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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第125話 殺す覚悟はあるのですか?

9月中は、毎日書きたいと宣言して、すぐにサボってしまった。

「皆さんおはよう!」


 明るく気さくなシンタヌ先生の挨拶に、それぞれ挨拶をかえす。


「今日の魔闘気訓練学は、座学にする。毎週毎週、週の始めから身体を動かすのは、辛いだろう?」

「先生~、魔闘気使うのは精神力が大事っすよ? 体力だけじゃないでーす」

「そうだな。でも精神力を酷使するのも疲れるだろ。それともガッツリやるか?」

「座学で良いでーす」


 教室内が笑いと雑談で賑わう。


 俺として、身体を動かしても良いんだけどな。優クラスと良クラスでは時間割が違う。優クラスの週の始めはギルド学だったなぁ~、眠くなるんだよ。


「魔闘気を使って戦うにあたって、5大流派というものがある。この間レベルの高いハイファルネン流派の戦いを見る機会があったが、見た者はいるか? 凄かったぞ!」

「せんせー。見たっていうか、その凄いハイファルネン流と戦った人がいまーす」


 余計な事を言うな! 負けたんだから!


「もちろん知ってるさ! その人は、魔闘気訓練学の成績が良くないみたいだから、戦いの感想を文章にして、提出してくれれば、少しは評価をあげようかな」


 おぉ! マジか! レポート提出で点数をくれる大学みたいだな。


「はい! 先生!」

「ユウ。どうした?」

「6大流派です! 1つ忘れてます」

「あっ。あ~。すまんが、アレは戦えないだろ?」

「何言ってるんですか! 戦えますよ! カイさんは、それで世界を旅してるんですよ!」

「あぁ~。分かった分かった。6大流派だな! 分かった。けど、先生は5つしか知識が無いんだよ。使えるのは3つだけだ。なので悪いけど、授業では5つしか教えれないからな」


 な、なんだ? この間も、こんなん見たな。 公式認定されてない。6つ目の流派があるのか?

 あとで、ユウに聞いてみよう。


 それにしても、シンタヌ先生って3つの流派を使えるのか。すげ~な。


「とりあえず、ハイファルネン流について、勉強しようか。どの流派も普通は上級以上の使い手の下に弟子入りして学ぶのが一般的だが、簡単な使い方ぐらいなら初級の先生でも教えてられるので、試してみようか!」


 戦闘術ハイファルネン流。

 魔闘気の研究が行われてから、最初に生まれた流派で、600年ほどの歴史を持つんだとか。始めは魔闘気の技で、持っている武器に魔力で強化するのを、手から離れた物にも影響させる事を目的として、投擲武器の強化と軌道操作ができる程度だったらしい。

 その後、長い歴史の中で研究と鍛錬によって、今の形になった。


 ハイファルネン流の中も3つに分けられ、軽くて小さい物を攻撃的に使う攻撃の型と、大きくて丈夫な盾を操作する防御の型と、投擲武器を強化して自在に軌道を操る古来の型、があるんだとか。


 授業の終わりに、自分の髪の毛を抜いて、指に巻いておく。という事をした。よく分からないが、ハイファルネン流の練習らしい。


 俺にも、あの奥義が使えるようになるなら、変な練習でも、授業でもやるぜ!



   ※   



 その2日後の水の日、この日も1コマ目は魔闘気訓練学で、教室にて座学とちょっとした練習になった。


「今日は、最も習得しやすく、最も使用者が多い流派、ダブスレイ流について学んでいこうか!」

「先生~。この間、指に巻いた髪の毛は、どうするんですか?」

「アレは、明日の授業で使うから、そのままにしておくように! たぶん、才能がある人なら、明日にハイファルネン流が少し使えるようになる」

「「「えぇ~?!」」」

「本当かよ~」

 

 教室がざわめく、俺も同じ気持ちだ。そんなんで使えるようになるなら、全ての冒険者が使い手になるぞ!


「それよりも、ダブスレイ流の話をしていくぞ~。これは頭の柔らかさが必要になってくる。認識拡張と言うんだが、考え方の柔軟さがあれば、比較的に誰もが習得できる」


 先生の説明によると、ダブスレイ流は、魔闘気の体の陽と、魔闘気の技の陽を同時に使って、二重掛けする事で爆発的はパワーを生み出せるらしい。


 「皆が愛用してる物…… そうだなぁ~。鉛筆にしよう! 鉛筆に魔闘気で強化するんだ。魔闘気の技は、普段からよく使う物や、自分の身体の一部のように愛用してる物に、魔力を纏わせて強化する。鉛筆の大きさなら出来ないかなぁ~?」


 皆が、それぞれ鉛筆を取り出して、唸ったり集中して目を見開いたりする。しばらくすると。


「先生できました!」

「俺も出来た」


 4人ぐらいの生徒が魔闘気の技の陽で、鉛筆を強化する事に成功していた。


 当然、俺は出来ない。


「出来た人は、その状態を維持したまま、魔闘気の体の陽で、自分の手を強化してみてくれ。そして、認識拡張で鉛筆を身体の一部と思うんだ。身体の延長上だと意識して、鉛筆にも魔闘気の体の陽を纏わせるんだ。こんなふうにね!」


 なるほど! それで二重掛けが出来るのか!


 その後の授業時間の間は、ダブスレイ流の練習をする事となった。2人ほど鉛筆を二重掛け強化できる者が現れて、鉛筆チャンバラを始めてた。


 なお、1つも俺は出来ないので、二重掛けどころでは無かった……



   ※   



 次の日、樹の日の1コマ目も魔闘気訓練学だ。


「今日は、俺が教えられるの最後の流派、マギスール流について説明するよ。あと2つの流派についても、概要だけ説明するよ」


 ダブスレイ流は、俺には習得できる気配すらなかった。残りにかけるしかないので、今日の授業もしっかり聞いておかなければ!


「先に、幻魔心流とウィザード流について説明しようか。まず、幻魔心流は2番目に習得が難しいとされ、才能や相性も大きく影響するとされている。魔闘気の心の陰を限界まで極める事で、相手に幻のを見せる事ができる。幻の太刀を避けさせたり、防ぎさせたりする事で、本物の太刀で斬るという。恐ろしい流派だ」

「この間の決闘で、最後に変な動きをしてたのは、それですか?」

「そうだ。おそらく、決闘者イーゼァには幻の太刀が見えていて、それを防ごうとしたのだろう」


 俺は、まだ見た事がない。もしかしたら魔闘気を使えない者には見えないのか? だとしたら対人戦向きだなぁ。獣や魔獣相手には微妙な流派かもしれん。


「次は、最も習得が難しいとされるウィザード流だ。これは、どうやって習得するかも、何が起こってるかも分からない。分かっているのは、目に見えない衝撃波が襲ってくる。という事と、魔女教団の者しか習得できない。という事ぐらいだ」

「えっ!? 魔女教団だけが習得できるんですか?」

「そうだ。このウィザード流派を習得したいだけで魔女教団に入る奴もいる」


 マジか。俺も入ろうかな……


「じゃぁ、最後にマギスール流だが、これは知識量がないと習得できない。とされている。それと観察眼だな。人体構造を理解して精神構造も理解し、相手を理解すると、魔闘気の体の陰と魔闘気の心の陰を両方使って、相手を弱体化させる事ができる」

「先生~、弱点化って、どんな感じですか?」

「疲労を増やして、動きを鈍くしたり、精神に干渉して士気を下げたりだな。ギルドマスターのクーさんは、相手の魔闘気を封じる事ができるぞ!」


 魔闘気を封じる?! 凄いな。こっちが魔闘気の体の陽で肉体強化ができれば、一方的に相手を倒せるんじゃないか?


「さて、3日前に指に結んだ自分の髪の毛に意識を集中させて、魔力をこめてみようか。才能か、相性があれば、ハイファルネン流を感じる事ができるぞ!」


 おぉ! よし。やるぞ!


 他の生徒達も一斉に集中し始めた。皆、自分の指と睨めっこして唸っている。


 しばらくすると、声をあげる者が出てきた。


「う、浮いた。浮いたぞ!」

「俺もだ! 髪の毛が浮いてる!」

「私もできた!」

「いいぞぉ! 魔闘気の技は、自分の思い入れのある武器、毎日毎日、手入れして、身体の一部のように手に馴染む物でないと、いけない。まぁ、自分の髪の毛なら浮かす事ぐらいなら出来ると思ってたよ」


 意外にもクラスの半分は、髪の毛を浮かす事ができている。もちろん俺は、できない側だ。


 その後も授業時間いっぱい練習したが、俺の指に巻いた髪の毛は、ピクリともせず、3日間ダサいアクセサリーとなってただけだった。



   ※   



「という1週間が、あったんですよ!」

「それで? なんなんです? 突然、早朝に訓練に付き合え! だなんて」

「早朝って、いっても、いつもの早朝訓練より1時間早いだけだろ? それにノアは寝なくてもいいじゃないか! というか、普段から寝てないだろ?」

「そうですけど。で? どうするんですか?」


 翌日の風の日、俺は早朝自主訓練を1時間早く行う事にした。今日の夕方からノアはヒトラ様の所に行ってしまうからな。


「何か、攻撃力をくれ!」

「攻撃力? なんで?」

「なんで? じゃないよ! 今の俺には足りないのは攻撃力だからだよ。それなりの体力と持久力はついてきた。能力のおかげで頭部以外の怪我も大丈夫だ。けど、相手を倒す手段がない。どうしたらイイかな?」

「マスターは、ヒーローでしょ? 守る戦いが大切なのでは?」

「そうだけど、守るだけでは、最後には守りきれない。それで今回、ノアを奪われただろ?」

「そうですね。まぁ、そうですけど」


 俺は必要だと思うんだけどな。何をそんなに渋っているんだろうか?


「マスター。分かってるんですか?」

「何を?」

「攻撃力を持つという事は、相手にダメージを与える。という事ですよ?」

「それは、分かってる。でも今後、どうしても必要な時はあるだろ」

「致命的なダメージを与える事もあるかもしれませんよ?」

「なんだよ。俺には似合わないってか?」

「いえ。そうでは無くて……」


 ノアは、鋭い眼をして、少し低いトーンの声で問いてきた。


「殺す覚悟はあるのですか?」

「!」


 そうか…… そうなるよな。


「とりあえずですね」


 ノアは空間に手を突っ込んで、何かを取り寄せた。その掌には太いマーカーペンのような、銀色で右先端が赤く左先端が黒い円筒が5つ握られている。


「コレを、どうぞ。使用するのはマスターの意志でお願いします」

「コレは?」

「黒い方からは火柱が出ます。それで飛んで行きますが、今は出ません」

「小型火炎放射器では無いと」

「赤い部分は、少し押し込めます」

「なるほど。そうか! ここを押して、後から火柱が出て、ライトセイバーみたいに使うんだな!」


 とりあえず、赤い部分を押して、剣のように構えてみる。


 だが、火柱は出ない。


「アレ?」

「マスター? もしかして、押しました?」

「あぁ。火柱は?」

「それは、ユニットDDに装備されているミサイルです。今は30秒のディレイをかけてますが、先端に衝撃で爆発します」

「えっ?」


 その日、ユウツオの円柱地形の北側、8年前の事件で円柱地形が崩れている立入禁止区画。そこで、早朝に、ちょっとした爆発が起こる。という事件が発生した。

 幸いにして、誰もおらず怪我人などはいなかったが、転がっていた大きめの岩がいくつか粉々になってしまったそうだ。元々は円柱地形の一部であり、領主様は凄く怒っていたという。


 俺は頭部以外を全て失うという、人生初の経験をして、学校を休んだ。


 ノアが頭だけを守ってくれて、我儘亭の俺の部屋のベッドに、置いてくれたので、翌日の夜の雷の日に、復活した。

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