど、この気持ちを受け入れてなんてもらえないだろうなって思ってましたから。」
可愛気がないとか、全然想像ができない。街中でも主様はデレデレだったし。
「だから、タカシ様をお慕いしろとは言いません。むしろ、言いたくありません。私はまだ正式な奴隷契約ができてないんですから、せめてそれまでは止めてほしいです。タカシ様の2番奴隷は私なんですから。」
「せっ、正式な奴隷じゃないんですか!?じゃ、じゃあ、命令は・・・」
「あぁ。聞かなくても呪印は発動しませんよ。普通なら、こんな風に従ってる奴隷なんて有り得ないでしょうね。これが前の主人だったら、とっくに逃げ出してます。」
「嘘・・・じゃ、じゃあ、本当に主様が好きだから従ってるだけっていう事、ですか?」
「いいえ?」
「え?」
「大好きだからです。身も心も全てを捧げても、まだ全然足りないくらいにタカシ様を愛してるからです。もう、抱きつきたいのも抱き締めたいのも我慢するのが・・・あぁっ!?」
「え?え?」
いきなり頭を抱えて叫ぶリアさんに、戸惑う事しかできないあたしとシャーン。
「もう絶対に始めてる!私だって我慢してたのにぃっ!!セレアさんには徹底して弱いんですから!!」
そっち!?リアさんにも凄くデレデレしてたと思うけど!?
「とっ、とにかくっ。お湯は張りましたからお風呂にはご自由にどうぞっ。魔力は余分に籠めましたから、あと2回は入れる筈ですっ。あと、ちゃんとベッドで寝てくださいねっ。これは着替えですっ。それじゃ、何かあったら必ず呼んでくださいっ。失礼しますっ。」
捲し立てるように言って、リアさんは部屋を飛び出していってしまった。後には、ポカンとしたあたしとシャーンが残されるだけ。
「・・・・リアさん、必死だったね。お姉ちゃん。」
「・・・・・・うん。それに、正式契約がまだだったなんて・・・・」
「やっぱり、主さまは本当に優しい人なんじゃないのかなぁ?喋り方も雰囲気もスッゴく柔らかいし、リアさんもあんなに好きでいるみたいだし。」
「ん、ん~・・・かもしんないけど、だからってやっぱり気を抜いちゃダメよ。」
「はーい。優しい人だったら、やっぱり嫌われたくないもんね。」
「ハァ。そうねぇ・・」
どこか呑気なシャーンに軽く脱力感を覚えながら、ソファーに座ってみた。凄くふかふか。故郷のベッドよりも柔らかいわよ。これ。
それから、運ばれてきた晩御飯を食べて、お風呂に入って、リアさんが置いていってくれた着替えに袖を通した。ご飯は凄く豪華で、奴隷になる前だって食べた事がないくらいに美味しかったし、憧れだったお風呂は想像よりもずっと気持ちが良かった。
着替えは羽根が出せないからちょっと窮屈だったけど、綺麗でいい匂いがした。きっとあたしのはリアさんので、シャーンのはセレアさんの物だと思う。胸の所のサイズがシャーンの方もピッタリだし。双子の姉妹なのに、なんでこんなに違うのよ。
それから、寝転んだベッドは体が沈み込みそうなくらいに柔らかくて暖かくて気持ちがいい。シャーンも喜んでたけど、緊張し過ぎて思ってたよりも疲れてたのね。すぐに寝ちゃった。そんなシャーンの寝顔を見るあたしもやっぱり疲れてたみたいで、そのまま眠りに落ちちゃった。
お腹いっぱいに美味しい物を食べて、お風呂に入って、綺麗な服を着て、ふかふかのベッドで妹と眠るなんて、絶対に奴隷の生活じゃないわよね・・・夢じゃありませんように・・・・
眠ったシャーンの手を握って、そんな事を思いながら。
シャーンを守る為に、シャーネの警戒心は通常よりも少し高くなっています。根がシャーン同様に素直なんですけどね。
また、シャーンは素直ですが、見境無しに誰でも信じるわけではありません。だからこそ、酷い目に遭う事がなかったんです。騙されてからかわれるのも、友人同士の戯れレベルの話だったりします。シャーネに少し過保護過ぎる面があるんですね。ただ、シャーン自身はお姉ちゃんを尊敬していて信じているので、それが過保護だとは感じていませんが。
では、これにて第三章 第二十一部の幕を下ろさせていただきます。最後までお付き合いいただいた皆様に感謝です。また次もお付き合いいただければ幸いです。




